2018年02月26日

『ソードアート・オンライン プログレッシブ5』

アインクラッドを第一層から攻略する過程を描く、川原礫 先生によるもう一つの「SAO」。
第5巻はパズルだらけの第六層で始まる“キリト”と“アスナ”の共同生活に触れます。
(イラスト/abec 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893613-2/


口絵から、挿絵の数々から、織り交ぜられた様々な場面から、“キリト”と“アスナ”の
絆の深まり具合というか何ともこそばゆい感が伝わってきます。ハラスメント防止コード
についてあれこれ考えを巡らせるシーンとかもう、思わず左右に転がりたくなる勢いです。

“アスナ”が乗り越えなければならない壁、対人戦闘について描かれているのもポイント。
とは言え“キリト”も言及しております通り、彼女の男前ぶりというか潔さに思わず感嘆。
手に汗握る“モルテ”との再戦では剣の強化の布石も活かされており、納得の展開でした。

ギルドフラッグの問題や「ALS」と「DKB」の確執、そしてPK勢の暗躍も続く中で再会した
“キズメル”とのやりとりもいろいろな救い、更には先々への手がかりへと繋がっていき
続きが気になる所での引き具合。次巻はいつ出るのやら、気長に待つことといたします。

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2018年02月23日

『父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ』

みかみてれん 先生のカクヨム「漫画原作小説コンテスト・大賞」受賞作。参加者がみんな
殺し合うデスゲームを運営する会社に勤める敏腕部長の世知辛い日常を描くコメディです。
(イラスト:いなほ咲貴 先生)

http://novel-zero.com/issued/2018/02/01.html
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881423791
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_KS01000065010000_68/


失敗すれば即死亡。革新的で刺激的なエンターテインメントとなるデスゲームを次々と世に
送り出す制作運営会社「FATHER」。その要となる運営部門統括部を担う“黒崎”は上司の
無茶ぶりや部下の期待に応える多忙な日々を送る。最愛の妻と大事な娘を養うために──。

クセの強い“スティーブン”、直属の部下“紫乃”を引き連れシステムエンジニアに似た
トラブル対応に追われる“黒崎”にある種の共感を覚えます。死の雰囲気を感じさせない
コミカルな描写が先生らしい持ち味を魅せます。マンガと挿絵担当が同じなのも良いです。

“黒崎”が“紫乃”の豊満な胸に惑わされることなく妻“美咲”との愛を育む様子、娘の
娘の“花蓮”やその同級生“梨々香”に好かれる関係には癒されると共に羨ましさもあり。
仕事に誇りを持つ彼の姿勢も褒めておきたい点です。マンガと共に躍進を期待する所です。

posted by 秋野ソラ at 00:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年02月22日

『田中〜年齢イコール彼女いない歴の魔法使い〜 6』

ぶんころり先生が贈る王道異世界ファンタジー。第6巻はペニー帝国の代表として魔法の
最先端をゆく「学園都市」を訪れた“田中”が、ある研究を巡る騒動に巻き込まれます。
(イラスト:MだSたろう 先生)

http://micromagazine.net/gcn/lineup/tanaka06/
http://micromagazine.net/gcn/tanaka/


娘を思うあまり無理を通そうとした“リチャード”の行動が引き起こした“エステル”の
記憶喪失。関係をリセットする良い機会と捉える“田中”の心情と、彼女の想いを知るが
故に気が気でない“ソフィア”や“エディタ”の機微の違いが問題の難しさを物語ります。

“田中”の気持ちを唯一知る“ロコロコ”とのやりとりも前巻に続き興味深い。その彼が
“エディタ”と共に訪れた学園都市で、ある出自故にいじめを受けていた“アーシュ”を
助けることになる彼が思いがけず“エステル”と対決することになる展開がまた面白い。

そして今巻では“田中”にまさかのキスシーン。もちろん挿絵付きで。我が世の春か、と
言わんばかりの内に秘めた喜びを、ぶんころり先生が否応なしに地の底へ叩きつけていく
かのような展開には思わず苦笑い。報われない“エディタ”を応援しつつ次巻を待ちます。

