2017年08月31日

『ワールドエネミー2 不死殺しの王と王殺しの獣』

細音啓 先生が贈る世界最強のハンターアクション。第2巻は因縁の大敵から忠告を受けた
人間そっくりに変身する人狼を突き止めるべく疑惑の地へ“ノア”たちが足を踏み入れます。
(イラスト:ふゆの春秋 先生)

http://novel-zero.com/issued/2017/08/01.html


北アルトリア王国で、他の怪異と明らかに様子が違うと認定された大敵“ユンメルンゲン”
に邂逅して「大好き」と目を付けられ、女王“ヴィクトリア”がある秘めた誓いを立てる
契機を与えた顛末を話す“ノア”の逸話。それが後で効いてくるのは中々に上手い構成です。

“メルン”の忠告を受けつつ、屍鬼が現れない村に“ヴァラヴォルフ・S”が潜伏している
と狙いを定めた“ノア”。しかし何を試しても、“エルザ”の感知能力にも掛からない相手
との駆け引きが、それぞれの視点切替や読み手としてのもどかしさも相まって絶妙に面白い。

何が本当で何が嘘か。“ノア”が真実を見極めることができたのか。それ以上に彼が最後に
つぶやいた一言に繋がるあのプレゼントへ込められた想いを、彼らはどう受け止め、今後の
戦いに臨むのか。ここに注目したいところです。「ノベルゼロ」内でいま一押しの作品です。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル