2017年04月26日

『オオカミさんとハッピーエンドのあとのおはなし』

2011年1月10日に完結巻が刊行された 沖田雅 先生の「オオカミさん」シリーズ。決着した
物語のその後を描く後日譚として新刊が登場。御伽学園の面々の幸せな話をご堪能あれ。
(イラスト/zpolice 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-869268-7/


6年も前の物語を今さら思い出せるのか、という不安は読み始めたらすぐ払拭しました。
“おおかみ”さんや“亮士”くんなど独特のキャラ、地の文の使い方・・・と色々懐かしく
それだけ好きな作品であったことを再認識。イラストも似た方をよく用意したものです。

ツンデレを極めた“おおかみ”さんのデレっデレぶりがまず凄い。「誰ですか」レベル。
これがめちゃめちゃ可愛い。その変貌ぶりに対する“りんご”の出歯亀ぶりにもご注目。
後日譚の軸の一つを担ってます。もちろんその他の面々が幸せを掴む挿話の数々も絶妙。

昨今、リバイバルブームの流れが様々な業界で見受けられる気がするので、ここらで一つ
続きの出ていないあれやこれや・・・な作品も出てほしいと思ったりする今日この頃。それは
余談として、幸せいっぱいの後日譚、堪能いたしました。先生、ありがとうございました。

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2017年04月25日

『ゼロから始める魔法の書IX ―ゼロの傭兵〈上〉―』

2017年4月10日よりアニメの放送が開始する、虎走かける 先生の大人気ファンタジー作品。
第9巻は大聖堂に辿り着いた“ゼロ”たちを待ち受ける衝撃の真実から話が動き始めます。
(イラスト/しずまよしのり 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892824-3/


“ゼロ”たちに対する敵対心も和らいできた教会騎士団。彼らに伝えられた教会の真実が
これまた「どうしようもない」感を煽ってくる中、“主教”を絶対視する近衛騎士隊長
“オルルクス”が出張ってくることで教会に対する不審と不信がどんどん積もります。

でも当の“ゼロ”は考え事が頭から離れないようで、どこか上の空。“館長”の外界に
対する興味深々ぶりや、この前から続く“ジェマ”と“バルセル”の微妙な関係など、
いろいろな「距離感」が描かれる局面が多い、と感じました。もちろん“ゼロ”も含め。

意味深長な口絵の場面にどう繋がるのかな・・・なんて気軽に構えていたら、とんでもない
爆弾を落とされた気分を読了後に味わう破目に。先生自体がショックを受けている、と
言われてしまえばどうしようもありませんが、ここは信じて続きを待つしかありません。

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2017年04月24日

『読者(ぼく)と主人公(かのじょ)と二人のこれから』

岬鷺宮 先生が贈る新作は、擦り切れるほど読み返した大好きな本さえあればいい、という
少年が、その本に出てくる主人公そのものの女の子に出会うところから始まる恋物語です。
(イラスト/Hiten 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892603-4/


“柊ところ”なる作家が書いた『十四歳』。手に取ったその本に描かれている“トキコ”
の真情に共感した“晃”は入学したクラスのある自己紹介を聞いて驚愕する。彼女の名は
“柊時子”。その姿、佇まいはまさしく想像した通りの「トキコだ、トキコがいる」──。

“時子”の所作に“トキコ”がちらつく“晃”は、やがて秘密を共有し彼女からある依頼
を受けることに。理想の女の子との距離が近づいていく“晃”が恋に落ちないワケがない
のですが『十四歳』という作品が好きすぎることで意外な落とし穴に嵌まってしまいます。

一方的にすれ違っていく“晃”を止める術はないのか。面映ゆい二人の様子との落差が
激しい終盤で与えられる最後のきっかけを彼がどう受け止めるかをぜひ見届けてほしい。
先生の好きが詰まった青春恋愛小説、実に良かった。挿絵も素敵でオススメの一冊です。

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2017年04月21日

『長崎・オランダ坂の洋館カフェ シュガーロードと秘密の本』

江本マシメサ 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。雨の日のみ開店する洋館カフェ
でバイトする女子大生が極上スイーツと長崎の歴史、そして恋心に触れていく物語です。
(イラスト:げみ 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=72684901
http://ncode.syosetu.com/n7322df/


雨の日のオランダ坂。バイトの面接で失敗した“乙女”は傘も差さず大好きな作家の本も
びしょ濡れしながら「Cafe 小夜時雨」に辿り着く。メニューは気まぐれで1セットのみ、
五百円という仏頂面の店長が出すスイーツに魅了された彼女は早速バイト先に選ぶが──。

長崎出身の先生だからこそ描ける情景や、物珍しいご当地スイーツの数々が目を惹きます。
店長の“向井”に教わる長崎文化に、そして彼自身に少しずつ魅了されていく“乙女”の
機微が何とも面映ゆいです。店を訪れる物珍しい客との交流も演出に一役買っています。

店の運営方針もそうですが、そもそも存在が謎すぎる“向井”の正体は・・・早いうちに想像
できる思います。どういった形でそれが明らかになるのか、実は出会うべくして出会った
2人だと気付かされる雨の夜のオランダ坂でのやりとりを読んで確かめてほしい作品です。

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2017年04月20日

『悪役令嬢に転生したけどごはんがおいしくて幸せです!』

矢御あやせ 先生の「第4回ネット小説大賞」受賞作。大好きな乙女ゲームの悪役令嬢に
転生したOLがバッドエンド回避・・・よりも食事を大切にする食欲系コメディの登場です。
(イラスト:東条さかな 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=02707401
http://ncode.syosetu.com/n8464cu/


広陵院家のお嬢様“江梨子”は我が儘が過ぎる余り不幸な末路を迎える乙女ゲームの悪役。
前世の記憶として現状を理解した彼女は、運命を覆すためにまず自らが悪化させた弟との
関係改善を図る。毎日のおいしい料理を一緒に、笑って食べられるようになるために──。

・・・とシリアスめに導入してみましたが“江梨子”は結構ポンコツで頑張るけれども空回り
したりするので全体的にコミカルに展開していきます。ですが周りに支えられて、友達も
できて、と本来のゲームルートから少しずつ改善していく様子は微笑ましく映るものです。

“江梨子”が食事を堪能しようとするあまり近づかないと決めていた攻略キャラや主人公
キャラたちとあっさり関係を築き、やっぱり恋心を抱いてしまう「うっかりさ」は物語を
どう左右するのか。各々の幸せを追求した先に何があるのか、続きを見てみたいものです。

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2017年04月19日

『造られしイノチとキレイなセカイ3』

緋月薙 先生が贈るスローライフ・ストーリー。第3巻は“リーゼ”が持つ力の秘密に迫り
ながら、“カリアス”と“フィアナ”の間に見られる明らかな変化にも触れていきます。
(イラスト/ふーみ 先生)

https://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/716.html
http://yomeru-hj.net/novel/kireinasekai/


“レミリア”や“マクスウェル”の予想をあっさりと超えてくる“リーゼ”と幼竜の件。
そして彼女と“イリス”との関係。とんでもない力場が“カリアス”と“フィアナ”の
周囲に形成されていく過程の面白さ、それが披露される局面の圧巻ぶりがまず見どころ。

もう一つはやはり口絵のあのシーンから繰り広げられる“カリアス”と“フィアナ”の
気まずい距離感・・・からの本心の伝え合い。もうニヨニヨするしかない。幼馴染キャラは
報われない、とよく言われますけど 緋月 先生はそういう二人の描き方が本当に上手い。

“イリス”をはじめとする子供たちから繰り出される純真無垢ながらも誤解を生む発言
の数々、ムッツリな言動のあれこれもぜひご堪能いただきたいところ。Web版の連載も
続けてほしいですし、続刊も期待したいので「HJ文庫」には心よりお願いする次第です。

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2017年04月18日

『明治あやかし新聞 怠惰な記者の裏稼業』

さとみ桜 先生の「第23回電撃小説大賞・銀賞」受賞作。幼馴染の友人が奉公先から暇を
出された原因となる妖怪記事を書いた記者に押し掛けた女性が結ぶ奇妙な縁を描きます。
(イラスト/銀行 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-892676-8/


「で、そのふざけた記事がどうかしたのかな?」記事を書いた“久馬”の悪びれもしない
態度に怒りをあらわにする“香澄”。だが事情を突き詰めるとむしろ友人を助けるための
記事であったと知り、元凶たる奉公先の主人を懲らしめる手助けの乗り出すのだが──。

役者崩れの“艶煙”と共に妖怪の逸話をネタと小新聞を武器にある時は人助け、ある時は
悪者を懲らしめる展開がまず面白い。何度も手を貸す“香澄”が“久馬”の食えない言動
を前にして少しずつ彼への印象を変えていく機微の描写もポイント。絶妙な距離感です。

そんな“久馬”の従妹が神隠しに遭っていた、と知る“香澄”。その裏側にある彼の秘密
に気付いた彼女がある依頼をすることを決断した第四話の話運び。これがまた良かった。
妖怪記事がもたらした縁がどう変化していくのか、ぜひ読んで確かめてほしい作品です。

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2017年04月17日

-インフィニット・デンドログラム- 3.超級激突』

海道左近 先生が贈るVRMMOファンタジー。第3巻は〈超級〉同士の激突を目の当たりにする
“レイ”たちの陰で動く策謀や、彼らが垣間見ることのできない物語の数々に触れます。
(イラスト/タイキ 先生)

https://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/717.html
http://hobbyjapan.co.jp/comic/series/dendro/
http://ncode.syosetu.com/n5455cx/


ランキング1位の“フィガロ”と2位の“迅羽”。泰然として構える前者と不遜な態度で
応じる後者。両者の優劣が入れ替わるバトルがまず熱い。手に汗握るとはまさにこのこと。
話が動いているという局面にも関わらず、“レイ”たちの蚊帳の外な様子に思わず苦笑い。

元々の話の内容を踏まえて200ページ程度を迎えたところで中書きを挟み、外伝となる小編
3つで埋めてくる構成もまた面白い。中でも“マリー”に関するエピソードが今巻における
もう一つの見所と言ってもいい。別視点で語られる物語と共に彼女の魅力が伝わってきます。

今巻の帯で「ラノベニュースオンラインアワード」11月刊、1月刊における総合部門などで
1位を獲得したことに言及されていてとてもありがたい、と思っております。ウチも投票
した甲斐があるというもの。コミカライズも絶好調ということで続きも応援していきます。

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2017年04月14日

『君に恋をするなんて、ありえないはずだった』

筏田かつら 先生の「小説家になろう」投稿作『眼鏡とあまのじゃく』を改題して書籍化。
非モテな根暗男子とモテ女なギャル、違いすぎる2人によるすれ違いラブストーリーです。
(イラスト:U35 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=72702901
http://ncode.syosetu.com/n8486bk/


「結構かわいい」クラスメイトの“恵麻”を見てそう思った“靖貴”。ある日、資料集が
必要になる授業でそれを彼女が忘れたと気づいた彼は「見ますか」と提案するもあっさり
無視される。辱められた彼女には二度と関わるものか、と彼は決めたはずなのだが──。

高校三年生の夏合宿、避け続けていた“恵麻”の困っている場面に出くわした“靖貴”が
声をかけてしまった所から彼女と関わりあう場面が増えていく。彼女の真意は何なのか、
そんな自分は彼女に対しどんな感情を抱くのか。二人の嘘と本音の交錯が実にもどかしい。

いつの間にか周囲からは「仲が良い」「付き合ってるんじゃないの」と噂される“靖貴”
と“恵麻”。それに合わせて「悪い噂」が浮かび上がり、巻き込まれてしまう“靖貴”。
うそつき少女がもたらす引きが凶悪すぎるので続きを早く出してください宝島社文庫さん。

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2017年04月13日

『精霊幻想記 7.夜明けの輪舞曲』

北山結莉 先生が贈る異世界転生譚。第7巻は互いに良好な関係を築きたい“リーゼロッテ”
と“リオ”を内から外から揺さぶる存在、そして彼の宿敵と遂に相見えることになります。
(イラスト/Riv 先生)

https://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/715.html
http://hobbyjapan.co.jp/comic/series/seirei/
http://ncode.syosetu.com/n1094bz/


“リオ”のことに気づいた“クロエ”と、気づいたと思われる“フローラ”との距離感が
絶妙なもどかしさ。それが話の展開にも絡んでくるので、また上手い。彼の真摯で真摯な
対応を見た“リーゼロッテ”や侍女たちからの好感度もうなぎ登りで羨ましい限りです。

その一方で、相変わらず“弘明”は口だけで“リーゼロッテ”の思惑も読めず、やきもき
させられますし、“ユグノー”公爵に至っては血縁の恵まれなさは同情せずにいられない。
しかも与えた猶予が思いも寄らぬ窮地を呼び込むことになる、まさに泣きっ面に蜂状態。

アマンドへの逗留が裏目に出たと見るか、怪我の功名と見るか。“リオ”の厳しい一面を
目にすることになる場面と、それを受け止めるそれぞれ立場の反応が今巻最大の見せ場。
“美春”側にもしっかりフォローが入っていて、それが物語にどう左右するか注目です。

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2017年04月12日

『ホテル ギガントキャッスルへようこそ』

『戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉』の SOW 先生が贈る、
ファンタジー世界でホテルマンを目指し働く元騎士見習いの少女の成長を描く新作です。
(イラスト:桜木蓮 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631177-9


傭兵団とは名ばかりのごろつきから家族の命を救ってくれた騎士に憧れ、村を飛び出し
騎士見習いになった“コロナ”。しかし軍縮の意向を受け路頭に迷う彼女は街で会った
男性に、紹介状と共にあることで有名なホテルがある巨人砦へ向かえと言われて──。

どんな種族の客も受け入れるホテル「ギガントキャッスル」で、ある客のおもてなしを
手伝うことになる“コロナ”が何の因果か最強のホテルマン“レイア”の厳しい指導を
受けて精一杯がんばる姿に思わず応援したくなるエピソードの数々が読んでいて楽しい。

最高経営責任者の“ホウオウ”、ホテルに現れる謎の少女“リディア”、“レイア”に
嫌がらせを仕掛ける“セディア”・・・と人間関係も把握しやくて読みやすさにも繋がって
いるかな、と感じました。“レイア”がちゃんと責任を取れるのか、見守りたい所です。

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2017年04月11日

『十歳の最強魔導師1』

天乃聖樹 先生の「小説家になろう」投稿作が「ヒーロー文庫」で書籍化。魔石を掘り出す
鉱山で働く奴隷少女が、逃げた果てで思わぬ出会いと人生の転機を迎える顛末を描きます。
(イラスト:フカヒレ 先生)

http://herobunko.com/books/hero45/6382/
http://ncode.syosetu.com/n6583dj/


親方の顔色を窺い、僅かな施しを受け、みすぼらしい恰好で魔石を採掘する“フェリス”。
ある日、魔石が取れないと知った魔術師の隠蔽工作に巻き込まれ這う這うの体で山を出た
彼女はとあるお嬢様の誘拐現場に直面し、自分の身体を投げうって飛び出すのだが──。

自身も予想外の展開で助けることに成功した“アリシア”に養われる“フェリス”の純真
そのものの言動や可愛がられぶりが微笑ましい。物怖じしない“テテル”や素直じゃない
“ジャネット”、意地悪な“イライザ”先生と脇を固める登場人物との関わりも楽しい。

所々に見える百合小説っぽい描写を フカヒレ 先生の挿絵が後押ししてくれるのも良くて
サクッと読めました。魔術師としては何もかも規格外すぎる“フェリス”が成長していく
今後の過程や、冒頭に登場した魔術師の思惑など気になる要素もあって続きが楽しみです。

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2017年04月10日

『冴えない彼女の育てかた 12』

4月からTVアニメ第二期放送開始の、丸戸史明 先生が贈るメインヒロイン育成コメディ。
第12巻は“恵”とのデートをドタキャンせざるを得ない“倫也”の選択の行方を描きます。
(イラスト:深崎暮人 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321606000849


絶対安静を言い渡される“朱音”。明らかになるゲーム制作現場の綱渡り感。躍進を信じ
送り出した“英梨々”や“詩羽”の未来すら危ぶまれる事態を前に、“恵”よりそちらを
取った“倫也”が彼女から拒絶されるのも無理はなく。そこをどう覆すかが見所の一つ。

奇しくも同人時代と同じ立場で、状況はそれ以上に悪い中、チームとしてワイワイやる
雰囲気も同時を懐かしむことができて楽しいのですが、そこに“恵”はいない。経過を
伝える“倫也”のメールにも応えない。このまま距離を置いてしまうか不安が募ります。

そんな一方的な想いですら開発に繋げる“倫也”の意地に目を見張りつつ、「結」へと
続いていく彼と「彼女」の関係。「ついにここまで来たか」と胸をなでおろす思いです。
次巻は惜しみながらも最終巻。彼らの同人ゲームは完成するか、最後まで目が離せません。

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2017年04月07日

『異世界薬局 4』

高山理図 先生が贈る薬局ファンタジー。第4巻は神官長“サロモン”行方不明の知らせを
機に見えてくる「神聖国」の思惑を前に、“ファルマ”や女帝が真正面からぶつかります。
(イラスト:keepout 先生)

http://mfbooks.jp/4709/
http://ncode.syosetu.com/n8541cr/
http://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF00000031010000_68/


“パッレ”との健診対応や「彼女」との自然なハグで天然のプレイボーイぶりを如何なく
発揮する“ファルマ”に微笑ましさを感じつつ、“サロモン”の件を聞いて周囲から釘を
刺されたにも関わらず颯爽と対処してしまうあたり彼の信仰が一層高まるのも無理はなく。

その経緯を知った女帝が「神聖国」に強気の姿勢を見せるあたりは実に爽快。その彼らが
秘蔵していた“ファルマ”が元の世界で所有していた職員証が彼の本質を再認識させる
くだりも印象的。死んでも直らない、とはよく言ったもので。今後の繋がりにも注目です。

衛生面の問題を危惧して“ファルマ”の手ずから生まれたあれやこれやの数々。それでも
対処療法でしか回復が望めない病があったりするなど普段では目にすることのない医学的
見地が窺えるのも本作を楽しめる要素の一つ。いつまで薬神でいられるのか気になります。

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2017年04月06日

『竹中半兵衛の生存戦略 戦国の世を操る「茶室」の中の英雄たち』

青山有 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。突如、戦国武将となった元現代人たち。
同じ境遇を迎えた彼らが「茶室」なるチャットルームを通じて協力し、生き残りを図ります。
(イラスト:四季童子 先生)

http://www.redrisingbooks.net/takenakahanbee
http://ncode.syosetu.com/n0681de/


重篤の身から起き上がってみれば、まるで時代劇のような風景。サラリーマンの身の上の
はずが“竹中半兵衛重治”の身に憑依した彼が、養生中の夢に出てきたノートPCに触ると
最上、北条といった名を連ねた発言のやりとりを目にし他にも仲間がいることを知る──。

“竹中”と同じ境遇にいる戦国武将は有名ではないかも知れませんが、どんな人物なのか、
置かれている状況は、といった背景は「茶室」で伝えてくれますし“竹中”のモノローグ
や家臣などとのやりとりでも窺えるので、歴史に詳しくなくてもサクサク読める安心設計。

“織田信長”を筆頭に実力のある武将を前にどう立ち回るか。「茶室」での相談を活かし
史実とは違う流れを次々に起こしていく“竹中”たちに動かされる歴史の先行き不透明さも
物語を楽しむ要素の一つになっています。まずは“信長”に太刀打ちできるか注目です。

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2017年04月05日

『異世界取材記 〜ライトノベルができるまで〜』

田口仙年堂 先生の「カクヨム」投稿作品が書籍化。ライトノベルを書くための取材として
異世界と現実世界を行き来する作家や作家志望たちが織り成すサクセスファンタジーです。
(イラスト:東西 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321611000759
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880280060


『ネット小説が流行っているから「カクヨム」でハーレムや無双を押さえたのを何か書け』
と見た目ヤクザな編集者に指示を受け、編集部の予算持ちで異世界へ取材に出かける作家。
モンスターとも戦える、とすぐさま答える彼は言う。何故ならラノベ作家だから、と──。

ラノベ作家である“センセー”や異世界で出会ったラノベ作家志望の“JK”も、異世界モノ
を書きたいから現地の文化や魔法などを勉強して物語を書いている、という発想が面白い。
そのためには異世界を滅ぼすことさえ厭わない、そんな決意の表れが随所に見受けられます。

やがてハーレムの取材先として訪れた魔王、その思いがけない人物像にラノベ作家としての
業の深さを垣間見た“センセー”がどう動くのか。異世界をガイドする“アミュー”が良い
立ち位置にいるので、その点も含めて見届けてほしい所。色モノと侮ることなかれ、です。

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2017年04月04日

『ぼくたちのリメイク 十年前に戻ってクリエイターになろう!』

木緒なち 先生が贈る新作は青春リメイクストーリー。ダメ社長に振り回され嫌気がさした
ゲームディレクターが蹴ったはずの芸大に通う学生となって、仲間と共同生活を始めます。
(イラスト:えれっと 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1520


有名クリエイターを輩出した「プラチナ世代」。彼らの活躍と今の自分との格差に落胆し
実家へ帰る“恭也”。行かなかった「大芸大」の合格通知を掘り出し、悔し涙を流す彼。
あの頃に戻りたい、と願う彼が気づけば2006年、かの大学へ通う学生となっていて──。

突如はじまった学生生活。知り合った仲間は「あの人」たちを匂わせる。未来を裏打ち
する仲間たちの個性を前に“恭也”がどう振舞うか、あるいは振舞うべきかが問われる
展開に色々と考えさせられるものがあります。楽しさも厳しさも併せ持つ、それが人生。

いわゆる総合職と専門職、モノづくりの上でも共に欠けてはならない両者の違いが実に
よく分かる内容でもあるかと思います。そういえば10年前はあの作品が流行ってたなぁ
とか懐古しながら楽しませてもらいました。過去は変わるのか否か、続きにも期待です。

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2017年04月03日

『七星のスバル5』

田尾典丈 先生が贈る革新的青春オンライン・ストーリー。第5巻は“貴法”が“希”の
気持ちに真っ直ぐ向き合いながら、「スバル」「グノーシス」との直接対決に臨みます。
(イラスト:ぶーた 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094516630


負の感情につけこまれた“希”の悪堕ちぶりがたまらない。その原因を作った“貴法”が
言われるまで全く気がついてない、というダメっぷりがもうね。“咲月”がいなかったら
このチームは人間関係で回らなくなるわ、と改めて思い知らされました。頑張れ、女性陣。

“希”をけしかけてくる「グノーシス」の罠が物語の合間に挟まれる「間章」という形で
じわじわと効いてくる構成にご注目。“旭姫”の未来視に従わない“陽翔”。彼の真意に
気付いたとき、彼女を思いやる想いが一層強く感じられます。愛されてるな、という感じ。

能力的にも、気持ちの上でも強さを得た「スバル」の面々。名実ともに復活か、と思った
その瞬間、無情にも最悪の強さを持つ敵から告げられる口絵の一言が重くのしかかります。
音を立てて崩れていく大事な約束は本当に果たせないのか、次巻の展開も目が離せません。

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