2017年08月17日

『ゲーマーズ!8 星ノ守心春と逆転バックアタック』

TVアニメ放映中の、葵せきな 先生が贈るこじらせゲーマーたちの すれ違い青春ラブコメ。
第8巻は元カノとなった“花憐”を他所に、揺れ動く“景太”周辺の恋愛模様を描きます。
(イラスト:仙人掌 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321703000996


修学旅行4日目。“景太”は“心春”に、“花憐”は“千秋”に、各々が今の心境を吐露
することで想いを新たにリスタートする2人を他所にラスボス化する“亜玖璃”が何とも
可愛そうで痛ましい。“祐”何とかしろ、と外野の読み手としても言わざるを得ない展開。

こじれた2人とは打って変わって“景太”と“花憐”の密接な関係がなぜか止まらない。
そこへ“心春”から仕掛けられた“千秋”とのデートを敢行したりと彼を巡る三角関係も
止まらない。こちらはこじれているのに関係は良好、という謎なやりとりがまた面白い。

“祐”の件はひとまず置いといて、こんな流れでクリスマスパーティーなんてできるの?
みたいなやり取りを経て、再び物語の進行上、とても大きな爆弾を仕掛けてきた“心春”。
彼女も「彼女」も報われてほしいと思いますが“景太”の選択肢は如何に。次巻を、早く。

posted by 秋野ソラ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年08月16日

『観葉植物になって百合カップルのイチャラブ生活を見守るお話』

みかみてれん さんのサークル「てれたにあ」がコミックマーケット92に送り出す新作は
百合もの大好き女子高生が観葉植物となって妹らの成長を見守る百合ラブストーリーです。
(イラスト:ゆぞうに さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/55/25/040030552504.html


不慮の死を遂げた“華”は気づくと何故か小学5年生の妹“葵”の部屋にある観葉植物に。
憧れの姉を失い気落ちする“葵”を、幼なじみの“千晴”が「元気が出るおまじない」で
慰める瞬間を目にした“華”は百合ップルの誕生を特等席で見守ることを決意した──。

小学生編、中学生編、高校生編と成長していく“葵”を見守る“華”の前向きさに苦笑い。
“千晴”との百合描写に注力するかと思えば二人の仲に思うところある級友の“泉美”が
急接近したりと“葵”の無垢な心は揺り動く。みかみ さんのやりたいことがてんこ盛り。

生活環境の変化にも対応できる“華”の仕掛けに驚嘆しつつ、自分のことを想ってくれる
“千晴”と“泉美”に対して“葵”はどんな選択をするのか。結末も含めてこれでもかと
詰め込まれた百合要素に大満足。挿絵の柔らかい雰囲気も作品に合致していてステキです。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2017年08月15日

『数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。』

長田信織 先生が贈る新作は、皆に数学を愛してもらう夢を抱いた理系青年が戦争を間近に
控えた小国で前時代的な考えを持つ家臣に悩まされる敏腕王女を救う異世界数学戦記です。
(イラスト/紅緒 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893271-4/


兵も無く、金も乏しい。弱肉強食という世界のルールに怯える側の小国「ファヴェール」。
病に倒れた王の代行として王女“ソアラ”が信念をもって臨むも周囲に理解されず悶々と
した日々を過ごす。そこに見知らぬ青年“ナオキ”が現れたことで事態は動き始める──。

“ソアラ”の理解されない不遇っぷりに同情の念を禁じ得ない導入から、定性的で曖昧な
考え方を定量的で明確な分析から論破していく“ナオキ”の数学バカっぷりが実に楽しい。
理論等についてはイラストで解説も入りますので数字が苦手な方でも問題なく読めるかと。

唯一の理解者である“ナオキ”と共に国を変えていく“ソアラ”が直面する最大の挫折と
悪意にどう対処するか。世の中そんなに甘くない、それでも諦めない二人がどんな結末を
歩んだのか、ぜひ見届けてみてください。紅緒 先生のイラストもキャッチーでお薦めです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年08月14日

『魔王討伐したあと、目立ちたくないのでギルドマスターになった』

朱月十話 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。他のギルドでは解決できない問題を
100%解決するギルドマスターとなった少年が過ごす、目立たないはずの余生を綴ります。
(イラスト:鳴瀬ひろふみ 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321702000730
http://ncode.syosetu.com/n9565dj/


冒険者ギルドでSSSランクの能力を持つ勇者5人。中でも魔王を討伐したものの、国王陛下
からも覚えが薄い“ディック”が望んだのは目立たないギルドハウスを引き取って新たな
ギルドを作ること。仲間にも疑問視される徹底した彼の目立たないぶり、その真意は──。

国の根幹に関わる問題も必ず解決する。でも目立たないように。しかしかつての仲間から
すれば“ディック”の仕業だと分かる。影で活躍する彼の言動が読んでいて実に楽しい。
魔王がいつの間にか彼に奉仕したくてあれこれ仕掛けてくる描写とか先生の味が出てます。

“マナリナ”の訳ありな依頼を解決してフラグを立てたりしながら、仲間の抱える問題を
解消していったり、いつの間にやら国の根幹に関わる事件の伏線を巻き取って陰ながら
解決したりと軽妙に進んでいく話運びが面白いです。続きが楽しみなシリーズであります。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年08月11日

『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました3』

コミカライズにスピンオフ小説がスタートする中でドラマCD化が決定した 森田季節 先生の
異世界アットホームコメディ。第3巻もお料理対決に偽物退治などスローライフを満喫です。
(イラスト:紅緒 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797392951.html
http://ncode.syosetu.com/n4483dj/
http://www.ganganonline.com/contents/slime/

“フラットルテ”と“ライカ”の“アズサ”を取り合う微笑ましいやりとりから始まる今巻
は“ファルファ”がスライムの姿から戻れなくなる異常事態がまず発生。スライムにも色々
いるのが分かりましたが原因もまた意外すぎます。ここでも“ベルゼブブ”が損な役回りに。

「高原の魔女」の偽物が出た、ということで突き止めてみればいつの間にか同人誌即売会の
ノリ。本当に何が売れることになるやら、分かったものではありません。アンデッド探しに
協力した場面でも頭を悩ませることになる“ベルゼブブ”には何かいいことがあってほしい。

巻末の書き下ろし短編では温泉卓球の場面になぜ挿絵指定がないのか問い詰めたいですが、
温泉の場面にはあるので手打ちとします。「ライカ姉さん」のやりとりに思わずほっこり。
ひとまず“ベルゼブブ”のグッズが出るまで頑張りましょう。影ながら応援しております。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル