2017年10月17日

『チアーズ!』

『緋弾のアリア』の 赤松中学 先生と こぶいち 先生のコンビで贈る新作。体育学校に通う
少女がチアガールを見かけたことで「競技チア」優勝を夢見て活動を始める青春活劇です。
(イラスト:こぶいち 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1579


総合体育校として知られる横須賀の女子高「南高校」。新2年生“舞桜”はある理由から
進路を見失っていたが「チア部」に活路を見い出そうと入部を決意。しかし部には“直子”
しかおらず3人いなければ廃部の危機。そこでチア経験者の“千愛”に声を掛けるが──。

チアのことを憎んでいる“千愛”、部活動に非協力的なコーチ“沙織”。まさに内憂外患
という状況で潜在能力の高さとしたたかさを見せる“舞桜”のおかげで、少しずつ事態が
好転していく展開がいかにも青春、という感じで熱くさせられます。読みやすいのも良し。

もちろん、そう話は上手く進みません。“舞桜”がここまで頑張る理由、“千愛”がチア
を憎む理由、“直子”が一人頑張る理由、それらが結びついて「応援する心」につながる
話運びが見所。好敵手の“白亜”以上に、それでも苦言を呈する“沙織”が気になります。

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2017年10月16日

『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編』

劇場版アニメが公開となった 武田綾乃 先生の青春エンタメ小説。新章後編は全国大会を
めざす“久美子”たちの演奏に、“みぞれ”と“希美”の関係が大きく関係していきます。

http://tkj.jp/book/?cd=72749101


“希美”が決めた道を行こうとする“みぞれ”。対して別の道を選ぼうとする“希美”。
『リズと青い鳥』、二人は果たしてどちらが「リズ」で「青い鳥」なのか、潜む危うさが
得も言われぬ緊張感を呼び、それに気づいた“麗奈”の言葉が悪い未来を予感させます。

“新山”の助言が呼び水となり、新体制の北宇治高校吹奏楽部もまた一つ成長する流れ。
関西大会で“久美子”たちが頑張った成果についてはぜひ読んでご確認いただくとして、
やはり“求”の存在をここで使わないワケにはいかないでしょう。まさに恐るべしです。

“みぞれ”たちの件だけでなく“優子”や“夢”の問題にも対応にあたった“久美子”の
影に日向にの苦労と活躍に目を見張る今巻。「黄前相談所」としての頑張りがエピローグ
に結び付くとは露知らず。“秀一”との新たな関係にも注目しつつ、続きを待ちたい所。

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2017年10月13日

『女神の勇者を倒すゲスな方法3 「ボク、悪い邪神じゃないよ」』

笹木さくま 先生が贈る異世界勇者攻略譚。第3巻はキリがない勇者の侵攻を食い止める為
女神教の大神殿に攻勢を仕掛ける“真一”たちが思いも寄らぬ展開と一大決戦を迎えます。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047347816/


女神教の屋台骨を崩すべく4人の枢機卿に目をつけた“真一”。“サンクティーヌ”から
手がかりを掴んだ彼が“セレス”と共にある人物に狙いを定めて、見抜いた絶好の秘策が
またゲスい。というか枢機卿の各人も違った意味でゲスの極みでどうしようもない感が。

今回も“真一”のゲスな一手で解決か、と思いきやプロローグで挟んだ場面が思わぬ形で
物語に割り込んでくる、しかも枢機卿たちも信じられない方法で一万人の勇者を量産する
という絶望的な局面を連れて。これには流石の彼が悩むのも無理はないというところで。

“セレス”が今巻、要所要所で“真一”を支えることになる振舞いの数々が実に好感触。
叱ったりけなしたりもするけど、ちゃんと好きな想いは隠さず伝えるあたりとかまさに。
最後は完結しちゃうのか、という流れを匂わせつつしっかり続くようなので楽しみです。

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2017年10月12日

-インフィニット・デンドログラム- 5.可能性を繋ぐ者達』

BOOK☆WALKER「新作ラノベ総選挙2017」で第一位を獲得した、海道左近 先生の大人気VRMMO
ファンタジー。第5巻はあの方の大活躍と共にフランクリン編、第一部の完結を迎えます。
(イラスト/タイキ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/748.html
http://hobbyjapan.co.jp/comic/series/dendro/
http://ncode.syosetu.com/n5455cx/


“レイ”の逆転勝利に沸く王国中の雰囲気を更にどん底へ叩き落す“フランクリン”の秘策。
彼の頑張りを踏みにじる大教授の悪辣ぶりに腹立たしさを覚えつつ、この絶望あふれる場は
切り崩せないのか、というところで颯爽と現れたのが前巻の予告通り“シュウ”なワケです。

これがもう気持ちいいくらいに圧倒的な強さで、“フランクリン”の狡猾な思惑を何度も
上回っていく展開は実に爽快で、その姿、言動は格好良いとしか言いようがありません。
そして“レイ”も兄に任せっきりにはしない覚悟を見せつけてくれて、とても素敵でした。

“フランクリン”が繰り出すあの手この手を裏で潰して回る方々の陰ながらの活躍にもぜひ
目を向けていただきたい。そして今巻も残したページを使って日常編などを盛り込んできた
特殊な構成となりましたが、あの挿絵はもう何かある予感しかなくて続きが気になります。

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2017年10月11日

『オール・ジョブ・ザ・ワールド』

アニメ制作に携わる 百瀬祐一郎 先生が「ファンタジア文庫」からラノベ作家として贈る
作品は、転職が強さに繋がる世界で転職できない職業になった少年の数奇な運命を描きます。
(イラスト:ヤスダスズヒト 先生)

http://ncode.syosetu.com/n8741ce/


100%就職を実現した「ルードワールド」。人は職業のために生き、衝突し、成長していく。
国から職業を与えられる「受職の儀」を前に有望視される少年“ホールデン”は転職不可な
「遊び人」に選ばれてしまう。更に国王の娘“メグ”に対し「あること」をやらかして──。

言い寄られていた“ティア”にもすげなくされ、危ぶまれた就職も何とかなるのかと思えば
そんな甘い話はなく、妹のために必要な金も稼ぐことなく、遊び人として一生管を巻くしか
道はないのか“ホールデン”・・・という逆境をどう崩してくるのか。その道のりがまず見所。

やらかしてしまった“メグ”とも何とか環境改善が出来てきたか、という所で今度は彼女が
国を揺るがす事件に巻き込まれ、しかも意外な首謀者と対峙することになる“ホールデン”。
締まるようで締まらない彼の活躍が二度おいしい今巻。出足も上々なシリーズの登場です。

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2017年10月10日

『ワキヤくんの主役理論』

涼暮皐 先生の「カクヨム」投稿作が書籍化。青春を謳歌するため「主役理論」を実践する
少年が真逆の「脇役哲学」を掲げる少女と出会い意見と想いをぶつける学園ラブコメです。
(イラスト:すし* 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1576
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882526026


「世界をひとつの物語だとするのなら俺はその主役として生きたい」と語る“未那”に対し
「世界をひとつの物語だとするのならわたしはその脇役として生きたいんだよ」と主張する
ワケありな同級生“叶”。相反する思想を持つ二人が出会う所から物語は動き始める──。

何かと縁のある“叶”を見てお友達からゆくゆくは彼女に、などと考えていた“未那”の
思いはことごとく覆される。でも互いの理論、哲学以外は相性がすこぶる良い。彼氏彼女
とならないのがおかしいくらいの奇妙な関係とやりとりの数々が読んでいてとても面白い。

それぞれが思い描く青春を実現するために一人暮らしを始めた“未那”と“叶”。どちらが
折れるのか否か、という点に加えて「そもそもなぜそんな理論、哲学を抱くようになったか」
という理由への言及も物語の鍵となるので注目して読んでほしい。お薦めのラブコメです。

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2017年10月09日

『妻を殺してもバレない確率』

「第五回ネット大賞グランプリ」を受賞した、桜川ヒロ 先生の「小説家になろう」投稿作
が書籍化。未来の様々な確率を知ることで紡がれる縁の数々をオムニバス形式で綴ります。
(イラスト:uki 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=72775001
http://ncode.syosetu.com/n4094di/


社長令嬢の“由梨”の目に留まり、政略結婚することとなった“昌弘”。真面目一辺倒の
彼は「愛せなくてもいいなら」と承諾する。そんな彼の朝の日課は「未来予測システム」
を使って「妻を殺してもバレない確率」を確認するところから始まる。その真意とは──。

表題の短編から始まり、計7つの小編を収録する本作。「確率」を通して出会いや別れを
描くだけでなく、期待や不安など登場する人々が見せる機微の変化を表していたり、奇跡や
偶然の演出に使われていたり、と一つ一つの小編でその絶妙さを魅せてくれた感じがします。

「出会い」の部分も単純に恋愛要素だけではなく、思いがけない人物との遭遇、親心子心
といった変化をつけてきているのもオムニバスとして飽きさせない工夫が凝らしてあると
思いました。最初のフリを最終的にしっかり回収してきた所も素晴らしい。オススメです。

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2017年10月06日

『妹さえいればいい。8』

2017年10月よりTVアニメが放送開始となる 平坂読 先生の大人気青春ラブコメ。第8巻は
あの「お漏らし」騒動に言及しつつ、“千尋”の心境を揺るがしていく事態が発生します。
(イラスト:カントク 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094516975


自作に訪れた編集部の失態すら話のネタにする 平坂 先生の強かさには敬服するばかりで。
話に織り込むことを了承した編集部サイドも潔い、というか。再発防止には努めて下さい。
その象徴たる変化を示した“土岐”が“千尋”に対して遂にある疑念を持つ契機を得ます。

過去よりも今、ということで自作のアニメ化に尽力する“伊月”。“那由多”との関係も
順調で幸せいっぱい・・・という最中で彼女との力量の差を見せつけられる場面はまだまだ
彼をぬるい気分にはさせません。元ヤリチン王子の“春斗”に春が来るのも同様ですかね。

“土岐”にケツをガン見されたり、うっかり失言しそうになったり、思いがけない称号を
得ることになったり、アレなアイテムを間違って入手したりとしっかりうっかりな“千尋”
が例の件を曖昧にしたことがいつ爆弾として爆発するのか、気になって仕方がありません。

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2017年10月05日

『ゲーマーズ! DLC』

葵せきな 先生が贈るこじらせゲーマーたちのすれ違い青春ラブコメ短編集。ゲーム実況者
の大学生が相方となる人物を求めて“景太”と出会うことで更なるすれ違いが始まります。
(イラスト:仙人掌 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321703000999


“霧谷歩”は何となく始めたゲーム実況動画の投稿を1年半続けてきた大学生。伸び悩む
人気へのテコ入れとして「ゲームは下手だけど反応は面白い」という理想の相方を求めて
いた矢先に該当する人物を近所で偶然見かける。その人物は“雨宮景太”と名乗った──。

“景太”が周囲の人間関係に不思議な感覚を抱く日常から始まる本作。“歩”と出会って
知らずにゲーム実況動画の相方として一緒にゲームをプレイすることになることで“花憐”
たちとはまた違った関係のズレを築く展開に苦笑。挿絵まで使ってトリックを仕込むとは。

“碧”からの助言を軽視した“歩”が、“亜玖璃”にあっさりと隠していたことがバレる
あたりから、そして「カウントダウン」が少しずつ進むところから湧き上がるワクワク感
といったらもうね。葵せきな 先生、素晴らしすぎます。こちらの続きも実に楽しみです。

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2017年10月04日

『やがて恋するヴィヴィ・レイン 4』

犬村小六 先生が贈る、恋と会戦の物語。第4巻は反体制勢力の下で本格的な活動を始めた
“ルカ”と、“ジェミニ”から求婚された“ファニア”の対称的な運命の行方を描きます。
(イラスト:岩崎美奈子 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517019


“ルカ”に対する嫌がらせのためだけに“ジェミニ”と結婚することになる、その運命を
回避する術を持たない“ファニア”の悲痛な面持ちと心情。“ルカ”との約束を諦めよう
とする現実と、その約束にすがりたくなる僅かな理想に挟まれた彼女の様子が痛々しい。

一方、荒ぶる民衆を抑えながら反抗時期を見計る“ルカ”。私情を挟まない“ファニア”
からの嘘も見抜けずいじける彼を支える“アステル”の言葉。自身も持て余すやるせない
彼女の想いが一体どこに向かうのかも気になるところで。期限も迫っていることですし。

革命の歌に後押しされ、窮地を迎えつつも何とか“ファニア”の元に迫る“ルカ”たち。
“ヴィヴィ・レイン”に関する情報も入手し、幸せなひと時を味わえたかと思った矢先に
あの仕打ち。これはしんどい。運命の残酷さに打ちひしがれながら次巻の刊行を待ちます。

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2017年10月03日

『たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語3』

サトウとシオ 先生が贈る無自覚最強ファンタジー。第3巻は豪華ホテルで住込みバイトを
することになった“ロイド”がホテル周辺で暗躍する陰謀へと知らぬ間に巻き込まれます。
(イラスト:和狸ナオ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797393859.html


自然の景観と秘湯が売りのホテルを営む“コバ”が昔馴染みの“クロム”に助力を求める
きっかけとなる謎の連続昏睡事件。そこに白羽の矢が立ったのが偶然見知った“ロイド”。
女性陣の落胆も他所に、騒動を巻き起こす予感しかない楽しみ溢れるの導入部分が楽しい。

いざホテルに着いてみれば、頑張ろうとする“ロイド”の影で様々な立場の人間が思わぬ
誤解を招く行動で思惑を錯綜させる見事な話運び。話がどこへ転がるか読めないところに
“セレン”たちが思わぬおいしい目に遭うラッキースケベ要素を盛り込むのも抜け目なく。

最終的に“ロイド”が事態を丸く収めてくれる安心感を踏まえつつ、コンロン村が一枚岩
ではないことを示す場面を挟み込んでくることで彼だけでは収まりがつかない事態の訪れ
を予感させます。それにしても村長が仕込んだマッサージが気になって仕方がないです。

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2017年10月02日

『七星のスバル6』

アニメ化が決定した、田尾典丈 先生が贈る革新的青春オンライン・ストーリー。第6巻は
失意に沈むスバルのメンバーを奮い立たせる、「七星」に込められた強い想いに迫ります。
(イラスト:ぶーた 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094516999


「弱さ」を痛感した“陽翔”たちを“希”が敢えて嫌な立ち位置から叱咤激励する場面が
いきなり印象的。そして語られる“エリシア”の秘密と「ユニオン」時代の過去が徐々に
繋がる大事な場面を「七星剣」が引き継いでいた挿話が胸を打ちます。この展開は秀逸。

〈無垢なる闇〉との厳しい戦いを予感させる局面で、現実世界との関わりを見せることで
スバルの面々が抱える覚悟、友情、思慕の強さが伝わってきます。色々と察している風の
“クライヴ”が覚醒を促すために打った一手が先々に効いてくれることを期待したい所。

突如訪れたグノーシス幹部“カイン”との死闘で色々と吹っ切った“陽翔”や、ポケット
から「アレ」を取り出して優しい表情を見せた“エリシア”とか、今巻も実に熱かった。
アニメ化を決めてますます盛り上がるであろう本作。次巻ももちろん楽しみであります。

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