杉井光 先生が原作を務める『電脳格技メフィストワルツ』の外伝的な立ち位置にある本作。
元お嬢様学校に入学した少年が、ガチなゲーム好き少女たちに振り回されるラブコメです。
(イラスト:水原優 先生)
【 http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631224-0 】
財閥の令嬢“凛音”、読者モデルの“ひなみ”、スコットランドからの帰国子女“アイリ”。
学校に馴染めずサボりがちな“小野木”はゲーセンで音ゲーに明け暮れる。かの3人が所属
する「伝統格式研究会」に目をつけられた彼は彼女たちに呼び出される。その理由とは──。
ということでガチの格ゲー好きな“凛音”たちを行きつけのゲーセン「池袋ピアニッシモ」に
案内する“小野木”が、知り合った仲間らの教えもあって少しずつ格ゲーに強くなっていく。
その過程、やりとりがいかにも先生らしく安心して読めます。専門用語の解説もバッチリです。
実は格ゲー有名店が別にあり、「ピアニッシモ」が方針転換で格ゲーの撤去に乗り出す事態に。
新しくできた居場所を守るため店同士の格ゲー対決に臨む“小野木”たちは賭けに勝てるのか。
彼らの熱いプレイと、彼ららしい話の落とし所にご注目。水原 先生による挿絵もご堪能あれ。
おかゆさん 先生が漫画を担当する『電脳格技メフィストワルツ』も拝読。小説にも登場した
不運の元ピアニスト“フラン”が、自身と似たアバターを使う動画を見たことをきっかけに
「池袋ギャンビット」で格ゲーの能力を開花させていく「新時代格闘ゲーマーコミック」です。
格ゲーの生ける伝説と称される“桜庭”に目をかけられることになった“フラン”がピアノを
弾けなくなった自分に悲観する心境を、格ゲーを通じて払拭していく展開が熱い。“桜庭”の
キメ台詞の一つ「光速は 俺らには遅すぎる」の意味も、なるほど筋が通っていて面白いです。
登場人物が見せる言動の端々に 杉井 先生のテイストが見て取れて、これまたなるほど感が
強いですし、“桜庭”と対戦することになる“フラン”が彼に一矢報いるきっかけの与え方も
「らしさ」が垣間見えて実に楽しい。“綾音”がイイ味を出していて好感触。続きに期待です。
2018年02月14日
2018年02月13日
『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』
しめさば 先生の「カクヨム」投稿作が書籍化。片思いの上司に振られ、ヤケ酒におぼれた
男性サラリーマンが家出中の女子高生を泊めた所から始まる同居生活を描くラブコメです。
(イラスト:ぶーた 先生)
【 http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321709000487 】
【 https://kakuyomu.jp/works/1177354054882739112 】
「ヤらせてあげるから泊めて」旭川から家出してきた女子高生の“沙優”が酔った“吉田”
に対して向けた言葉。そして彼は「甘ったれな根性がマシになるまでは置いといてやる」と
動揺しながらも強気な姿勢。一泊どころか同居することになった2人の心境は如何に──。
“沙優”がいることで思わぬ生活改善に繋がる“吉田”。彼が教育受け持つ新人“三島”や
玉砕した上司の“後藤”に目をつけられて探りを入れられる場面とか羨ましいものですな。
そんな彼の優しさ、特に体を求めないことに対し揺れていく“沙優”の心境が見所の一つ。
やがて“沙優”の心の振幅が許容範囲を超えた時、ある行動に出る訳ですが、それを収める
あのシーンは印象深いものがありました。過去はどうあれ、今を生きる“沙優”の等身大の
機微を受け止めてほしい、と感じる作品。穏やかに心温まるラブコメが読みたい方にお薦め。
男性サラリーマンが家出中の女子高生を泊めた所から始まる同居生活を描くラブコメです。
(イラスト:ぶーた 先生)
【 http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321709000487 】
【 https://kakuyomu.jp/works/1177354054882739112 】