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2018年02月21日

『底辺剣士は神獣<むすめ>と暮らす 4 家族で考える神獣たちの未来』

番棚葵 先生が贈るまったり迷宮攻略ライフ。第4巻は“フェニ”たちを正式に迎え入れた
“アード”が、彼女たちの行く末を、そして自身が冒険にこだわる理由を見つめ直します。
(イラスト:米白粕 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1620


いずれ“アード”の老後を世話するかもしれないことを加味して仕事を探す“フェニ”たち。
彼にならって冒険者・・・の一環である探偵業に臨むことに。もちろん最初から上手くいくこと
もありませんし、仕事の内容も理想とはかけ離れたものになります。微笑ましいものです。

とは言え色々な仕事をこなしていく内に、やがて街を騒がせる強盗団の尻尾を掴む娘たちに
気が気でない“アード”の親として成長していく様子も見どころの一つと言えるでしょう。
成長した娘たちを信頼し見守る、その姿に。“リウナ”のサポートも光るものがありました。

探偵団を結成して一番の謎解きに臨む“フェニ”たちと“アード”。思いがけない結末を
前にして彼女たちが決めたこと、そして彼が冒険者であり続ける理由を見届けて家族もの
としても存分に堪能しました。未来に向かって進む彼ら彼女らを応援せずにいられません。

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2018年02月20日

『引きこもり勇者VS学級委員長まおう』

春日山せいじ 先生の「第19回えんため大賞・特別賞」受賞作。平和な世界で要らない子と
なった引きこもり勇者と学級委員長となった魔王が主体のファンタジック・コメディです。
(イラスト:武藤此史 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047349698/


地球に隕石が落ち、溢れた亜人たちによる魔王襲来の警告を元に立案された勇者育成計画。
来たるべき時に備え頑張ってきた“勇者”の努力は“魔王”からの和平提案により崩れる。
自堕落な彼の生活をドアと共に吹き飛ばす女の子こそ学級委員長となった“魔王”で──。

ゲーム漬けの日々を過ごす“勇者”の部屋に事あるごとに入り浸る“魔王”。一緒にゲーム
などして過ごすことで改めて彼と共に学校生活を送ることを望む彼女の想いをことごとく
拒んでいく彼の「学校に行きたくない」という執念がコミカルに描かれていて面白いです。

和平を結んだ人間側、魔王側共に一枚岩ではないことなどお構いなしに、果たせなかった
“魔王”と“勇者”のガチな戦いでもって彼の進路を決める大一番を迎えます。この顛末も
彼の予想を超える展開で楽しませてもらいました。“エイミー”の報われなさにも注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年02月19日

『拝啓、最果ての勇者様へ 〜竜王の姫とめぐる旅〜』

三萩せんや 先生が贈る新作はトラベルファンタジー。平和を築こうとしたポストマンの青年、
平和を信じた竜人の王女、2人が出会い、共に旅する中で変化していくその機微を描きます。
(イラスト:三弥カズトモ 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321711000701


最後の勇者候補“アルノス”は人魔戦争終結後、ポストマンとして働くことを決め早4年。
平和な世界を見たいと国を飛び出したものの、人に裏切られた“エリヤ”を預かることに。
助手として彼女を連れる彼は思いを巡らせる。王から受けた魔王の後継者を殺す密命を──。

“アルノス”に“エリヤ”を任せることを決めた“ブローディア”や、彼の心情に気づき
釘を刺す“ライアン”。2人の元勇者の気遣い、同僚の“パロット”、手紙を届ける旅の
途中で出会う人々、何よりも彼の言動に触れて“エリヤ”が見せる優しさに心救われます。

そして、ある依頼のために冥府の王“ニグレド”に会うことを“エリヤ”が決めたことで
“アルノス”は2人の旅を続けるのか、終わらせるのか、重大な選択を迫られます。命を
賭けた“エリヤ”からの手紙の演出も素敵ですし、ぜひ顛末を見届けてほしいと思います。

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2018年02月16日

『声なき魔女と星の塔』

『レトリカ・クロニクル』でデビューした 森日向 先生が贈る新作は冒険ファンタジー。
声を奪われた魔導師の少女を救った少年が彼女を巡る大きな陰謀に巻き込まれていきます。
(イラスト:岩崎美奈子 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-893452-7/


王国の主席導師に無実の罪を着せられた宮廷導師の“ステラ”は声を封じられ谷底へ落下。
彼女の一縷の望みを拾い上げたのが古代遺跡を発掘する隊商にいる“ファル”。その素性を
知った彼は他の導師らと同様、少数民族との混血の身を忌み嫌ってくるのかと思ったが──。

真面目で頑張り屋な“ステラ”に救われ、惹かれていく“ファル”。追手が掛かる彼女には
出自の秘密が、彼女を助けたいと思う彼には世界の秘密が、思いがけずのしかかってきます。
それが2人の絆を時に深め、躓かせる展開に惹かれます。声が出ないことの絡め方も上手い。

さらに“ステラ”を巡って様々な理想を追い求める人物が、思いがけない形で物語を動かし
彼女たちですら予想だにしない想いを託され、そして終章に繋がっていく結びが心地よい。
帯にある通り、夢と冒険を忘れかけた体に染みわたる物語。存分に楽しませてもらいました。

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2018年02月15日

『若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です!3』

森田季節 先生が贈る快適お仕事ファンタジー。第3巻はミニ留学の受け入れを担当したり
様々な労働問題に向き合ったり、といろいろ多忙な“フランツ”の社会人生活を描きます。
(イラスト:47AgDragon 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631225-7
http://seiga.nicovideo.jp/comic/31560


夢と現実の残酷な違いを見せつけられる“アリエノール”に先輩として、そして彼らしく
手を差し伸べる“フランツ”。ブラック企業の代表として対峙する“ヴァニタザール”に
対しても「信じる」という信念を貫く彼の姿勢は、ある意味まぶしく映るものがあります。

ライバルが増えてやや卑屈になる“メアリ”にもしっかりフォローしたりと周囲の配慮も
抜かりないのがすごい。“セルリア”以外に心寄せられるのも自然というものでしょうか。
それにしても彼はサキュバス的なことをし過ぎじゃないですかね。羨まけしからんですね。

先生が見聞きした体験を活かし、楽しめる物語として落とし込む卓越さは脱帽の一言です。
出水高軌 先生による漫画も拝読して、可愛くてキャッチーな絵は本作に合っていて秀逸。
黒ベタは製本されても流石に取れないですかね、とか思いながら活躍を祈念する次第です。

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2018年02月14日

『電脳格技メガフィストガールズ』

杉井光 先生が原作を務める『電脳格技メフィストワルツ』の外伝的な立ち位置にある本作。
元お嬢様学校に入学した少年が、ガチなゲーム好き少女たちに振り回されるラブコメです。
(イラスト:水原優 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631224-0


財閥の令嬢“凛音”、読者モデルの“ひなみ”、スコットランドからの帰国子女“アイリ”。
学校に馴染めずサボりがちな“小野木”はゲーセンで音ゲーに明け暮れる。かの3人が所属
する「伝統格式研究会」に目をつけられた彼は彼女たちに呼び出される。その理由とは──。

ということでガチの格ゲー好きな“凛音”たちを行きつけのゲーセン「池袋ピアニッシモ」に
案内する“小野木”が、知り合った仲間らの教えもあって少しずつ格ゲーに強くなっていく。
その過程、やりとりがいかにも先生らしく安心して読めます。専門用語の解説もバッチリです。

実は格ゲー有名店が別にあり、「ピアニッシモ」が方針転換で格ゲーの撤去に乗り出す事態に。
新しくできた居場所を守るため店同士の格ゲー対決に臨む“小野木”たちは賭けに勝てるのか。
彼らの熱いプレイと、彼ららしい話の落とし所にご注目。水原 先生による挿絵もご堪能あれ。


おかゆさん 先生が漫画を担当する『電脳格技メフィストワルツ』も拝読。小説にも登場した
不運の元ピアニスト“フラン”が、自身と似たアバターを使う動画を見たことをきっかけに
「池袋ギャンビット」で格ゲーの能力を開花させていく「新時代格闘ゲーマーコミック」です。

格ゲーの生ける伝説と称される“桜庭”に目をかけられることになった“フラン”がピアノを
弾けなくなった自分に悲観する心境を、格ゲーを通じて払拭していく展開が熱い。“桜庭”の
キメ台詞の一つ「光速は 俺らには遅すぎる」の意味も、なるほど筋が通っていて面白いです。

登場人物が見せる言動の端々に 杉井 先生のテイストが見て取れて、これまたなるほど感が
強いですし、“桜庭”と対戦することになる“フラン”が彼に一矢報いるきっかけの与え方も
「らしさ」が垣間見えて実に楽しい。“綾音”がイイ味を出していて好感触。続きに期待です。

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2018年02月13日

『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』

しめさば 先生の「カクヨム」投稿作が書籍化。片思いの上司に振られ、ヤケ酒におぼれた
男性サラリーマンが家出中の女子高生を泊めた所から始まる同居生活を描くラブコメです。
(イラスト:ぶーた 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321709000487
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882739112


「ヤらせてあげるから泊めて」旭川から家出してきた女子高生の“沙優”が酔った“吉田”
に対して向けた言葉。そして彼は「甘ったれな根性がマシになるまでは置いといてやる」と
動揺しながらも強気な姿勢。一泊どころか同居することになった2人の心境は如何に──。

“沙優”がいることで思わぬ生活改善に繋がる“吉田”。彼が教育受け持つ新人“三島”や
玉砕した上司の“後藤”に目をつけられて探りを入れられる場面とか羨ましいものですな。
そんな彼の優しさ、特に体を求めないことに対し揺れていく“沙優”の心境が見所の一つ。

やがて“沙優”の心の振幅が許容範囲を超えた時、ある行動に出る訳ですが、それを収める
あのシーンは印象深いものがありました。過去はどうあれ、今を生きる“沙優”の等身大の
機微を受け止めてほしい、と感じる作品。穏やかに心温まるラブコメが読みたい方にお薦め。

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2018年02月12日

-インフィニット・デンドログラム- 6.〈月世の会〉』

「このラノ2018」で新作2位&総合3位! 海道左近 先生の大人気VRMMO ファンタジー。
第6巻は宗教クランのトップ“月夜”に“レイ”たちが色々振り回される様子を描きます。
(イラスト/タイキ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/765.html


自由奔放な“月夜”に体のいいオモチャ扱いされる“レイ”。その圧倒的な力の差を前に
しても打開策を見出そうとする彼とは対称的に足手まといさが内心拭えない“ネメシス”。
“月夜”のパートナーである“カグヤ”に優しく、そして厳しく諭される内容もシビア。

救援に駆けつけた“フィガロ”に任せっきりにしないところも“レイ”らしさが窺えます。
そして“玲二”が“レイ”であることに気付かれる事案が連続して発生するあたり、彼に
とって不幸なようで救われる話。面白い所から縁を繋いでいくのが先々どう繋がるか注目。

“月夜”を支える“月影”との接触が思わぬ因縁をつけられる契機になるあたり、騒動を
呼ぶ男としか言えない“レイ”。「みたらし」の名にふさわしい結果をもたらすあたりは
彼の人徳かと。そんな中で“ネメシス”に突如訪れる変化が何を意味するか気になります。

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2018年02月09日

『友人キャラは大変ですか?4』

伊達康 先生が贈る名助演ラブコメ。第4巻は失踪した“エルミーラ”を探す“一郎”が
子育て生活の支援を余儀なくされてしまう、彼女が抱える「深い事情」に巻き込まれます。
(イラスト:紅緒 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517170


常闇の血族としての事情ゆえに赤子の“シズマ”を預かることになった“エルミーラ”。
だからこそ“龍牙”たちに相談できない、と頑なに“一郎”からの説得を拒む彼女が夫婦
としての既成事実を盛り込もうとするしたたかさが面白い。彼にとっては悩みの種ですが。

“トウテツ”だけでなく“エルミーラ”を狙う“キュウキ”からも「主人公だろう?」と
指摘される“一郎”。否定しようにも彼女と「奈落の三姫」に繋ぎをつけたり“杏花”の
危機を救ったり、と実績が積み上がっていく展開に苦笑せざるを得ず。こちらも頑なです。

“雪宮”と“トウテツ”、“龍牙”と“呪理”など、敵味方の区別も曖昧となっていく中、
“エルミーラ”が抱える悩みはどう解決されるのか。今巻最大の仰天イベントにご注目。
そして最後の四凶“トウコツ”の思いがけない登場シーンがどう絡んでくるか楽しみです。

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2018年02月08日

『チアーズ! 2』

本編と外伝のコミカライズ企画が早々に始動した、赤松中学 先生が贈る汗と涙の青春活劇。
第2巻はチア全日本カップに挑むため“舞桜”たちが新メンバー獲得に動く様子を描きます。
(イラスト:こぶいち 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1609


スポーツ目当てではなく進学目的で南高に進学してきた二人、料理部の“多恵”と園芸部の
“ジェニファー”。引っ込み思案な二人が奇跡的に友達になって密かな仲を続けていく・・・
だけで終わらずにチア部とどう関わるか。変わるきっかけを掴めるか否かで話を魅せます。

そして今巻の問題児“きらら”が登場。ぶりっ子全開で目立ちたがり屋。“舞桜”の位置を
やりたがる彼女が持つ能力の高さもあってなおざりにもできないチア部の面々に思わず共感。
上手くいく姿が想像できない展開の中、彼女の家の事情が見えてくることで話は一変します。

自分のために人生を歩みたい“きらら”がどれだけ頑張っているか、その夢すら叶えるのが
難しい彼女を意外な人物が支えることになる話運びが胸を打ちます。チアリーダーとして、
「チアーズ」の一員として自覚した彼女を迎えたチア部を潰しにかかる動き、気になります。

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2018年02月07日

『自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ? 3』

sorani 先生によるコミック連載が始まる、三河ごーすと 先生の学園ゲーム系頭脳バトル。
第3巻は生徒会全員を相手にする“紅蓮”が「ゲーム」に対する本気を見せつけてきます。
(イラスト:ねこめたる 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1618


最愛の兄と接触できない“可憐”の倒錯ぶりがいつも以上で痛々しく。妹を救うべく動く
“紅蓮”らが臨む最初の壁「イイネ稼ぎゲーム」はどう見ても不利・・・かと思えば突飛な
策で容赦なくねじ伏せていく。信頼すべき所はちゃんと委ねる、その姿勢が空恐ろしい。

“楓”や“桃花”に加え、“透夜”と相対するため肩入れする“朝人”と“姫狐”と共に
VR脱出ゲームに参加する“紅蓮”。彼に固執する“水葉”の異常さは“可憐”に劣らず。
“朝人”らの真意も垣間見えたりして、ゲーム以外の局面でも興味深い展開を魅せます。

“紅蓮”はチーム戦でも勝てる、その方法を脱出の鍵を握る「アリスゲーム」で集大成
の如く示してきます。生徒会の面々から散々侮られた“楓”と“桃花”に花を持たせる
余裕ぶりがまた憎らしい。引きから窺える二大対決の行方、それを描く続きに注目です。

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2018年02月06日

『マギステル・マーチャント ヒモ野郎が口先だけで億万長者を目指すそうです』

シナリオライターとして有名な 砥石大樹 先生が「MF文庫J」でラノベ作家としてデビュー。
妹弟子が持つ魔法の才能を活かして一攫千金を狙う痛快ファンタジーを世に送り出します。
(イラスト:りいちゅ 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1621


巻物で魔法を使う世界で魔法屋を営む“スーミン”を助けてやってほしい。天才魔術師を
同じく師と仰ぐ“アルヴィン”が彼女の元に向かうも「一文無しなクズの助けは不要」の
一点張り。師のお願いは絶対、ということで彼は下僕扱いされながら同居を始めるが──。

ある事情から借金を背負う“スーミン”が作る巻物は芸術性を優先するあまり中々売れず。
“アルヴィン”が機能性を持たせた巻物を作ろう、と促しても頑なに拒む様子にもやもや
させられます。あとがきで先生が作家と編集者の関係に例えたのも得心がいくというもの。

“スーミン”に仕掛けられた罠を見抜き、彼女の不遇を影ながら何とかしようと振る舞う
“アルヴィン”。彼の能力の高さから次々と明るみになっていく、魔法を巡る世界の暗部。
黙っていない彼女が彼と共に二人三脚で活躍する様子が微笑ましく、楽しめる作品です。

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2018年02月05日

『俺もおまえもちょろすぎないか』

シナリオライターとして活躍する 保住圭 先生が「MF文庫J」から贈るラノベデビュー作は
誰にも惚れやすい少年と生真面目で初心な少女が織り成す超濃厚ハイスピードラブコメです。
(イラスト:すいみゃ 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1623


級友の“梅香”らに呆れられるほど、ちょっとしたことですぐ女の子を好きになる“功成”。
いきなり告白する姿勢を咎められた彼の行動を理解しようとし、かばった後輩の“つぶら”。
同じように「好きだ」と告げた彼の言葉に彼女が「はい」と頷いた所から物語は始まります。

異性とお付き合いする、ということに縁のなかった“つぶら”が、“功成”に教えてもらう
色々なことに嬉しさをあらわにする言動が実に初々しくて、こそばゆくて。思わずニヨニヨ。
面白がりながらも両者の心情に配慮して振舞う彼の妹“悠伊”の立ち居振る舞いにも好感触。

そもそもなぜ「そうなったのか」という“功成”と“つぶら”の生い立ちに触れていく終盤。
改めて両者が「人を好きになる」ことに向き合う描写と展開がラブコメに深みを与えてます。
すいみゃ 先生のイラストが彼女たちの可愛さに花を添える、読みやすくてお薦めの作品です。

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2018年02月02日

『作家軽飯』

カルロ・ゼンさん、蝉川夏哉さん、津田彷徨さんが隠れ処的な店を伏せて綴る合作同人誌。
「コミックマーケット93」において頒布開始から22分で完売した本作をようやく拝読です。

http://www.tasty-3.com
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=333299


缶詰部屋から、編集者から、そして〆切から一時でも逃れて心に栄養を、明日への活力を
取り戻すための食事。追い込まれた三者三葉の心情を、各々だけが知るお気に入りの店に
向かう過程を含めて描く。思わず苦笑いしつつ、羨ましく見えてしまうのが何とも罪深い。

値段に合わせた逃亡コースを提示してくるカルロ・ゼンさん、安定の「富士そば」一択な
蝉川夏哉さん、そして「存在X」を除く数多の神々に感謝しながら神戸まで逃避行を続ける
津田彷徨さん。それぞれの文体と作風が同人誌となっても垣間見えるのが興味深いところ。

確かに編集者や出版社の人たちには何の益にもならない本作。それにしても「太田が悪い」
というキーワードが目を惹きます。あと「長月バー」。時間的、金銭的余裕があればぜひ
隠れ処的な店を探ってみるのも一興と思える内容で、「作家重飯」の頒布も楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2018年02月01日

『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。 4』

藤孝剛志 先生が贈るファンタジー作品。第4巻は痺れを切らした“シオン”が賢者候補の
生徒たちにバトルロイヤルを強制し“夜霧”たちもその異常事態に巻き込まれていきます。
(イラスト:成瀬ちさと 先生)

http://www.es-novel.jp/booktitle/32sokushicheat4.php
http://ncode.syosetu.com/n5691dd/


“良介”ほか級友にも命を狙われる“夜霧”。様々な手法が取られる中で“春人”の罠が
着眼点として面白かった。そこで見せた“諒子”が焦る様子から窺える“夜霧”の凄さに
改めて驚かされます。まさに規格外。“キャロル”を含め彼女が達観するのも納得です。

“シオン”に仕掛けられた級友同士の戦いに“知千佳”も巻き込まれる訳ですが、まさか
“もこもこ”が敵に回るとは。調子に乗った彼女は猛省が必要ですが口絵に繋がるアレは
良い仕事でした。“夜霧”も満更でもないのが好感触。“蒼空”も善戦していましたね。

元の世界に帰る方法を聞き出すため遂に“シオン”と対峙した“夜霧”。結果は言わずも
がなですが末路がまた切ない。その印象は番外編「幽世」にも通じるものがありました。
世界中から危険視された彼が、手にしたガジェットを使い元の世界に帰れるか注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル