SOW 先生が「GA文庫」から初めて贈る新作は、長きに渡る人類種族と魔族を経て休戦状態と
なった世界で、魔族の育成に肩入れするネクロマンサーのネガティブな授業風景を描きます。
(イラスト:がおう 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4797393262.html 】
ネクロマンサーの道を究めたがゆえに周囲から嫌われ、ぼっち街道をひた走る“クトゥー”。
そんな彼が笑顔の素敵な少女、勇者の“レティシア”に告白し、玉砕したことを境に彼は
人類滅亡を目指し魔王軍に志願。彼の気持ち持て余した魔王はある計画を打ち明ける──。
将来を見据えて人類種族と戦う人材を育成する「A組」に対し「B組」はその文化を学ぶため
の低級魔族が集まるクラス。それでも自身の計画実現を図る“クトゥー”の徹底した卑屈さ
を前に、B組の委員長“ライム”などが面倒くさいと口を揃えるのも納得で思わず苦笑い。
やがて“クトゥー”が抱える過去の因縁がB組の面々を脅かしたとき、魔王や“レティシア”
が彼に思わぬ期待を寄せていること、更に「前がたり」の情景がフラッシュバックする瞬間
が見所かと。“ライム”の心に残るものが何をもたらすか、その先を見てみたいものです。
2017年11月30日
2017年11月29日
『お前(ら)ホントに異世界好きだよな 〜彼の幼馴染は自称メインヒロイン〜』
エドワード・スミス 先生が贈る新作は、現実主義者な少年が異世界好きな幼馴染の少女と
共に異世界の平和を守る神々の代行者となり活躍する様を描くドタバタ・ファンタジーです。
(イラスト/ERIMO 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893458-9/ 】
バイトをさせてくれない姉と猛烈なアプローチをみせる幼馴染“亜希奈”の存在が悩みの
種である“匡一郎”。今日も彼女と水族館に向かうはずの彼が辿り着いたのは何と異世界。
転移してきた現世界人が帰らないので送還する手伝いをしてほしいと神は言うのだが──。
“匡一郎”がバイト感覚で始めた現世界人の強制送還代行業。異世界の案内人でポンコツ
すぎる“ミカリア”や“亜希奈”の助力も得て成果を重ねていく彼が、異世界に逃避する
彼ら彼女らを馬鹿馬鹿しいと思うのではなく羨ましいと思うようになる心境の変化に注目。
だからこそ、このタイトルにしたのか、というセリフに込められた気持ちの違いが分かる
読了後の感覚をぜひ味わってみてほしい。異世界が繋ぐ人の縁を描いていく展開も面白く、
ERIMO 先生が“亜希奈”にどんな衣装を着せてくれるのかも期待したいので続刊希望です。
共に異世界の平和を守る神々の代行者となり活躍する様を描くドタバタ・ファンタジーです。
(イラスト/ERIMO 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893458-9/ 】
バイトをさせてくれない姉と猛烈なアプローチをみせる幼馴染“亜希奈”の存在が悩みの
種である“匡一郎”。今日も彼女と水族館に向かうはずの彼が辿り着いたのは何と異世界。
転移してきた現世界人が帰らないので送還する手伝いをしてほしいと神は言うのだが──。
“匡一郎”がバイト感覚で始めた現世界人の強制送還代行業。異世界の案内人でポンコツ
すぎる“ミカリア”や“亜希奈”の助力も得て成果を重ねていく彼が、異世界に逃避する
彼ら彼女らを馬鹿馬鹿しいと思うのではなく羨ましいと思うようになる心境の変化に注目。
だからこそ、このタイトルにしたのか、というセリフに込められた気持ちの違いが分かる
読了後の感覚をぜひ味わってみてほしい。異世界が繋ぐ人の縁を描いていく展開も面白く、
ERIMO 先生が“亜希奈”にどんな衣装を着せてくれるのかも期待したいので続刊希望です。
2017年11月28日
『おいしいベランダ。 午後4時の留守番フルーツティー』
竹岡葉月 先生が贈る大好評・園芸ライフラブストーリー。第4巻は“佐倉井”と共に働く
“まもり”の姿を見た“葉二”がケンカをしてしまったり、と二人の気持ちが試されます。
(イラスト:おかざきおか 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/product/321707000955/ 】
“まもり”としては「もう終わったもの」と認識していた“佐倉井”の気持ち。しかし相手
からしたら、更には今の彼氏からしたら・・・と考えれば彼女がいかに油断しているかが分かる
話でした。らしいというかいつも通りかもですが。「佐倉井君スピンオフ」が気になります。
夏を堪能する場所として選ぶのは海か山か。決め方や行き方も含めて微笑ましい様子だなぁ
と思いきや“まもり”に思わぬこだわりが見られた良いエピソードでした。二人で過ごす
時間が段々と自然になっていく中、“葉二”に彼の人生を左右する一本の電話が入ります。
会社勤めの話が差し込まれる今巻の意図がいよいよ見えてきた四章。仕事を取るか彼女を
取るか。究極の選択に悩んでいることを素直に明かす“葉二”、それを察する“まもり”。
積み重ねてきたものを見てきただけにこの顛末、かつエピローグは見届ける価値アリです。
“まもり”の姿を見た“葉二”がケンカをしてしまったり、と二人の気持ちが試されます。
(イラスト:おかざきおか 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/product/321707000955/ 】
“まもり”としては「もう終わったもの」と認識していた“佐倉井”の気持ち。しかし相手
からしたら、更には今の彼氏からしたら・・・と考えれば彼女がいかに油断しているかが分かる
