虎走かける 先生が贈るファンタジー作品。第10巻は“ゼロ”から有無を言わさず別れを
告げられた“傭兵”がその理由を知るため、彼女の後を追うべくあらゆる手を尽くします。
(イラスト/しずまよしのり 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893274-5/ 】
自分の弱さを痛感してもなお無謀な道を行こうとする“傭兵”を友として止める“神父”
の折れ具合にまず目を見張ります。かつて「好き」の理由を問うた“ゼロ”と“傭兵”の
やりとり、それが“泥闇の魔女”と対峙するまで何度も活きてくる展開が印象に残ります。
“ゼロ”が「ゼロの書」を書く。その結果に至るまでの過去、仕組まれた迂遠な計画など
色々と明らかになりました。だからこそ今の“ゼロ”が、そして“傭兵”がいると思うと
感慨深い。無茶する2人を心配する“リーリ”や“アルバス”の気持ちも分かるものです。
“オルルクス”も順当な末路を辿り、「名も無き英雄」を受け入れると決めた教会の未来
もあずかり知らぬまま“ゼロ”と“傭兵”も見事に落ち着いての第一部完、お疲れ様です。
第二部はぜひ作品名を少し改めて、新たな再出発を果たしてほしい。楽しみにしています。