細音啓 先生が贈る世界最強のハンターアクション。第2巻は因縁の大敵から忠告を受けた
人間そっくりに変身する人狼を突き止めるべく疑惑の地へ“ノア”たちが足を踏み入れます。
(イラスト:ふゆの春秋 先生)
【 http://novel-zero.com/issued/2017/08/01.html 】
北アルトリア王国で、他の怪異と明らかに様子が違うと認定された大敵“ユンメルンゲン”
に邂逅して「大好き」と目を付けられ、女王“ヴィクトリア”がある秘めた誓いを立てる
契機を与えた顛末を話す“ノア”の逸話。それが後で効いてくるのは中々に上手い構成です。
“メルン”の忠告を受けつつ、屍鬼が現れない村に“ヴァラヴォルフ・S”が潜伏している
と狙いを定めた“ノア”。しかし何を試しても、“エルザ”の感知能力にも掛からない相手
との駆け引きが、それぞれの視点切替や読み手としてのもどかしさも相まって絶妙に面白い。
何が本当で何が嘘か。“ノア”が真実を見極めることができたのか。それ以上に彼が最後に
つぶやいた一言に繋がるあのプレゼントへ込められた想いを、彼らはどう受け止め、今後の
戦いに臨むのか。ここに注目したいところです。「ノベルゼロ」内でいま一押しの作品です。
2017年08月31日
2017年08月30日
『なれる!SE16 2年目でわかる?SE入門』
夏海公司 先生が萌えるSE残酷物語。第16巻は“工兵”と“立華”の対決がいつ間にやら
国内大手企業も巻き込んでの大騒動に。多勢に無勢な彼は為す術もないか、それとも──。
(イラスト/Ixy 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893276-9/ 】
“貝塚”から降伏勧告を受けて、なにくそと言いながら手詰まりな状況をどう打破するか。
社会人2年目のすることじゃない、とは思いながらも結果としては清々しいし天晴な結末。
SEとしての立ち位置を揺さぶられても軸がぶれない姿勢には敬服に値するものがあります。
あとがきで先生が示した苦言は現場の人間として耳に痛い所で。しかし技術の空洞化など、
あらゆる諸問題は他業種にも例外なく言えることです。特にこれから社会人として技術を
担う方々にはどう立ち居、振舞うか。少しでも真面目に考える一助になればと願うばかり。
“工兵”が、自身の成長と仲間の協力を得て様々なことを成してきた物語であると同時に
エンジニアとしての“立華”がトレーナーとしての経験を通じ人として成長できた話でも
あると思います。願わくばアニメ化を、と思いますがまずは無事完結、お疲れさまでした。
国内大手企業も巻き込んでの大騒動に。多勢に無勢な彼は為す術もないか、それとも──。
(イラスト/Ixy 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893276-9/ 】
“貝塚”から降伏勧告を受けて、なにくそと言いながら手詰まりな状況をどう打破するか。
社会人2年目のすることじゃない、とは思いながらも結果としては清々しいし天晴な結末。
SEとしての立ち位置を揺さぶられても軸がぶれない姿勢には敬服に値するものがあります。
あとがきで先生が示した苦言は現場の人間として耳に痛い所で。しかし技術の空洞化など、
あらゆる諸問題は他業種にも例外なく言えることです。特にこれから社会人として技術を
担う方々にはどう立ち居、振舞うか。少しでも真面目に考える一助になればと願うばかり。
“工兵”が、自身の成長と仲間の協力を得て様々なことを成してきた物語であると同時に
エンジニアとしての“立華”がトレーナーとしての経験を通じ人として成長できた話でも
あると思います。願わくばアニメ化を、と思いますがまずは無事完結、お疲れさまでした。
2017年08月29日
『キラプリおじさんと幼女先輩(2)』
岩沢藍 先生が贈る、女児向けアイドルアーケードゲームに情熱を注ぐ少年少女のラブコメ。
第2巻は凄腕プレイヤー“芹菜”の登場により“翔吾”と“千鶴”の関係に変化が生じます。
(イラスト/Mika Pikazo 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893273-8/ 】
“芽衣”がキラプリのことを教えてほしい、という“翔吾”にとってのフラグイベントに
垣間見える“千鶴”の人見知りぶり。遠征先で出会ったJSアイドル“芹菜”とキラプリを
通じて喧嘩する様子を見た彼は一計を案じます。同年代の友達を作るべきではないかと。
ただ、元はと言えば“翔吾”も友達なんて(キラプリ好きを除けば)不要と考えていた口
なワケで。だからこそ“千鶴”が遊園地のイベントでモヤモヤするのもよく分かるもので。
あの涙目で彼と距離を置いた Mika Pikazo 先生の挿絵は読み手としても胸に刺さるものが。
“翔吾”と仲直りはできましたし“芹菜”ともなんだかんだ言いながら仲良くなりました。
“千鶴”としても彼とのイベントを起こしたり、3人での協力プレイもこなしたりできて
前に進んでいる感じが見受けられて微笑ましさを覚えました。次巻も楽しみであります。
第2巻は凄腕プレイヤー“芹菜”の登場により“翔吾”と“千鶴”の関係に変化が生じます。
(イラスト/Mika Pikazo 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893273-8/ 】
“芽衣”がキラプリのことを教えてほしい、という“翔吾”にとってのフラグイベントに
垣間見える“千鶴”の人見知りぶり。遠征先で出会ったJSアイドル“芹菜”とキラプリを
