2017年05月22日

『終わる世界の片隅で、また君に恋をする』

五十嵐雄策 先生が贈る新作は、世界から存在自体が忘れ去られる病気に罹患した患者が
望む、最後の願いを叶える部活を営む二人の男女高校生にまつわる恋愛ストーリーです。
(イラスト/ぶーた 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892903-5/


保健室登校を続ける“桜良”先輩との「ある約束」を起点に“アキ”が部長として始まる
「忘却病相談部」の活動は、学校内で「忘却病」患者向けの便利屋として知られていく。
満更でもない先輩の喜ぶ顔に隠された部活動の真意を、彼はまだ知る由もなかった──。

いつ起こり、どう蔓延したかも分からない「忘却病」の空恐ろしさを冒頭で見せつけつつ
デートをしてと願う“枝織”、家族として生活してほしい“千紗”、忘れられた親友を
思い出させてくれと頼む“莉奈”の依頼を経て、その悲しみを目の当たりにさせられます。

そして数々の依頼をこなしてきた“桜良”からの不意打ちとも言える宣告。「忘却病」に
ついて気付きを得た彼女からの「依頼」に“アキ”はどう応えるのか。冒頭のシーンと
タイトルがフラッシュバックする結末が胸に余韻を残す秀作でした。オススメの一冊です。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル