SOW 先生が贈る街角パン屋繁盛記。第7巻は“ルート”らが営む「トッカーブロート」に
強盗犯が立てこもる騒動が過去の因縁と結びつき、彼を大いに悩ませる事態に波及します。
(イラスト/ザザ 先生)
【 https://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/741.html 】
“ソフィア”と“ダイアン”、あるいは“ヒルダ”と“リーリエ”の微笑ましいやりとり
から窺える「トッカーブロート」、そして“ルート”に忍び寄る悪意が顕在化するまでは
和やかなのです。強盗犯の“ミロスラフ”もあんな事態に巻き込まれるとは予想の範疇外。
それぞれの立場に置かれた者たちが持つ各々の「正義」。その理不尽さに決して暴力では
対抗せず受け止め続けた“ルート”の自虐に似た精神を“スヴェン”が泣きながら諫めた
あの場面は胸を打つものがあります。彼と因縁のある“マリー”の登場で状況は更に一変。
まさかの法廷劇にもつれ込む「正義」との戦い。再び“スヴェン”が最後まで食い下がる
いじらしさには敬意すら覚えるほど。何とか丸く収まったかと思いきや終章、後がたりと
続いていくあのどんでん返しが一体、何を意味するのか。次巻も注目したいと思います。