2017年04月14日

『君に恋をするなんて、ありえないはずだった』

筏田かつら 先生の「小説家になろう」投稿作『眼鏡とあまのじゃく』を改題して書籍化。
非モテな根暗男子とモテ女なギャル、違いすぎる2人によるすれ違いラブストーリーです。
(イラスト:U35 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=72702901
http://ncode.syosetu.com/n8486bk/


「結構かわいい」クラスメイトの“恵麻”を見てそう思った“靖貴”。ある日、資料集が
必要になる授業でそれを彼女が忘れたと気づいた彼は「見ますか」と提案するもあっさり
無視される。辱められた彼女には二度と関わるものか、と彼は決めたはずなのだが──。

高校三年生の夏合宿、避け続けていた“恵麻”の困っている場面に出くわした“靖貴”が
声をかけてしまった所から彼女と関わりあう場面が増えていく。彼女の真意は何なのか、
そんな自分は彼女に対しどんな感情を抱くのか。二人の嘘と本音の交錯が実にもどかしい。

いつの間にか周囲からは「仲が良い」「付き合ってるんじゃないの」と噂される“靖貴”
と“恵麻”。それに合わせて「悪い噂」が浮かび上がり、巻き込まれてしまう“靖貴”。
うそつき少女がもたらす引きが凶悪すぎるので続きを早く出してください宝島社文庫さん。

posted by 秋野ソラ at 00:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年04月13日

『精霊幻想記 7.夜明けの輪舞曲』

北山結莉 先生が贈る異世界転生譚。第7巻は互いに良好な関係を築きたい“リーゼロッテ”
と“リオ”を内から外から揺さぶる存在、そして彼の宿敵と遂に相見えることになります。
(イラスト/Riv 先生)

https://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/715.html
http://hobbyjapan.co.jp/comic/series/seirei/
http://ncode.syosetu.com/n1094bz/


“リオ”のことに気づいた“クロエ”と、気づいたと思われる“フローラ”との距離感が
絶妙なもどかしさ。それが話の展開にも絡んでくるので、また上手い。彼の真摯で真摯な
対応を見た“リーゼロッテ”や侍女たちからの好感度もうなぎ登りで羨ましい限りです。

その一方で、相変わらず“弘明”は口だけで“リーゼロッテ”の思惑も読めず、やきもき
させられますし、“ユグノー”公爵に至っては血縁の恵まれなさは同情せずにいられない。
しかも与えた猶予が思いも寄らぬ窮地を呼び込むことになる、まさに泣きっ面に蜂状態。

アマンドへの逗留が裏目に出たと見るか、怪我の功名と見るか。“リオ”の厳しい一面を
目にすることになる場面と、それを受け止めるそれぞれ立場の反応が今巻最大の見せ場。
“美春”側にもしっかりフォローが入っていて、それが物語にどう左右するか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年04月12日

『ホテル ギガントキャッスルへようこそ』

『戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉』の SOW 先生が贈る、
ファンタジー世界でホテルマンを目指し働く元騎士見習いの少女の成長を描く新作です。
(イラスト:桜木蓮 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631177-9


傭兵団とは名ばかりのごろつきから家族の命を救ってくれた騎士に憧れ、村を飛び出し
騎士見習いになった“コロナ”。しかし軍縮の意向を受け路頭に迷う彼女は街で会った
男性に、紹介状と共にあることで有名なホテルがある巨人砦へ向かえと言われて──。

どんな種族の客も受け入れるホテル「ギガントキャッスル」で、ある客のおもてなしを
手伝うことになる“コロナ”が何の因果か最強のホテルマン“レイア”の厳しい指導を
受けて精一杯がんばる姿に思わず応援したくなるエピソードの数々が読んでいて楽しい。

最高経営責任者の“ホウオウ”、ホテルに現れる謎の少女“リディア”、“レイア”に
嫌がらせを仕掛ける“セディア”・・・と人間関係も把握しやくて読みやすさにも繋がって
いるかな、と感じました。“レイア”がちゃんと責任を取れるのか、見守りたい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年04月11日

『十歳の最強魔導師1』

天乃聖樹 先生の「小説家になろう」投稿作が「ヒーロー文庫」で書籍化。魔石を掘り出す
鉱山で働く奴隷少女が、逃げた果てで思わぬ出会いと人生の転機を迎える顛末を描きます。
(イラスト:フカヒレ 先生)

http://herobunko.com/books/hero45/6382/
http://ncode.syosetu.com/n6583dj/


親方の顔色を窺い、僅かな施しを受け、みすぼらしい恰好で魔石を採掘する“フェリス”。
ある日、魔石が取れないと知った魔術師の隠蔽工作に巻き込まれ這う這うの体で山を出た
彼女はとあるお嬢様の誘拐現場に直面し、自分の身体を投げうって飛び出すのだが──。

自身も予想外の展開で助けることに成功した“アリシア”に養われる“フェリス”の純真
そのものの言動や可愛がられぶりが微笑ましい。物怖じしない“テテル”や素直じゃない
“ジャネット”、意地悪な“イライザ”先生と脇を固める登場人物との関わりも楽しい。

所々に見える百合小説っぽい描写を フカヒレ 先生の挿絵が後押ししてくれるのも良くて
サクッと読めました。魔術師としては何もかも規格外すぎる“フェリス”が成長していく
今後の過程や、冒頭に登場した魔術師の思惑など気になる要素もあって続きが楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年04月10日

『冴えない彼女の育てかた 12』

4月からTVアニメ第二期放送開始の、丸戸史明 先生が贈るメインヒロイン育成コメディ。
第12巻は“恵”とのデートをドタキャンせざるを得ない“倫也”の選択の行方を描きます。
(イラスト:深崎暮人 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321606000849


絶対安静を言い渡される“朱音”。明らかになるゲーム制作現場の綱渡り感。躍進を信じ
送り出した“英梨々”や“詩羽”の未来すら危ぶまれる事態を前に、“恵”よりそちらを
取った“倫也”が彼女から拒絶されるのも無理はなく。そこをどう覆すかが見所の一つ。

奇しくも同人時代と同じ立場で、状況はそれ以上に悪い中、チームとしてワイワイやる
雰囲気も同時を懐かしむことができて楽しいのですが、そこに“恵”はいない。経過を
伝える“倫也”のメールにも応えない。このまま距離を置いてしまうか不安が募ります。

そんな一方的な想いですら開発に繋げる“倫也”の意地に目を見張りつつ、「結」へと
続いていく彼と「彼女」の関係。「ついにここまで来たか」と胸をなでおろす思いです。
次巻は惜しみながらも最終巻。彼らの同人ゲームは完成するか、最後まで目が離せません。

posted by 秋野ソラ at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル