川上稔 先生が贈る戦国学園ファンタジー。10話中巻は「羽柴十本槍」の面々に宣告された
驚くべき事実に対し、武蔵勢がどう受け止め、未来を突き進もうとするかが描かれます。
(イラスト/さとやす 先生(TENKY))
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893520-3/ 】
そりゃあ、ああも言われて「ハイそうですか」と頷けるワケもなく個人戦になだれ込んで
いくのは必定というもので。しかし衝撃の事実を次々に突き付けられては都度騒ぎ立てる
武蔵勢の肝の太さがすごい。“糟屋”の落胆ぶりには同情を禁じ得ない、というところで。
個人戦が一進一退の成績を刻んでいく熱い展開を経て武蔵と相対する安土との艦隊戦へと
なだれ込んでいく中にもドラマが。“大久保”の“正純”に対する提案から透けて見える
複雑な胸の内にいじらしさを感じます。そして艦隊戦の結末もアレですから驚きの連続で。
創世計画の行方が急速な動きを見せていく間、進むべき道を模索する武蔵勢の心情も色々。
とりわけ“トーリ”の迷いが浮き彫りになる場面であの見開きの使い方は圧巻の他はなく。
そこから畳みかけるように襲いかかる異常事態と対する秘策がどう実を結ぶのか注目です。
2017年12月29日
2017年12月28日
『うちの聖女さまは腹黒すぎだろ。』
上野遊 先生が贈る新作は、落ちこぼれの騎士志望な少年が、拾われた辺境の国で見た目は
天使、中身は悪魔のような聖女に振り回されていくブラック労働(!?)ファンタジーです。
(イラスト/りいちゅ 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893515-9/ 】
騎士になりたいが才能は欠けている“カイ”。何度も不採用通知を受ける中、採用を前向き
に検討したいと連絡してきたブラウファルト聖王国は、かつて魔神族と戦った勇者の仲間
「聖女」の末裔がいるという。意気揚々と向かう先で聖女の意外な姿を目にするが──。
王女“フローラ”からの「小遣い稼ぎに務めろ」という一方的な宣告は、思い描いていた
騎士像からは遠く離れた姿。弱みを握られた、ということもあって色々と手は打つものの
そう上手くいくはずもなく。更に旧友“モモ”から王政廃止の意思を告げられ困惑します。
やがて“フローラ”が言う小遣い稼ぎの真意、“モモ”が目指す王政廃止の理由が見えて
来ると物語の流れはぐるりと向きを変えてきます。そこが人情味あふれていて心が温まる
結びへと繋がります。“リーリエ”の姫様ラブな言動も面白い。続きが見てみたい所です。
天使、中身は悪魔のような聖女に振り回されていくブラック労働(!?)ファンタジーです。
(イラスト/りいちゅ 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893515-9/ 】
騎士になりたいが才能は欠けている“カイ”。何度も不採用通知を受ける中、採用を前向き
に検討したいと連絡してきたブラウファルト聖王国は、かつて魔神族と戦った勇者の仲間
「聖女」の末裔がいるという。意気揚々と向かう先で聖女の意外な姿を目にするが──。
王女“フローラ”からの「小遣い稼ぎに務めろ」という一方的な宣告は、思い描いていた
騎士像からは遠く離れた姿。弱みを握られた、ということもあって色々と手は打つものの
そう上手くいくはずもなく。更に旧友“モモ”から王政廃止の意思を告げられ困惑します。
やがて“フローラ”が言う小遣い稼ぎの真意、“モモ”が目指す王政廃止の理由が見えて
来ると物語の流れはぐるりと向きを変えてきます。そこが人情味あふれていて心が温まる
結びへと繋がります。“リーリエ”の姫様ラブな言動も面白い。続きが見てみたい所です。
2017年12月27日
『ゼロから始める魔法の書XI ―獣と魔女の村づくり―』
虎走かける 先生が贈るファンタジー作品。第11巻は“ゼロ”と“傭兵”が“神父”たちも
巻き込んでの村づくりに四苦八苦する顛末を描く、書き下ろしを含めた短編集となります。
(イラスト/しずまよしのり 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893521-0/ 】
命を懸けるような旅から距離を置いて村での生活を始めた“ゼロ”と“傭兵”の、つかず
離れずの絶妙な距離感を描くエピソードが満載の短編集とも言えます。教会と廃教会の話
とか“ゼロ”に押されっぱなしになる“傭兵”のタジタジな感じとか典型的ではないかと。
トゲが抜けてきた“神父”や健気に頑張る“リーリ”、相変わらず少々残念な所を見せる
“アルバス”の様子など、“ゼロ”や“傭兵”以外の面々も穏やかな日常を過ごしている
ことが分かる描写の数々も安心して読める要素かと思います。ボーナスステージのように。
「画伯と開かずの間」から「あの二人」が透けて見えるのも雑誌掲載の小編だからこそと
言えましょう。読了後の印象として読み手の反応を窺う雰囲気が感じられました。村での
生活を基盤として二人の今後をどう描いていくのか、虎走 先生の手腕が試される所かと。
巻き込んでの村づくりに四苦八苦する顛末を描く、書き下ろしを含めた短編集となります。
(イラスト/しずまよしのり 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893521-0/ 】
命を懸けるような旅から距離を置いて村での生活を始めた“ゼロ”と“傭兵”の、つかず
離れずの絶妙な距離感を描くエピソードが満載の短編集とも言えます。教会と廃教会の話
とか“ゼロ”に押されっぱなしになる“傭兵”のタジタジな感じとか典型的ではないかと。
トゲが抜けてきた“神父”や健気に頑張る“リーリ”、相変わらず少々残念な所を見せる
“アルバス”の様子など、“ゼロ”や“傭兵”以外の面々も穏やかな日常を過ごしている
ことが分かる描写の数々も安心して読める要素かと思います。ボーナスステージのように。
「画伯と開かずの間」から「あの二人」が透けて見えるのも雑誌掲載の小編だからこそと
言えましょう。読了後の印象として読み手の反応を窺う雰囲気が感じられました。村での
生活を基盤として二人の今後をどう描いていくのか、虎走 先生の手腕が試される所かと。
2017年12月26日
『キラプリおじさんと幼女先輩(3)』
岩沢藍 先生が贈る、女児向けアイドルアーケードゲームに情熱を注ぐ少年少女のラブコメ。
第3巻は九州最強の幼女先輩に敗れた“翔吾”と“千鶴”がタッグを組んで再戦に臨みます。
(イラスト/Mika Pikazo 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893522-7/ 】
全国キラプリ大会、その予選会場である博多で着物コーデの〈りんご〉で圧勝した“林檎”
から「友達なんかといるから負けたの」と告げられる“千鶴”たち。個人戦を逃した二人に
残された道はペア枠での出場のみ。曲との完璧なシンクロが必要な難題に頭を悩ませます。
そこで“夕美”から提案される同居生活。さらに“林檎”が練習の場とするゲーセンでの
修練の日々。そして見えてくる“林檎”のソロプレイへのこだわりに結び付く因縁の過去。
極めつけには四の五の言えなくなる、“翔吾”と“千鶴”のキラプリ活動を揺るがす事態。
少し前の“千鶴”を見るかのような“林檎”に協力プレイの楽しさ、素晴らしさを勝負で
見せつける場面が実に熱い。共同生活のこそばゆいやりとりも見どころの一つでしょう。
そして締め括りでも魅せてくれる本作も一区切りつけたようですが続きが見たいものです。
第3巻は九州最強の幼女先輩に敗れた“翔吾”と“千鶴”がタッグを組んで再戦に臨みます。
(イラスト/Mika Pikazo 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893522-7/ 】
全国キラプリ大会、その予選会場である博多で着物コーデの〈りんご〉で圧勝した“林檎”
から「友達なんかといるから負けたの」と告げられる“千鶴”たち。個人戦を逃した二人に
残された道はペア枠での出場のみ。曲との完璧なシンクロが必要な難題に頭を悩ませます。
そこで“夕美”から提案される同居生活。さらに“林檎”が練習の場とするゲーセンでの
修練の日々。そして見えてくる“林檎”のソロプレイへのこだわりに結び付く因縁の過去。
極めつけには四の五の言えなくなる、“翔吾”と“千鶴”のキラプリ活動を揺るがす事態。
少し前の“千鶴”を見るかのような“林檎”に協力プレイの楽しさ、素晴らしさを勝負で
見せつける場面が実に熱い。共同生活のこそばゆいやりとりも見どころの一つでしょう。
そして締め括りでも魅せてくれる本作も一区切りつけたようですが続きが見たいものです。
2017年12月25日
『魔術監獄のマリアンヌ』
松山剛 先生が贈る新作は、魔術師を排斥した王国で未だ逃亡を続けるかつての反乱首謀者
を探す任に就いた刑法官と同行する魔術犯罪者の追跡行を綴るダーク・ファンタジーです。
(イラスト/パセリ 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893523-4/ 】
制圧と共に死んだ反乱軍の首謀者“ルイーゼ”。その弟“レメディオス”は遺志を受け継ぎ
今も逃亡を続ける身。若き女性刑法官“マリアンヌ”が彼を追う勅命に就く条件は大監獄に
囚われている当時の大幹部“ギルロア”と魔術契約をする必要がある。その条件とは──。
訳知り顔でからかう“ギルロア”に、若輩ながらも上からの立場で対応する“マリアンヌ”。
脱獄犯との接触から今の反乱軍幹部との対峙と手がかりを繋いていく“マリアンヌ”に身の
危険が及ぶ度に“ギルロア”が助けるあたりは小憎い。その代償は中々恥ずかしい様ですが。
やがて辿り着く“レメディオス”との邂逅で知らされる、“マリアンヌ”たち王国民には
開示されていなかった真実。更に“ギルロア”の真意に気付いた彼女がそれらを受け止め
どう行動するのか。歴史の狭間に翻弄される彼女の生き抜いた証をぜひ見届けてください。
を探す任に就いた刑法官と同行する魔術犯罪者の追跡行を綴るダーク・ファンタジーです。
(イラスト/パセリ 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893523-4/ 】
制圧と共に死んだ反乱軍の首謀者“ルイーゼ”。その弟“レメディオス”は遺志を受け継ぎ
今も逃亡を続ける身。若き女性刑法官“マリアンヌ”が彼を追う勅命に就く条件は大監獄に
囚われている当時の大幹部“ギルロア”と魔術契約をする必要がある。その条件とは──。
訳知り顔でからかう“ギルロア”に、若輩ながらも上からの立場で対応する“マリアンヌ”。
脱獄犯との接触から今の反乱軍幹部との対峙と手がかりを繋いていく“マリアンヌ”に身の
危険が及ぶ度に“ギルロア”が助けるあたりは小憎い。その代償は中々恥ずかしい様ですが。
やがて辿り着く“レメディオス”との邂逅で知らされる、“マリアンヌ”たち王国民には
開示されていなかった真実。更に“ギルロア”の真意に気付いた彼女がそれらを受け止め
どう行動するのか。歴史の狭間に翻弄される彼女の生き抜いた証をぜひ見届けてください。