「ヤらせてあげるから泊めて」旭川から家出してきた女子高生の“沙優”が酔った“吉田”
に対して向けた言葉。そして彼は「甘ったれな根性がマシになるまでは置いといてやる」と
動揺しながらも強気な姿勢。一泊どころか同居することになった2人の心境は如何に──。
“沙優”がいることで思わぬ生活改善に繋がる“吉田”。彼が教育受け持つ新人“三島”や
玉砕した上司の“後藤”に目をつけられて探りを入れられる場面とか羨ましいものですな。
そんな彼の優しさ、特に体を求めないことに対し揺れていく“沙優”の心境が見所の一つ。
やがて“沙優”の心の振幅が許容範囲を超えた時、ある行動に出る訳ですが、それを収める
あのシーンは印象深いものがありました。過去はどうあれ、今を生きる“沙優”の等身大の
機微を受け止めてほしい、と感じる作品。穏やかに心温まるラブコメが読みたい方にお薦め。
2018年02月12日
『-インフィニット・デンドログラム- 6.〈月世の会〉』
「このラノ2018」で新作2位&総合3位! 海道左近 先生の大人気VRMMO ファンタジー。
第6巻は宗教クランのトップ“月夜”に“レイ”たちが色々振り回される様子を描きます。
(イラスト/タイキ 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/765.html 】
自由奔放な“月夜”に体のいいオモチャ扱いされる“レイ”。その圧倒的な力の差を前に
しても打開策を見出そうとする彼とは対称的に足手まといさが内心拭えない“ネメシス”。
“月夜”のパートナーである“カグヤ”に優しく、そして厳しく諭される内容もシビア。
救援に駆けつけた“フィガロ”に任せっきりにしないところも“レイ”らしさが窺えます。
そして“玲二”が“レイ”であることに気付かれる事案が連続して発生するあたり、彼に
とって不幸なようで救われる話。面白い所から縁を繋いでいくのが先々どう繋がるか注目。
“月夜”を支える“月影”との接触が思わぬ因縁をつけられる契機になるあたり、騒動を
呼ぶ男としか言えない“レイ”。「みたらし」の名にふさわしい結果をもたらすあたりは
彼の人徳かと。そんな中で“ネメシス”に突如訪れる変化が何を意味するか気になります。
第6巻は宗教クランのトップ“月夜”に“レイ”たちが色々振り回される様子を描きます。
(イラスト/タイキ 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/765.html 】
自由奔放な“月夜”に体のいいオモチャ扱いされる“レイ”。その圧倒的な力の差を前に
しても打開策を見出そうとする彼とは対称的に足手まといさが内心拭えない“ネメシス”。
“月夜”のパートナーである“カグヤ”に優しく、そして厳しく諭される内容もシビア。
救援に駆けつけた“フィガロ”に任せっきりにしないところも“レイ”らしさが窺えます。
そして“玲二”が“レイ”であることに気付かれる事案が連続して発生するあたり、彼に
とって不幸なようで救われる話。面白い所から縁を繋いでいくのが先々どう繋がるか注目。
“月夜”を支える“月影”との接触が思わぬ因縁をつけられる契機になるあたり、騒動を
呼ぶ男としか言えない“レイ”。「みたらし」の名にふさわしい結果をもたらすあたりは
彼の人徳かと。そんな中で“ネメシス”に突如訪れる変化が何を意味するか気になります。
2018年02月09日
『友人キャラは大変ですか?4』
伊達康 先生が贈る名助演ラブコメ。第4巻は失踪した“エルミーラ”を探す“一郎”が
子育て生活の支援を余儀なくされてしまう、彼女が抱える「深い事情」に巻き込まれます。
(イラスト:紅緒 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517170 】
常闇の血族としての事情ゆえに赤子の“シズマ”を預かることになった“エルミーラ”。
だからこそ“龍牙”たちに相談できない、と頑なに“一郎”からの説得を拒む彼女が夫婦
としての既成事実を盛り込もうとするしたたかさが面白い。彼にとっては悩みの種ですが。
