2017年05月23日

『ネット小説家になろうクロニクル 3』

津田彷徨 先生が贈る、ネット小説投稿サイトが舞台の青春サクセスストーリー。第3巻は
デビュー作に突き付けられた過酷な現実を経て“昴”が作家として更なる成長を遂げます。
(イラスト/フライ 先生)

http://seikaisha.co.jp/information/2017/04/21-post-netcro3.html


“昴”の刊行作が打ち切りとなった理由の分析に始まり、再びハングリー精神を取り戻す
過程で同業者と会話する様が 蝉川夏哉 先生のファンミーティングに参加した際の雰囲気
を彷彿とさせて思わずニヤリ。しかしそこから彼が義憤を見せる業界の闇を垣間見る形に。

その義憤は小説を公開できる「ベコノベ」への愛を裏打ちすると共に現実でも同じ想いを
抱いているであろう 津田 先生の情熱が伝わってくるかのようで。彼が打ち出す一手一手
に胸を熱くしながら“昴”が作家として成長し駆け上がっていく様子を見守り続けました。

作家としてだけではなく、書店側や読者の目線でも「ネット小説」の現状や問題点などを
提示し、指南書としてだけでなくサクセスストーリーとしても十分に纏まっていることに
感服しました。充足度の高い読了感をぜひ皆さんも味わってみてください。お薦めです。

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2017年05月22日

『終わる世界の片隅で、また君に恋をする』

五十嵐雄策 先生が贈る新作は、世界から存在自体が忘れ去られる病気に罹患した患者が
望む、最後の願いを叶える部活を営む二人の男女高校生にまつわる恋愛ストーリーです。
(イラスト/ぶーた 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892903-5/


保健室登校を続ける“桜良”先輩との「ある約束」を起点に“アキ”が部長として始まる
「忘却病相談部」の活動は、学校内で「忘却病」患者向けの便利屋として知られていく。
満更でもない先輩の喜ぶ顔に隠された部活動の真意を、彼はまだ知る由もなかった──。

いつ起こり、どう蔓延したかも分からない「忘却病」の空恐ろしさを冒頭で見せつけつつ
デートをしてと願う“枝織”、家族として生活してほしい“千紗”、忘れられた親友を
思い出させてくれと頼む“莉奈”の依頼を経て、その悲しみを目の当たりにさせられます。

そして数々の依頼をこなしてきた“桜良”からの不意打ちとも言える宣告。「忘却病」に
ついて気付きを得た彼女からの「依頼」に“アキ”はどう応えるのか。冒頭のシーンと
タイトルがフラッシュバックする結末が胸に余韻を残す秀作でした。オススメの一冊です。

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2017年05月19日

『いづれ神話の放課後戦争〈ラグナロク〉6 ─魔眼の王と女神覚醒─』

なめこ印 先生が贈る学園ヒロイックバトルサーガ。第6巻は最終決戦を前に女性陣からの
想いを受け止める“雷火”が思いも寄らぬ真実を告げられ人生最大の岐路に立たされます。
(イラスト:よう太 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321612000732


“ブリュンヒルデ”からの告白の理由を聞いてしまうあたり、いかにも“雷火”らしいと
言うか何というか。“シャロ”との交互デートがもうこそばゆくてたまらない。他にも
“マリア”など大小あれど好意と行為を寄せられていて、“雷火”爆発しろ案件でした。

神話代理戦争の終わりが見えてきた、その時に“國崎”ではなく“天華”が“雷火”たち
の前に現れた理由。戦いが終わった後、どうするのか。直前になって自問自答する破目に
陥った彼に更なる厳しい事実が突き付けられる、という何とも不遇としか言いようがない。

最終局面にして仲間にあっさりと「毒」を飲ませてくるあたりは“雷火”にも考えあって
のこととは思っておりましたが、ここまで吹っ切れてくれるとは。“ブリュンヒルデ”の
物語でもあったかな、と思いつつココから次へどう繋いでいくのかが気になるところです。

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2017年05月18日

『自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ?』

三河ごーすと 先生が贈る新作は学園ゲーム系頭脳バトル・ストーリー。裏世界のゲームで
最強を誇る少年が突如引退を決め、普通の学園生活を送るべくふるまおうとする物語です。
(イラスト:ねこめたる 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1532


