2017年10月09日

『妻を殺してもバレない確率』

「第五回ネット大賞グランプリ」を受賞した、桜川ヒロ 先生の「小説家になろう」投稿作
が書籍化。未来の様々な確率を知ることで紡がれる縁の数々をオムニバス形式で綴ります。
(イラスト:uki 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=72775001
http://ncode.syosetu.com/n4094di/


社長令嬢の“由梨”の目に留まり、政略結婚することとなった“昌弘”。真面目一辺倒の
彼は「愛せなくてもいいなら」と承諾する。そんな彼の朝の日課は「未来予測システム」
を使って「妻を殺してもバレない確率」を確認するところから始まる。その真意とは──。

表題の短編から始まり、計7つの小編を収録する本作。「確率」を通して出会いや別れを
描くだけでなく、期待や不安など登場する人々が見せる機微の変化を表していたり、奇跡や
偶然の演出に使われていたり、と一つ一つの小編でその絶妙さを魅せてくれた感じがします。

「出会い」の部分も単純に恋愛要素だけではなく、思いがけない人物との遭遇、親心子心
といった変化をつけてきているのもオムニバスとして飽きさせない工夫が凝らしてあると
思いました。最初のフリを最終的にしっかり回収してきた所も素晴らしい。オススメです。

posted by 秋野ソラ at 00:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル