丸戸史明 先生のメインヒロイン育成コメディ。本編12巻、“倫也”がサークル不在の間に
示した“恵”の決意、それに対する女性陣の反応や機微を描いた挿話を収録した一冊です。
(イラスト:深崎暮人 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321702000732 】
フラットで感情表現が適当、そういう自分だと思い込まなければその胸に根付いた想いは
止められない。「巡璃」という設定を通じて仲間にも親友にも譲らないと宣言する彼女は、
「転」なんていらないと涙する彼女は間違いなくヒロイン。これ本編ですよね、ある意味。
“詩羽”が間接的に“恵”の様子を探ることで悟ってしまった己の立ち位置、“英梨々”
という存在の価値。幼なじみはどこまで報われないのか、涙する彼女に切なさが溢れます。
“恵”の天敵たる“伊織”からしてみれば何もかもお見通しだったのかもしれませんが。
「icy tail」メンバーによる曲作りと称して関係図を整理していただいたのも助かります。
“出海”はキャリアアップに繋がりましたし、“美智留”は今のスタンスを良くも悪くも
貫くものと思われます。最高のガールズサイドでした。本編完結を楽しみにする次第です。