小学校卒業までの学歴しかない“紅蓮”は裏世界の「遊戯」で知り合った“創芽”が運営
する「私立師子王学園」への入学にこぎつける。だがそこは勝負事で全てが決まる異様な
高校。過去を捨てた彼には不愉快な話だったが、構わず青春を謳歌しようと振舞う──。

兄のことが好きすぎる“可憐”の異常さで軽くジャブを打ってきたかと思えば、いきなり
クラス内でイカサマな賭けで身を落とそうとする級友の姿を見せつけてくる衝撃的な導入。
我関せず、非情に努めようとする“紅蓮”がそこに肩入れする所に彼の本質を垣間見ます。

裏世界に身を置いていた“紅蓮”からすれば児戯に等しい学園内の賭け事と、その敗北で
背負う代償が見合わないと判断した彼が見せる本気が圧倒的で空恐ろしさを感じさせます。
彼を勝負事に引き戻そうとする数多の思惑に打ち勝てるのか、先行きが気になる所です。

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2017年05月17日

『アイドル稼業、はじめました!』

岩関昂道 先生が贈る新作は、好きになった若手女優と再会すべく芸能界入りを決めた少年が
女子アイドルグループとして業界の荒波に揉まれるガール・ミーツ・ガールストーリーです。
(イラスト/こうましろ 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892823-6/


高校生となり、朝の公園で偶然知り合った名も知らぬ少女に想いを寄せる“利生”。ある日
彼女が女優の“あおい”だと知り、早速オーディションに臨む彼はその芸能事務所の社長に
仕向けられたある物が原因で女の子になってしまう。彼は社長の元へ直談判に向かうが──。

何の因果か“リセ”として“みつき”や“兎”と共に女の子としてアイドル活動を始める
“利生”が、“あおい”と急接近する境遇を得たかと思えばイケメン俳優から不倫相手と
ウソの会見で嵌められたを知り、撤回させるべく業界の闇と戦っていく話運びが予想外。

明らかに怪しい俳優“亜蘭”を追究しようと伝手を得たかと思えば手のひらを返され次第に
悪役のような立ち位置に追い込まれる“リセ”に救いの道はあるのか。“利生”の想いは
“あおい”に届くのか。緊張感あふれるアイドル稼業の顛末をぜひご確認あれ。お薦めです。

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2017年05月16日

『おいしいベランダ。 2人の相性とトマトシチュー』

竹岡葉月 先生が贈る大好評・園芸ライフラブストーリー。第2巻はお隣さんの園芸男子
“葉二”から突然の交際宣言を受けた“まもり”の振り回されまくる新生活を描きます。
(イラスト:おかざきおか 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/sp/201607veranda/


「じゃあもうこのさいだ栗坂」「なんです?」「つきあうか」・・・キュンキュンするわコレ。
いつの間にか“葉二”の庭の菜園で採れたものを使った料理で食卓を共にする仲になった
二人が一足飛びに恋人同士の関係となって読み手としても驚かされるばかりの出だしです。

そこへ“葉二”の出張中に合鍵を持たされた“まもり”が甥御である“北斗”とばったり
遭遇することで、“葉二”の家族関係や新しく見えてきた価値観などを垣間見ることにも
繋がり興味深いものがあります。普段は窺い知れない“まもり”に対する真剣さ、とかも。

対する“まもり”は相変わらず意地悪なところは変わらない“葉二”の様子に一喜一憂する
上にちょっとしたすれ違いを引き起こしますが、その要因を彼から説明されると「確かに」
と言わざるを得ない訳で。まだ余裕な彼の姿勢を彼女は崩すことが出来るか、楽しみです。

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2017年05月15日

『夜桜荘交幽帳 さよならのための七日間』

井上悠宇 先生が贈る新作は、死後の裁判で地獄行きと決まった姉の幽霊と再会させてくれた
鬼から無実を証明するために閻魔帳作りを持ちかけられる少年の数奇な運命を描く物語です。
(イラスト:こずみっく 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/product/321611000621/


明朗快活で人気者な姉とは対称的に内向的で地味な“春馬”。交通事故で死んだ姉の手紙に
導かれて訪れた夜桜荘にて、鬼の“薄録”から姉の地獄行きが決定したと教えられる。姉の
吐いた嘘が鍵となるため調べる必要があるが、姉からはなぜか協力できないと言われ──。