通じて喧嘩する様子を見た彼は一計を案じます。同年代の友達を作るべきではないかと。
ただ、元はと言えば“翔吾”も友達なんて(キラプリ好きを除けば)不要と考えていた口
なワケで。だからこそ“千鶴”が遊園地のイベントでモヤモヤするのもよく分かるもので。
あの涙目で彼と距離を置いた Mika Pikazo 先生の挿絵は読み手としても胸に刺さるものが。
“翔吾”と仲直りはできましたし“芹菜”ともなんだかんだ言いながら仲良くなりました。
“千鶴”としても彼とのイベントを起こしたり、3人での協力プレイもこなしたりできて
前に進んでいる感じが見受けられて微笑ましさを覚えました。次巻も楽しみであります。
2017年08月28日
『魔法科高校の劣等生(23) 孤立編』
佐島勤 先生が贈る大人気シリーズ。第23巻はUSNAが示す宇宙開発プロジェクトへの参加を
打診された“トーラス・シルバー”こと“達也”の立場が益々悪化していく顛末を描きます。
(イラスト/石田可奈 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893281-3/ 】
“達也”が作った魔法が軍事利用されたことを皮切りに、九校戦が中止になって魔法師たち
からの心象を悪くし“トーラス・シルバー”であることが紐づいたことで国内外からの印象
も悪くして、とまさに彼が孤立していく様子と回避せずに受け入れる彼らしさが見所の一つ。
“リーナ”や“エリカ”たち、身近な人が動揺する中で“深雪”とも距離を置くことになる
“達也”にやっかみを入れる人たちが出てくるのも必定。“十文字克人”が出てくる時点で
彼とやり合うことになるのも避けられません。二人の本音が出る戦いぶりも見逃せない所で。
兄を想う“深雪”のつらい心情から提示された独断行動。あの挿絵が示す中々の勘違いぶり
に微笑ましさを感じます。“真由美”がいつの間にかそんな立ち位置に堕ちたのかと思うと
ある意味、感慨深く。仲間に支えられつつも更に追い詰められる“達也”の動向に注目です。
打診された“トーラス・シルバー”こと“達也”の立場が益々悪化していく顛末を描きます。
(イラスト/石田可奈 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893281-3/ 】
“達也”が作った魔法が軍事利用されたことを皮切りに、九校戦が中止になって魔法師たち
からの心象を悪くし“トーラス・シルバー”であることが紐づいたことで国内外からの印象
も悪くして、とまさに彼が孤立していく様子と回避せずに受け入れる彼らしさが見所の一つ。
“リーナ”や“エリカ”たち、身近な人が動揺する中で“深雪”とも距離を置くことになる
“達也”にやっかみを入れる人たちが出てくるのも必定。“十文字克人”が出てくる時点で
彼とやり合うことになるのも避けられません。二人の本音が出る戦いぶりも見逃せない所で。
兄を想う“深雪”のつらい心情から提示された独断行動。あの挿絵が示す中々の勘違いぶり
に微笑ましさを感じます。“真由美”がいつの間にかそんな立ち位置に堕ちたのかと思うと
ある意味、感慨深く。仲間に支えられつつも更に追い詰められる“達也”の動向に注目です。
2017年08月25日
『トカゲ主夫。−星喰いドラゴンと地球ごはん−』
山田まる 先生が贈る新作は、星を喰らい「災厄」と称される巨大なドラゴンが空腹を満たす
べく別の世界へ移った先で出会った女性との奇妙な同居生活を送るふれあいストーリーです。
(イラスト:海島千本 先生)
【 http://www.es-novel.jp/booktitle/44tokageshufu.php 】
「災厄」誕生の予見に備えて異界への封印に成功した、魔術師“エレハルド”がいる世界。
その「災厄」が異界から失踪して大騒ぎになっている中、当の本人はまた違う世界に飛び
一人暮らしの“陽海”にでっかいトカゲと間違われ、おにぎりを食べているのだった──。
何でもできるドラゴンが物怖じしない“陽海”との交流を経て、今いる世界のこと、そして
自身の空腹の理由を知る過程がほんわかしていて和みます。おいしいご飯の描写も優しさが
あふれます。対する“エレハルド”の危機と鬼気が迫る状況と心境には同情するしかなく。
“陽海”との生活に幸せを感じつつある“トカゲ”さんが横槍を入れられたとき、どう対応
するのか。“エレハルド”たちは彼とどう踏ん切りをつけるのか。そのあたりもご注目です。
今巻は“トカゲ”さんが主夫してないので、ぜひ続刊を出してそれを示してほしいものです。
べく別の世界へ移った先で出会った女性との奇妙な同居生活を送るふれあいストーリーです。
(イラスト:海島千本 先生)
【 http://www.es-novel.jp/booktitle/44tokageshufu.php 】
「災厄」誕生の予見に備えて異界への封印に成功した、魔術師“エレハルド”がいる世界。
その「災厄」が異界から失踪して大騒ぎになっている中、当の本人はまた違う世界に飛び
一人暮らしの“陽海”にでっかいトカゲと間違われ、おにぎりを食べているのだった──。
何でもできるドラゴンが物怖じしない“陽海”との交流を経て、今いる世界のこと、そして
自身の空腹の理由を知る過程がほんわかしていて和みます。おいしいご飯の描写も優しさが
あふれます。対する“エレハルド”の危機と鬼気が迫る状況と心境には同情するしかなく。
“陽海”との生活に幸せを感じつつある“トカゲ”さんが横槍を入れられたとき、どう対応
するのか。“エレハルド”たちは彼とどう踏ん切りをつけるのか。そのあたりもご注目です。
今巻は“トカゲ”さんが主夫してないので、ぜひ続刊を出してそれを示してほしいものです。