縹けいか 先生が贈る新作は、数多の世界と繋がる異世界監獄で目覚めた記憶喪失の少年が
史上最悪の指名手配犯として監獄世界と関わっていく囚人たちの異世界ファンタジーです。
(イラスト:Mika Pikazo 先生)
【 http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631180-9 】
異世界監獄サクラメリス。そこに送られる者は皆、重犯罪者。更に囚人同士が闘技場で戦う
様子が好事家に受けて興行収入を生み出す場でもある。そこで目覚めた“トウ”は看守から
「史上最悪の指名手配犯」だと告げられる。記憶のない彼はただ困惑するばかりだが──。
監獄を人が統治するための異能力の源となるアニマウェア。序盤からヒロイン“ナギサ”が
持つそれに喰われる、という衝撃的な導入から彼女を始めとする囚人たちが背負う罪の根源
と向き合いつつ“トウ”がどんな罪を犯したのか、という謎の探索に惹き込まれていきます。
なぜ“ナギサ”との面識がある記憶がおぼろげに残っているのか。“奏”が看守でいられる
理由と動機は何か。そのあたりが結びついてきた頃、一気に動き始める話運びが実に上手い
と納得させられました。Mika Pikazo 先生の挿絵も魅力的で、オススメするに足る一冊かと。