閻魔帳の提出期限は七日間。なのにもう一冊「別の閻魔帳を作ってみろ」と促す“薄録”。
無実を信じて足掻く「人の苦しむ様が見たい」と嘯く“薄録”の真意が掴めぬまま夜桜荘の
幽霊たちと“春馬”が交流し、彼ら彼女らが断じられた罪を追究し、次々に救っていきます。

それぞれが抱える「罪」の意味に驚かされたり、共感したりを経て、やがて迎える七日目。
姉の嘘に込められた想いは何か。姉の想いを“春馬”はどう受け止めるのか。そもそも姉の
無罪は成立するのか。思わずグッとくる結末はまさに見どころ。オススメできる一冊です。

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2017年05月13日

「書店拝見! 〜BOOKプラザ文華堂〜」

湘南台駅近くにある「BOOKプラザ文華堂」にお邪魔してきました。ブックマネージャーの
藍原さんにお忙しい中にも関わらずスタッフルームでお話もさせていただいて貴重な体験
をしてきました。ちょっと思う所がありましたので、記事にまとめておきたいと思います。

http://book-bunkado.com/


ラノベの棚で歯抜けが少ないな、と初見で感じました。シリーズが揃っているほうが手に
取りたいと思いますので好感触です。その分、棚に置ける作品も限られてくる訳ですが、
この辺りは取捨選択というか、究極の選択に至る部類の悩みなのでむずかしいところです。

ラノベの棚の横に四六判やB6判の、いわゆる「新文芸」の作品も幅広く押さえているので
ありがたい。「ホワイトブックス」まで確保しているのは郊外店として見ても珍しい部類
ではないでしょうか。藤沢まで行かなくてもある程度のものは手に入ると言えるでしょう。

非ラノベにあたる「メディアワークス文庫」などは一般文芸の棚に紛れ込んでしまう形に
なるため、こちらは「探すぞ」という事前の備えが必要になると思います。確保するなら
面陳されているうちに。アマラ先生の文庫落ちした「猫と竜」とか目立つほどありました。


その後、藤沢にある「ジュンク堂」と「有隣堂」にも足を運んだのですが、ライトノベル
と新文芸は別の階にあったり、フロアが全然違う所へ分かれてしまっていたり、と大型店
だからといって理解されているものではないのだな、という一面を垣間見てしまいました。

藍原さんも頭を悩ませていましたが、新興レーベルの本をライトノベルの棚の近くに置く
べきか否か。例えば「富士見L文庫」などはラノベの棚の近くに置いた方が読者の親和性が
強いのではないかと私は考えています。両方に書いている作家さんも確かにいる訳ですし。

もちろん異論、別論はあると思います。書店の面積が、とか棚数の誓約が、とか。そこは
むしろ書店員さんが普段来られる利用者のニーズを捉えて仕掛けていくべき点もあるはず
ですので。まさに腕の見せ所。愛のある棚が見られるとユーザとしても嬉しく思えます。


「BOOKプラザ文華堂」さんは本を並べるだけではなくて、拡販素材も所々使っていますし
作家さんからのサイン色紙のような素材も並べてアピールもされているので十分に力は
入れてくださっていると感じました。忙しくて手製POPが作れないのが悩みのようですが。

これは会話の中でも事例として挙げましたが、「Twitter」で推しの本とそのコメントを
募ってPOPにするというやり方もありますよ、と。今や月に100冊単位で刊行される作品を
すべて網羅するのは土台無理な話なので、協力できる場面があるならしていきたいもの。

小売りの最前線に立つ書店員さんも、ユーザとしての読み手も、そして本を提供し続ける
出版社側も、何か協力し合って共に利へつながるといいですね。そんな話もさせてもらい
ました。一介のラノベ読みが何を語っているんだ、という話ですけど。まぁそんな感じで。


あらためて時間を割いていただいた藍原さんに御礼を。将来の夢として語っていただいた
「いつか、BOOKプラザ文華堂でサイン会を開催してみたい」という願望が叶うことを祈念
しつつ、地域一番店となるべく頑張る藍原さんを遠方から応援して本文を締め括ります。

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2017年05月12日

『魔王の始め方 5』

オンラインゲーム事前登録キャンペーン中! 笑うヤカン 先生が贈るダークファンタジー
第5巻は親子喧嘩をしたり、新しい国へ侵攻したり、と“オウル”の活躍ぶりを描きます。
(イラスト:新堂アラタ 先生)

http://ktcom.jp/bn/bn032
http://novel18.syosetu.com/n6426w/
http://www.comic-valkyrie.com/modules/web_valkyrie/maouno/
http://www.dmm.co.jp/netgame_s/maou/


ダンジョンを駆使した壮大なる親子喧嘩ぶりにダンジョン馬鹿っぷりがあふれております。
今回、新しい住人を迎え入れることで本国との繋ぎをつけられたのが大きい。それに加えて
“マリー”が事あるごとに見せる能力の片鱗に今後の命運が左右されそうで興味津々です。

前触れなく訪れた“ザナ”の登場でヒムロの国とサハラの国の諍いに介入する“オウル”。
彼女の落差が中々強烈で面白かった。今後苦労しそうな予感がして同情の念を禁じ得ない。
今回も“ローガン”がイイ所を魅せてくれています。問題山積な物語の続きも楽しみです。

同時刊行となる 小宮利公 先生のコミックス3巻も拝読。“ユニス”から好意を寄せられる
“オウル”が彼女の資質への不信を募らせる中、彼女が物語の鍵を担うまでが描かれます。
既刊コミックスの度重なる重版ぶりがスゴくて、裸体率も高めでオススメできる内容です。

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2017年05月11日

『異世界監獄・楽園化計画 ―絶対無罪で指名手配犯の俺と<属性:人食い>のハンニバルガール―』

縹けいか 先生が贈る新作は、数多の世界と繋がる異世界監獄で目覚めた記憶喪失の少年が
史上最悪の指名手配犯として監獄世界と関わっていく囚人たちの異世界ファンタジーです。
(イラスト:Mika Pikazo 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631180-9


異世界監獄サクラメリス。そこに送られる者は皆、重犯罪者。更に囚人同士が闘技場で戦う
様子が好事家に受けて興行収入を生み出す場でもある。そこで目覚めた“トウ”は看守から
「史上最悪の指名手配犯」だと告げられる。記憶のない彼はただ困惑するばかりだが──。

監獄を人が統治するための異能力の源となるアニマウェア。序盤からヒロイン“ナギサ”が
持つそれに喰われる、という衝撃的な導入から彼女を始めとする囚人たちが背負う罪の根源
と向き合いつつ“トウ”がどんな罪を犯したのか、という謎の探索に惹き込まれていきます。

なぜ“ナギサ”との面識がある記憶がおぼろげに残っているのか。“奏”が看守でいられる
理由と動機は何か。そのあたりが結びついてきた頃、一気に動き始める話運びが実に上手い
と納得させられました。Mika Pikazo 先生の挿絵も魅力的で、オススメするに足る一冊かと。

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2017年05月10日

『新宿コネクティブ1』

内堀優一 先生が贈る新作は、「依頼遂行率100%の何でも屋」の家主先に下宿する平凡な
少年が個性豊かな人たちを頼りに事件解決に奔走する、新宿系エンタメ・ミステリーです。
(イラスト/ギンカ 先生)

https://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/723.html


新宿で「掃除屋」を営む“平三郎”は依頼人に対しても威圧的で内容によっては拒否する
こともある気分屋。彼をなだめながら“慶介”が依頼内容を確認すると、ある理由ゆえに
闇医者を探しているとのこと。雲をつかむような話で捜すきっかけに頭を悩ませるが──。

ありとあらゆるツテを活かし、新宿という場がもたらす独特の事件を解決していくことに
なる「掃除屋」の活躍がまず見どころ。そのツテとなる名門一族を担う中学生“胤正”や
ストーカー女子高生“清子”、地元の刑事など個性的なキャラクターたちも魅力の一つ。

「冤罪」の件は“主水”の個性が印象深かったですし「窃盗団」の件も新宿ならあり得る
内容でした。テーマ選びにも気を遣っているかと。「僕だって彼にかなうとは思わない」
口絵にて“胤正”が嘯く真意も最後まで読めば分かるはず。楽しみなシリーズの登場です。

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2017年05月09日

『ノウ無し転生王の双界制覇』

藤原健市 先生が贈る新作は、魔法後進国の日本で他国の姫を救い魔力を失ったノウ無しの
元神童が、独学で学んできた魔法を駆使して苦境を覆していく逆転魔法ファンタジーです。
(イラスト:猫猫猫 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631182-3


“ルナリア”王女暗殺事件を未遂に終わらせた“錬”は代償としてほぼ魔法が使えない身
となるものの、国立魔法技術学院に編入する機会を得る。編入早々やっかみを受ける彼を
救ったかつての王女から突如こう告げられる。「御身に、娶られに参りました」と──。

秘密があると公言する“錬”の同居人“紫音”。面識があると言うが彼には覚えのない
“アリス”。妹を見守る第一王女の“ソニア”と口には出さないが思う所ある第一王子
“カミル”。「敵」が自尊心あふれる“道長”に罠を仕掛けてくる辺りからが熱いです。

魔法を教えてきた“グロリアス”と共に“錬”が敵と立ち向かう、その最後の切り札を
“ルナリア”の秘密が担う展開も見事な演出。魅力的な魔方陣が描ける方を求めていた
ということで 猫猫猫 先生を選ばれたのも納得です。続きがあるなら読んでみたいです。

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2017年05月08日

『覇剣の皇姫アルティーナXII』

むらさきゆきや 先生が贈る覇道戦記ファンタジー。第12巻は“アルティーナ”と一触即発
の状況を迎えても余裕の“ラトレイユ”が新皇帝に即位し、新たな時代の流れを呼びます。
(イラスト:himesuz 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047345423/


口絵の“レジス”があんな姿ではありますが、まずは嬉しい一面でした。第四軍は彼不在
だとここまで上手く回らないのか、と冒頭の挿話で改めて認識しました。悔しがるも次を
見据える“アルティーナ”に大役を預ける“ラトレイユ”が度量の大きさを見せつけます。

南部戦線へ向かうことになる“レジス”たちが帝国の情勢を整理する場面が今後の運命を
左右するかのようで興味深い内容で続きが気になります。そして、彼が生きていたことを
静かに、けれど心より喜んだ“クラリス”の機微が印象に残りました。彼女らしい挿絵も。

巻末収録の外伝は“ジェローム”が主役。圧倒的な劣勢下にある東部戦線の城塞都市で
死なないための「本気」を魅せてくれる彼の横暴ぶりが楽しめます。最後に“レジス”の
手玉に取られてしまうのも実に彼らしい、というか同情の念が。応援したくなりました。

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2017年05月05日

『友人キャラは大変ですか?2』

伊達康 先生が贈る名助演ラブコメ。第2巻は“一郎”に宿る彼そっくりの魔神“トウテツ”
や新しい奈落の使徒が出てきたり、で友人キャラの立ち位置が崩れる彼の苦難が続きます。
(イラスト:紅緒 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094516753


ということでラスボスになってしまった“一郎”の苦労も知らず“龍牙”萌えを熱弁する
“トウテツ”のおよそ魔神らしくない言動から大いに調子を狂わされる場面から始まり、
“魅怨”ほか“呪理”“忌綺”も居候として加わり見ている分には面白いことこの上ない。

更に“龍牙”たちの“一郎”に対する好感度も上がり続けて、エロい方向に物語を倒さず
何とか乗り切っていく彼の努力に思わず同情・・・しかけますが、うらやまけしからんのは
相変わらず。しかし、“杏花”からの相談が思わぬ真実と緊迫の局面を突きつけてきます。

ラスボスとして“龍牙”と戦わなければ引っ込みがつかなくなってしまった“一郎”が、
物語の第二部として、どう落としどころをつけようと決めたのか。その点を読んでご確認
いただきたい。“トウテツ”がオイシイ部分を持って行ったその先が気になるところです。

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2017年05月04日

『豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい2』

合田拍子 先生が贈る異世界転生ファンタジー。第2巻は王室から守護騎士選定試験の参加
要請を受けた“スロウ”が“アリシア”と共に向かう先でいわくつきの人物に出会います。
(イラスト:nauribon 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/product/321611000764


盗賊団の問題を解決するのが試験内容。それに前のめりな“アリシア”があぶなかっしい
から同行する、という決意を隠して同道する“スロウ”。そんな彼の思いも知らず、一人
言動に振り回される彼女の様子が若気の至り感だらけでもどかしいやら、いじらしいやら。

その試験に関わるイケメンの王室騎士“セピス”が、アニメの中でとてつもない裏切りを
見せると知っている“スロウ”の警戒感たるや。“セピス”の過去も含めて止められない
流れか、という状況をある人物との出会いが原作を変えるきっかけを生む形になります。