話でした。らしいというかいつも通りかもですが。「佐倉井君スピンオフ」が気になります。
夏を堪能する場所として選ぶのは海か山か。決め方や行き方も含めて微笑ましい様子だなぁ
と思いきや“まもり”に思わぬこだわりが見られた良いエピソードでした。二人で過ごす
時間が段々と自然になっていく中、“葉二”に彼の人生を左右する一本の電話が入ります。
会社勤めの話が差し込まれる今巻の意図がいよいよ見えてきた四章。仕事を取るか彼女を
取るか。究極の選択に悩んでいることを素直に明かす“葉二”、それを察する“まもり”。
積み重ねてきたものを見てきただけにこの顛末、かつエピローグは見届ける価値アリです。
2017年11月27日
『ストライク・ザ・ブラッド18 真説・ヴァルキュリアの王国』
三雲岳斗 先生が贈る大人気学園アクションファンタジー。第18巻は“ラ・フォリア”から
招待された“古城”たちがアルディギアを巡る謀略と彼女の思惑に巻き込まれていきます。
(イラスト/マニャ子 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893398-8/ 】
“古城”に対する不穏な発言をする者の登場から始まり“紗矢華”のラブレター騒動など
ラブコメの色が強い展開。対して“ラ・フォリア”の意味深長な発言が緊張を誘いますが
今回同じく招待された“夏音”のことを思っての言動ということで微笑ましさを覚えます。
“ラ・フォリア”も“古城”を試すつもりがますます想いを強くする結果となり彼を巡る
恋模様に一石が投じられました。そんな穏やかな雰囲気を壊すテロリストの襲撃。彼女も
攫われ、あろうことか彼がテロリスト側につく裏切りを見せます。これは中々の窮地です。
敵に回すと厄介この上ない“古城”はなぜ敵に回ったのか、戸惑わぬ“ラ・フォリア”が
それをどう引っくり返すのか。彼のキャラ崩壊ぶりとバツが悪い落とし所、そして意外な
敵とその対応にぜひご注目。そして絃神島へとんでもない来訪者が訪れる次巻も楽しみ。
招待された“古城”たちがアルディギアを巡る謀略と彼女の思惑に巻き込まれていきます。
(イラスト/マニャ子 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893398-8/ 】
“古城”に対する不穏な発言をする者の登場から始まり“紗矢華”のラブレター騒動など
ラブコメの色が強い展開。対して“ラ・フォリア”の意味深長な発言が緊張を誘いますが
今回同じく招待された“夏音”のことを思っての言動ということで微笑ましさを覚えます。
“ラ・フォリア”も“古城”を試すつもりがますます想いを強くする結果となり彼を巡る
恋模様に一石が投じられました。そんな穏やかな雰囲気を壊すテロリストの襲撃。彼女も
攫われ、あろうことか彼がテロリスト側につく裏切りを見せます。これは中々の窮地です。
敵に回すと厄介この上ない“古城”はなぜ敵に回ったのか、戸惑わぬ“ラ・フォリア”が
それをどう引っくり返すのか。彼のキャラ崩壊ぶりとバツが悪い落とし所、そして意外な
敵とその対応にぜひご注目。そして絃神島へとんでもない来訪者が訪れる次巻も楽しみ。
2017年11月24日
『……なんでそんな、ばかなこと聞くの?』
鈴木大輔 先生が贈る新作は、死んだはずなのに存在し続ける少年と彼を蘇らせようとする
少女のひと夏を描く、雑誌『ダ・ヴィンチ』の連載小説に書き下ろしを加えた青春小説です。
(イラスト:白身魚 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/product/321706000420/ 】
岐阜県八幡における夏の風物詩「郡上おどり」、そして“雪夜”の三回忌を迎える“大和”
は町中にプラチナブロンドの髪をもつ外人が多いことに気付く。それは死んでいる人だと、
そして彼も同じ髪をしていると指摘する“雪夜”の妹“凛虎”の顔は真剣そのもので──。
記憶も朧気で死んだ理由すら覚束ない“大和”。記憶を取り戻せば生き返ることができると
告げる“凛虎”の意味深長な発言の真意は気難しい彼女の性格から探れず、まずは思い出を
振り返るところから始める彼は、やがて“雪夜”の死にある疑念が持たれていると知ります。
“凛虎”の抱える秘密、“雪夜”が死んだ理由、すべてが繋がり、すべてが終わろうとする
その瞬間に“大和”が投げかけた怒りに“凛虎”が応えた様子が、表紙絵と見事に調和して
実にしっくり来ます。訪れる夏の奇跡とその行方もまた素敵で、印象深いものがありました。
少女のひと夏を描く、雑誌『ダ・ヴィンチ』の連載小説に書き下ろしを加えた青春小説です。
(イラスト:白身魚 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/product/321706000420/ 】
岐阜県八幡における夏の風物詩「郡上おどり」、そして“雪夜”の三回忌を迎える“大和”
は町中にプラチナブロンドの髪をもつ外人が多いことに気付く。それは死んでいる人だと、
そして彼も同じ髪をしていると指摘する“雪夜”の妹“凛虎”の顔は真剣そのもので──。
記憶も朧気で死んだ理由すら覚束ない“大和”。記憶を取り戻せば生き返ることができると
告げる“凛虎”の意味深長な発言の真意は気難しい彼女の性格から探れず、まずは思い出を
振り返るところから始める彼は、やがて“雪夜”の死にある疑念が持たれていると知ります。
“凛虎”の抱える秘密、“雪夜”が死んだ理由、すべてが繋がり、すべてが終わろうとする
その瞬間に“大和”が投げかけた怒りに“凛虎”が応えた様子が、表紙絵と見事に調和して
実にしっくり来ます。訪れる夏の奇跡とその行方もまた素敵で、印象深いものがありました。