水瀬葉月 先生が贈るダークファンタジー。第2巻は結晶総合業者・ジェヴォーダン一家が
蛮都にはびこるようになって変わっていく様子を前に“アリシア”たちが立ち向かいます。
(イラスト/ももこ 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892881-6/ 】
蛮都で行われる会合に臆することなく乗り込み堂々と営業活動をしてのける“アレックス”。
結晶法使いの彼がもたらす結晶の商品によって街の住人があからさまに怪しい恩恵を多数
享受することになります。もちろん、後々で悪意に晒されますのでご期待いただきたい所。
そんな中、巨大な歯形で喰われる冒険者が続出する森の魔獣退治に臨む“アリシア”たち
が新たな出会いと暗躍する一家の側面を垣間見たことから、再び悪逆騎士団として敵認定
していくことになる訳ですが、相手も根回し十分で一筋縄ではいかない展開が楽しめます。
今回は出番が少ないな、と思っていた“ベルガラン”が意外な形で話の軸を担う話運びは
興味深く、“アリシア”が今回直面する最大の危機をどう回避したのか、そもそも彼女の
野心はどうなるのか、といった気になる要素も残しているため、続きに期待が高まります。
2017年05月24日
2017年05月23日
『ネット小説家になろうクロニクル 3』
津田彷徨 先生が贈る、ネット小説投稿サイトが舞台の青春サクセスストーリー。第3巻は
デビュー作に突き付けられた過酷な現実を経て“昴”が作家として更なる成長を遂げます。
(イラスト/フライ 先生)
【 http://seikaisha.co.jp/information/2017/04/21-post-netcro3.html 】
“昴”の刊行作が打ち切りとなった理由の分析に始まり、再びハングリー精神を取り戻す
過程で同業者と会話する様が 蝉川夏哉 先生のファンミーティングに参加した際の雰囲気
を彷彿とさせて思わずニヤリ。しかしそこから彼が義憤を見せる業界の闇を垣間見る形に。
その義憤は小説を公開できる「ベコノベ」への愛を裏打ちすると共に現実でも同じ想いを
抱いているであろう 津田 先生の情熱が伝わってくるかのようで。彼が打ち出す一手一手
に胸を熱くしながら“昴”が作家として成長し駆け上がっていく様子を見守り続けました。
作家としてだけではなく、書店側や読者の目線でも「ネット小説」の現状や問題点などを
提示し、指南書としてだけでなくサクセスストーリーとしても十分に纏まっていることに
感服しました。充足度の高い読了感をぜひ皆さんも味わってみてください。お薦めです。
デビュー作に突き付けられた過酷な現実を経て“昴”が作家として更なる成長を遂げます。
(イラスト/フライ 先生)
【 http://seikaisha.co.jp/information/2017/04/21-post-netcro3.html 】
“昴”の刊行作が打ち切りとなった理由の分析に始まり、再びハングリー精神を取り戻す
過程で同業者と会話する様が 蝉川夏哉 先生のファンミーティングに参加した際の雰囲気
を彷彿とさせて思わずニヤリ。しかしそこから彼が義憤を見せる業界の闇を垣間見る形に。
その義憤は小説を公開できる「ベコノベ」への愛を裏打ちすると共に現実でも同じ想いを
抱いているであろう 津田 先生の情熱が伝わってくるかのようで。彼が打ち出す一手一手
に胸を熱くしながら“昴”が作家として成長し駆け上がっていく様子を見守り続けました。
作家としてだけではなく、書店側や読者の目線でも「ネット小説」の現状や問題点などを
提示し、指南書としてだけでなくサクセスストーリーとしても十分に纏まっていることに
感服しました。充足度の高い読了感をぜひ皆さんも味わってみてください。お薦めです。
2017年05月22日
『終わる世界の片隅で、また君に恋をする』
五十嵐雄策 先生が贈る新作は、世界から存在自体が忘れ去られる病気に罹患した患者が
望む、最後の願いを叶える部活を営む二人の男女高校生にまつわる恋愛ストーリーです。
(イラスト/ぶーた 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892903-5/ 】
保健室登校を続ける“桜良”先輩との「ある約束」を起点に“アキ”が部長として始まる
「忘却病相談部」の活動は、学校内で「忘却病」患者向けの便利屋として知られていく。
満更でもない先輩の喜ぶ顔に隠された部活動の真意を、彼はまだ知る由もなかった──。
いつ起こり、どう蔓延したかも分からない「忘却病」の空恐ろしさを冒頭で見せつけつつ
デートをしてと願う“枝織”、家族として生活してほしい“千紗”、忘れられた親友を
思い出させてくれと頼む“莉奈”の依頼を経て、その悲しみを目の当たりにさせられます。
そして数々の依頼をこなしてきた“桜良”からの不意打ちとも言える宣告。「忘却病」に
ついて気付きを得た彼女からの「依頼」に“アキ”はどう応えるのか。冒頭のシーンと
タイトルがフラッシュバックする結末が胸に余韻を残す秀作でした。オススメの一冊です。
望む、最後の願いを叶える部活を営む二人の男女高校生にまつわる恋愛ストーリーです。
(イラスト/ぶーた 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892903-5/ 】
保健室登校を続ける“桜良”先輩との「ある約束」を起点に“アキ”が部長として始まる
「忘却病相談部」の活動は、学校内で「忘却病」患者向けの便利屋として知られていく。
満更でもない先輩の喜ぶ顔に隠された部活動の真意を、彼はまだ知る由もなかった──。
いつ起こり、どう蔓延したかも分からない「忘却病」の空恐ろしさを冒頭で見せつけつつ
デートをしてと願う“枝織”、家族として生活してほしい“千紗”、忘れられた親友を
思い出させてくれと頼む“莉奈”の依頼を経て、その悲しみを目の当たりにさせられます。
そして数々の依頼をこなしてきた“桜良”からの不意打ちとも言える宣告。「忘却病」に
ついて気付きを得た彼女からの「依頼」に“アキ”はどう応えるのか。冒頭のシーンと
タイトルがフラッシュバックする結末が胸に余韻を残す秀作でした。オススメの一冊です。
2017年05月19日
『いづれ神話の放課後戦争〈ラグナロク〉6 ─魔眼の王と女神覚醒─』
なめこ印 先生が贈る学園ヒロイックバトルサーガ。第6巻は最終決戦を前に女性陣からの
想いを受け止める“雷火”が思いも寄らぬ真実を告げられ人生最大の岐路に立たされます。
(イラスト:よう太 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321612000732 】
“ブリュンヒルデ”からの告白の理由を聞いてしまうあたり、いかにも“雷火”らしいと
言うか何というか。“シャロ”との交互デートがもうこそばゆくてたまらない。他にも
“マリア”など大小あれど好意と行為を寄せられていて、“雷火”爆発しろ案件でした。
神話代理戦争の終わりが見えてきた、その時に“國崎”ではなく“天華”が“雷火”たち
の前に現れた理由。戦いが終わった後、どうするのか。直前になって自問自答する破目に
陥った彼に更なる厳しい事実が突き付けられる、という何とも不遇としか言いようがない。
最終局面にして仲間にあっさりと「毒」を飲ませてくるあたりは“雷火”にも考えあって
のこととは思っておりましたが、ここまで吹っ切れてくれるとは。“ブリュンヒルデ”の
物語でもあったかな、と思いつつココから次へどう繋いでいくのかが気になるところです。
想いを受け止める“雷火”が思いも寄らぬ真実を告げられ人生最大の岐路に立たされます。
(イラスト:よう太 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321612000732 】
“ブリュンヒルデ”からの告白の理由を聞いてしまうあたり、いかにも“雷火”らしいと
言うか何というか。“シャロ”との交互デートがもうこそばゆくてたまらない。他にも
“マリア”など大小あれど好意と行為を寄せられていて、“雷火”爆発しろ案件でした。
神話代理戦争の終わりが見えてきた、その時に“國崎”ではなく“天華”が“雷火”たち
の前に現れた理由。戦いが終わった後、どうするのか。直前になって自問自答する破目に
陥った彼に更なる厳しい事実が突き付けられる、という何とも不遇としか言いようがない。
最終局面にして仲間にあっさりと「毒」を飲ませてくるあたりは“雷火”にも考えあって
のこととは思っておりましたが、ここまで吹っ切れてくれるとは。“ブリュンヒルデ”の
物語でもあったかな、と思いつつココから次へどう繋いでいくのかが気になるところです。
2017年05月18日
『自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ?』
三河ごーすと 先生が贈る新作は学園ゲーム系頭脳バトル・ストーリー。裏世界のゲームで
最強を誇る少年が突如引退を決め、普通の学園生活を送るべくふるまおうとする物語です。
(イラスト:ねこめたる 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1532 】
小学校卒業までの学歴しかない“紅蓮”は裏世界の「遊戯」で知り合った“創芽”が運営
する「私立師子王学園」への入学にこぎつける。だがそこは勝負事で全てが決まる異様な
高校。過去を捨てた彼には不愉快な話だったが、構わず青春を謳歌しようと振舞う──。
兄のことが好きすぎる“可憐”の異常さで軽くジャブを打ってきたかと思えば、いきなり
クラス内でイカサマな賭けで身を落とそうとする級友の姿を見せつけてくる衝撃的な導入。
我関せず、非情に努めようとする“紅蓮”がそこに肩入れする所に彼の本質を垣間見ます。
裏世界に身を置いていた“紅蓮”からすれば児戯に等しい学園内の賭け事と、その敗北で
背負う代償が見合わないと判断した彼が見せる本気が圧倒的で空恐ろしさを感じさせます。
彼を勝負事に引き戻そうとする数多の思惑に打ち勝てるのか、先行きが気になる所です。
最強を誇る少年が突如引退を決め、普通の学園生活を送るべくふるまおうとする物語です。
(イラスト:ねこめたる 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1532 】
小学校卒業までの学歴しかない“紅蓮”は裏世界の「遊戯」で知り合った“創芽”が運営
する「私立師子王学園」への入学にこぎつける。だがそこは勝負事で全てが決まる異様な
高校。過去を捨てた彼には不愉快な話だったが、構わず青春を謳歌しようと振舞う──。
兄のことが好きすぎる“可憐”の異常さで軽くジャブを打ってきたかと思えば、いきなり
クラス内でイカサマな賭けで身を落とそうとする級友の姿を見せつけてくる衝撃的な導入。
我関せず、非情に努めようとする“紅蓮”がそこに肩入れする所に彼の本質を垣間見ます。
裏世界に身を置いていた“紅蓮”からすれば児戯に等しい学園内の賭け事と、その敗北で
背負う代償が見合わないと判断した彼が見せる本気が圧倒的で空恐ろしさを感じさせます。
彼を勝負事に引き戻そうとする数多の思惑に打ち勝てるのか、先行きが気になる所です。