この契機がいい意味で予想外の方向に物語を動かしてくれたな、という印象。口絵への
繋がりも「そういうことか」と思い知らされます。王室と公爵家の因縁も少なからず関係
してくる物語がラストで一気に影響力をもたらしそうで、どう続くのか気になる所です。

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2017年05月03日

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア8』

大森藤ノ 先生の大人気シリーズ「ダンまち」のスピンオフ作品。第8巻は“ベート”の
一匹狼ぶりに嫌悪感を抱く「ロキ・ファミリア」の面々が、その理由に驚かされます。
(イラスト:はいむらきよたか 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797392340.html


永遠の別離を迎えてしまった“リーネ”に対しても「雑魚」だの何だのと罵倒してくる
“ベート”に“ティオナ”たちが怒りをあらわにするのも分かる、というもの。ただし
“アイズ”に誤解されてヘコむあたり裏があるのは察しが付くが序盤ではまだ不明瞭。

“ロキ”たちから暫しの暇を与えられた“ベート”が、アマゾネス“レナ”から猛烈な
アプローチを受けてから少しは変わるか、と思えばまだ全容は明かされず。死神の眷属
を突き止めようとする“ティオナ”たちがイチャつく二人を見て怒るのも無理はなく。

今回も「不治の呪い」に苦しめられる絶体絶命の局面で遂に“ベート”の誤解が解ける
展開と、あとがきで言及された北村編集長によって救われた命の顛末に胸をなでおろす
思いでした。ここのところ殺伐とした雰囲気が続いていたので本当に有難かったです。

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2017年05月02日

『レーゼンシア帝国繁栄紀 〜通りすがりの賢帝〜』

『うちの居候が世界を掌握している!』の 七条剛 先生が贈る新作は国家掌握ファンタジー。
苦学生がアルバイト先で皇帝になる!? さらに婚約者たちも押し掛け、てんてこ舞いです。
(イラスト:ゆきさん 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797391749.html


貧しい村育ちの“シュウ”は“老師”と呼ぶ爺さんに学問の大切さを教わり、託された夢を
果たすべく若くして上級学校で準教官となる。先生と呼ばれる身となったはずの彼が何故か
皇帝として身柄を確保される羽目に遭う。あの魔女のような少女と出会ったがために──。

アルバイトの募集要項に書かれた謎を解いたら皇帝になってしまった“シュウ”が、お飾り
ではない意外な機知を発揮する展開に惹かれました。“ファム”や“リレア”との世継ぎを
求められる立場に置かれてしまったことを、“シルフィ”が知る由もない話運びも面白い。

とは言え、やはり鍵を握るのは“ユーリス”。“シュウ”に身代わりをさせた理由は分かる
ものの、彼でないとダメな要因ですとか、まだまだ本心が見えてこないのが気になります。
ゆきさん 先生の挿絵も作風に合っている感じですし、新シリーズも楽しめそうな予感です。

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2017年05月01日

『ヒーローお兄ちゃんとラスボス妹 抜剣!セイケンザー』

約1年ぶりに「GA文庫」から 逢空万太 先生が贈る新作は地域密着型ヒーローコメディ。
悪の大首領となった妹からなぜかヒーローとなる力を与えられた兄が戦いに臨む物語です。
(イラスト:児玉酉 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797390735.html


謎の西洋剣が台座ごと発掘された街で双子の兄妹“奏斗”と“湊”はそれを引き抜いて
しまう。やがて彼女を王と呼ぶ騎士団が現れ、おもむろに「世界征服がしたい」と宣言。
止めようとする彼に妹はあるガジェットを渡し、「使い方は分かるはず」と言うが──。

悪の組織を立ち上げたかと思えば兄にはそれと戦うように願う、矛盾した“湊”の言動。
その原動力が色々な意味で話の鍵になる部分を軸に、細かくちりばめられたネタや伏線の
数々を見て 逢空万太 先生らしい作品が帰ってきた、と手放しに喜べる読了感が実に良い。

なんでヒーローと敵が仲良くなっているのか、とか気にしてはいけません。この不条理に
あふれた人間関係こそ、この物語を楽しむ要素の一つなのです。男の子がかわいく描ける
児玉 先生との相性も絶妙ですし、続刊が楽しみなシリーズの登場を心より祝う次第です。

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