なみあと 先生が贈るファンタジーノベル。第7巻は“スプートニク”の元を離れ体験学校
に参加する“クリュー”の悩ましくも楽しい生活を描きつつ、彼女の謎の一つに迫ります。
(イラスト:景 先生)
【 https://www.amazon.co.jp/dp/4865292810/ 】
【 http://ncode.syosetu.com/n4843br/ 】
少しでも早く大人になりたい。あの人の傍に並びたい。ぼやぼやする中にも焦りの窺える
“クリュー”を何だかんだと気に掛ける“リーエ”の存在に、読み手としても救われます。
「手すり」の件は結果が絶対そこへ繋がると分かるだけに思わずニヨニヨしてしまいます。
そんな唯一の店員が抱える悩みを掴みきれない“スプートニク”の、焦りにも似た感情を
吹き飛ばすかのような“セシル”と“ユキ”の衝突から始まる挿話。コミカルな滑り出し
とは打って変わって、“セシル”から語られる“フランソワズ”の話が緊迫感を呼びます。
冒頭で“ソアラン”の身に降りかかる不祥事。そして思わぬ通告に為す術もない彼の姿が
痛々しい。更に一番印象に残った場面、“スプートニク”が聞かされた「彼女」の名が
意味する所は物語の中でも大きく、次巻で話をどう揺さぶってくるのか目が離せません。
2018年01月31日
2018年01月30日
『ストライク・ザ・ブラッド APPEND1 人形師の遺産』
三雲岳斗 先生が贈る大人気学園アクションファンタジー。DVD・BD購入特典に収録の短編
4編を加筆修正して「聖者の右腕」事件のその後に起こる殺人人形の話に触れていきます。
(イラスト/マニャ子 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893578-4/ 】
あとがきにもある通り、本編1巻から2巻に挟まれる挿話ということで“雪菜”の言動等
何とも初々しい場面が散見されます。マニャ子 先生のイラストはだいぶ進化しましたが。
ということで人形師“アンドレイド”の自信作“スワニルダ”の悲しい生き様が話の主軸。
前半は吸血鬼風邪をひく“古城”の情緒不安定ぶりと彼の言動に振り回される“雪菜”の
表情にまずニヨニヨ。続いて“アンドレイド”を追う“那月”と“紗矢華”が無駄に熱い
バトルを繰り広げてしまう展開が面白い。“アスタルテ”出番はやや少なめですけれども。
後半は目的のために手段を選ばなくなった“スワニルダ”と“古城”らの本格的な対決が
見所。ショッピングモールのヒーローショーを伏線として、さらに挿絵で回収してくれて
ありがとうございます。おまけ超短編も一つ一つキャラの色が出ていて堪能した次第です。
4編を加筆修正して「聖者の右腕」事件のその後に起こる殺人人形の話に触れていきます。
(イラスト/マニャ子 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893578-4/ 】
あとがきにもある通り、本編1巻から2巻に挟まれる挿話ということで“雪菜”の言動等
何とも初々しい場面が散見されます。マニャ子 先生のイラストはだいぶ進化しましたが。
ということで人形師“アンドレイド”の自信作“スワニルダ”の悲しい生き様が話の主軸。
前半は吸血鬼風邪をひく“古城”の情緒不安定ぶりと彼の言動に振り回される“雪菜”の
表情にまずニヨニヨ。続いて“アンドレイド”を追う“那月”と“紗矢華”が無駄に熱い
バトルを繰り広げてしまう展開が面白い。“アスタルテ”出番はやや少なめですけれども。
後半は目的のために手段を選ばなくなった“スワニルダ”と“古城”らの本格的な対決が
見所。ショッピングモールのヒーローショーを伏線として、さらに挿絵で回収してくれて
ありがとうございます。おまけ超短編も一つ一つキャラの色が出ていて堪能した次第です。
2018年01月29日
『りゅうおうのおしごと!7』
TVアニメが満を持して放映開始となった 白鳥士郎 先生が贈る熱血将棋コメディ。第7巻は
若き人材の台頭、新しい時代の流れを前に苦悩する先達たちが、その底力を見せつけます。
(イラスト:しらび 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4797395501.html 】
将棋ソフトも駆使してのし上がる“八一”に対し、彼の師匠“清滝”九段の落ち目は隠せず。
“鏡洲”からの示唆で自身を老害かと悩む師匠が、ある気づきから将棋人生を歩む者として
矜持を取り戻し、泥臭い将棋で“歩夢”との順位戦に臨む姿は読み手の胸を熱くさせます。
引退を決めた“蔵王”九段の最終戦に相対する“八一”もまた、先達からの詰将棋にその
生き様を問われます。将棋ソフトの導入により戦法も大きく変わっていく過渡期の中でも
将棋を指すのは人と人であることは変わらない。その言葉の重みは深く、そして苦い物に。
あとがきに代えて 白鳥 先生が伝えようとしたこと。先達たちや“桂香”らが見せる言動の
端々に感じられるような気がして、読み返したときにまた違った想いを感じたところです。
それにしても“銀子”にあの衣装を着せるとはイイ仕事してます。次巻も目が離せません。
若き人材の台頭、新しい時代の流れを前に苦悩する先達たちが、その底力を見せつけます。
(イラスト:しらび 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4797395501.html 】
将棋ソフトも駆使してのし上がる“八一”に対し、彼の師匠“清滝”九段の落ち目は隠せず。
“鏡洲”からの示唆で自身を老害かと悩む師匠が、ある気づきから将棋人生を歩む者として
矜持を取り戻し、泥臭い将棋で“歩夢”との順位戦に臨む姿は読み手の胸を熱くさせます。
引退を決めた“蔵王”九段の最終戦に相対する“八一”もまた、先達からの詰将棋にその
生き様を問われます。将棋ソフトの導入により戦法も大きく変わっていく過渡期の中でも
将棋を指すのは人と人であることは変わらない。その言葉の重みは深く、そして苦い物に。
あとがきに代えて 白鳥 先生が伝えようとしたこと。先達たちや“桂香”らが見せる言動の
端々に感じられるような気がして、読み返したときにまた違った想いを感じたところです。
それにしても“銀子”にあの衣装を着せるとはイイ仕事してます。次巻も目が離せません。
2018年01月26日
『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました5』
森田季節 先生が贈る異世界アットホームコメディ。ドラマCD付き限定特装版、コミックス
第1巻も同時刊行となる第5巻は“ベルゼブブ”のスピンオフ小説も収録した一冊です。
(イラスト:紅緒 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4797392975.html 】
【 http://www.ganganonline.com/contents/slime/ 】
【 https://ncode.syosetu.com/n4483dj/ 】
“ファルファ”と“シャルシャ”が迷子になった“ベルゼブブ”の家の庭で“サンドラ”を
確保した“アズサ”。新たな家族を迎えて学校への体験入学、「魔女の家」第二弾の開催で
気難しい“サンドラ”がほだされていく所にも“アズサ”の人たらしぶりが発揮されてます。
“ベルゼブブ”の家周辺をも舞台とした今巻。彼女の家ががあんな状態だった大元の訳が
巻末の「ヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました」で垣間見えます。
“アズサ”と似たような境遇にあった彼女が意外に良い上司ぶりを見せており好感触です。
シバユウスケ 先生のコミックスも拝読しまして、これがまた実に可愛くてキャッチーで。
“ライカ”の弟子入りする様子とか、説得されちゃう“シャルシャ”とかたまりませんね。
“ベルゼブブ”の抱き枕が販売されるまで、と言わず行ける所まで行ってほしいものです。
第1巻も同時刊行となる第5巻は“ベルゼブブ”のスピンオフ小説も収録した一冊です。
(イラスト:紅緒 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4797392975.html 】
【 http://www.ganganonline.com/contents/slime/ 】
【 https://ncode.syosetu.com/n4483dj/ 】
“ファルファ”と“シャルシャ”が迷子になった“ベルゼブブ”の家の庭で“サンドラ”を
確保した“アズサ”。新たな家族を迎えて学校への体験入学、「魔女の家」第二弾の開催で
気難しい“サンドラ”がほだされていく所にも“アズサ”の人たらしぶりが発揮されてます。
“ベルゼブブ”の家周辺をも舞台とした今巻。彼女の家ががあんな状態だった大元の訳が
巻末の「ヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました」で垣間見えます。
“アズサ”と似たような境遇にあった彼女が意外に良い上司ぶりを見せており好感触です。
シバユウスケ 先生のコミックスも拝読しまして、これがまた実に可愛くてキャッチーで。
“ライカ”の弟子入りする様子とか、説得されちゃう“シャルシャ”とかたまりませんね。
“ベルゼブブ”の抱き枕が販売されるまで、と言わず行ける所まで行ってほしいものです。
2018年01月25日
『やがて恋するヴィヴィ・レイン 5』
犬村小六 先生が贈る、恋と会戦の物語。第5巻は“ファニア”を介し、世界を巻き込んだ
“ルカ”と“ジェミニ”の対決の行方、“アステル”のリミットが訪れる瞬間に触れます。
(イラスト:岩崎美奈子 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517163 】
下からの革命で共和国内を纏める“ルカ”。上からの革命で帝国内を固める“ジェミニ”。
彼らの三角関係に巻き込まれた世界がその真意も知らず戦争の緊張下に晒される悲劇的で、
喜劇的で。外から見守るしかない“ファニア”のもどかしさがひしひしと伝わってきます。
“カミーユ”からの進言を受け止め返答した“ルカ”の覚悟が何ともバカ正直で真っ直ぐで。
あの場面は強く印象に残ります。そして“アステル”の手の甲に示された数字の意味を直接
聞いた彼が打ち明けた本音がまた切なくて。どれだけ報われないのかと思わずにいられない。
「楽園(ヴァルハラ)で会おう」そう誓った“ルカ”たちは“ジェミニ”が用意する秘策を
打ち破ることが出来るのか。“ファニア”の手の甲にある数字がゼロとなったとき判明する
真実は物語をどう動かすか。地上を超えて世界を揺るがす彼の願い、その行く末に注目です。
“ルカ”と“ジェミニ”の対決の行方、“アステル”のリミットが訪れる瞬間に触れます。
(イラスト:岩崎美奈子 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517163 】
下からの革命で共和国内を纏める“ルカ”。上からの革命で帝国内を固める“ジェミニ”。
彼らの三角関係に巻き込まれた世界がその真意も知らず戦争の緊張下に晒される悲劇的で、
喜劇的で。外から見守るしかない“ファニア”のもどかしさがひしひしと伝わってきます。
“カミーユ”からの進言を受け止め返答した“ルカ”の覚悟が何ともバカ正直で真っ直ぐで。
あの場面は強く印象に残ります。そして“アステル”の手の甲に示された数字の意味を直接
聞いた彼が打ち明けた本音がまた切なくて。どれだけ報われないのかと思わずにいられない。
「楽園(ヴァルハラ)で会おう」そう誓った“ルカ”たちは“ジェミニ”が用意する秘策を
打ち破ることが出来るのか。“ファニア”の手の甲にある数字がゼロとなったとき判明する
真実は物語をどう動かすか。地上を超えて世界を揺るがす彼の願い、その行く末に注目です。