シナリオライターとして活動されている 樫田レオ 先生が「ファミ通文庫」から作品を上梓。
形となった言葉を視る少年が、亡き幼馴染の最後の言葉を求めて足掻く青春ストーリーです。
(イラスト:サイトー 先生)
【 http://ebten.jp/eb-store/p/9784047347427/ 】
意思疎通ができない謎の「影」が視えるようになった“啓人”。知り合った“詩葉”から、
それが想いの残滓「迷い言」であり、彼のことをその想いを伝える「伝え人」だと告げる。
彼は船の事故で死んだ“閑香”が残したかった言葉を知る可能性に一縷の望みを託す──。
“詩葉”と出会うきっかけとなった「迷い言」が級友に思いを伝える場面を目の当たりに
したことから、ますますその望みに期待が高まる“啓人”。頼みの綱となる当時の友人たち
とは彼女の死を境にわだかまりを残して疎遠な状態となっており手詰まりと焦りを感じます。
何とか見つけた“詩葉”の「迷い言」。残された時間。思い出の地。そして打ち明けた想い。
彼女が残した言葉が“啓人”たちの止まっていた時間を再び動かしていき、友情を、思慕を、
夢を取り戻していく奇跡の締めくくりが、切なくも爽やかな読了感を味わわせてくれます。