“トウテツ”だけでなく“エルミーラ”を狙う“キュウキ”からも「主人公だろう?」と
指摘される“一郎”。否定しようにも彼女と「奈落の三姫」に繋ぎをつけたり“杏花”の
危機を救ったり、と実績が積み上がっていく展開に苦笑せざるを得ず。こちらも頑なです。
“雪宮”と“トウテツ”、“龍牙”と“呪理”など、敵味方の区別も曖昧となっていく中、
“エルミーラ”が抱える悩みはどう解決されるのか。今巻最大の仰天イベントにご注目。
そして最後の四凶“トウコツ”の思いがけない登場シーンがどう絡んでくるか楽しみです。
子育て生活の支援を余儀なくされてしまう、彼女が抱える「深い事情」に巻き込まれます。
(イラスト:紅緒 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517170 】
常闇の血族としての事情ゆえに赤子の“シズマ”を預かることになった“エルミーラ”。
だからこそ“龍牙”たちに相談できない、と頑なに“一郎”からの説得を拒む彼女が夫婦
としての既成事実を盛り込もうとするしたたかさが面白い。彼にとっては悩みの種ですが。
“トウテツ”だけでなく“エルミーラ”を狙う“キュウキ”からも「主人公だろう?」と
指摘される“一郎”。否定しようにも彼女と「奈落の三姫」に繋ぎをつけたり“杏花”の
危機を救ったり、と実績が積み上がっていく展開に苦笑せざるを得ず。こちらも頑なです。
“雪宮”と“トウテツ”、“龍牙”と“呪理”など、敵味方の区別も曖昧となっていく中、
“エルミーラ”が抱える悩みはどう解決されるのか。今巻最大の仰天イベントにご注目。
そして最後の四凶“トウコツ”の思いがけない登場シーンがどう絡んでくるか楽しみです。
2018年02月08日
『チアーズ! 2』
本編と外伝のコミカライズ企画が早々に始動した、赤松中学 先生が贈る汗と涙の青春活劇。
第2巻はチア全日本カップに挑むため“舞桜”たちが新メンバー獲得に動く様子を描きます。
(イラスト:こぶいち 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1609 】
スポーツ目当てではなく進学目的で南高に進学してきた二人、料理部の“多恵”と園芸部の
“ジェニファー”。引っ込み思案な二人が奇跡的に友達になって密かな仲を続けていく・・・
だけで終わらずにチア部とどう関わるか。変わるきっかけを掴めるか否かで話を魅せます。
そして今巻の問題児“きらら”が登場。ぶりっ子全開で目立ちたがり屋。“舞桜”の位置を
やりたがる彼女が持つ能力の高さもあってなおざりにもできないチア部の面々に思わず共感。
上手くいく姿が想像できない展開の中、彼女の家の事情が見えてくることで話は一変します。
自分のために人生を歩みたい“きらら”がどれだけ頑張っているか、その夢すら叶えるのが
難しい彼女を意外な人物が支えることになる話運びが胸を打ちます。チアリーダーとして、
「チアーズ」の一員として自覚した彼女を迎えたチア部を潰しにかかる動き、気になります。
第2巻はチア全日本カップに挑むため“舞桜”たちが新メンバー獲得に動く様子を描きます。
(イラスト:こぶいち 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1609 】
スポーツ目当てではなく進学目的で南高に進学してきた二人、料理部の“多恵”と園芸部の
“ジェニファー”。引っ込み思案な二人が奇跡的に友達になって密かな仲を続けていく・・・
だけで終わらずにチア部とどう関わるか。変わるきっかけを掴めるか否かで話を魅せます。
そして今巻の問題児“きらら”が登場。ぶりっ子全開で目立ちたがり屋。“舞桜”の位置を
やりたがる彼女が持つ能力の高さもあってなおざりにもできないチア部の面々に思わず共感。
上手くいく姿が想像できない展開の中、彼女の家の事情が見えてくることで話は一変します。
自分のために人生を歩みたい“きらら”がどれだけ頑張っているか、その夢すら叶えるのが
難しい彼女を意外な人物が支えることになる話運びが胸を打ちます。チアリーダーとして、
「チアーズ」の一員として自覚した彼女を迎えたチア部を潰しにかかる動き、気になります。