津田彷徨 先生の「カクヨム」連載作品が満を持しての書籍化。大学受験を前に事故死した
不運な少年が気がつけば戦国時代の農民となって生まれ変わり、成り上がりを目指します。
(イラスト:獅子猿 先生)
【 http://kadokawabooks.jp/product/114/ 】
【 https://kakuyomu.jp/works/4852201425154961853 】
「クソ、謀ったな目薬屋!」喧嘩を売ってきた山脇の三男坊“重信”に捨て台詞を言わせ
たやすく退ける少年“萬吉”。彼こそ後の“黒田官兵衛”として名を馳せる男、その傍ら
には天文二十四年、播州の地に転生し、彼と共に切磋琢磨する“秀一”の姿があった──。
奇しくも同じ名前の少年に生まれ変わった“秀一”が知識量豊富だからこそ人並み外れる
ことを嫌って慎重にその手札を切ろうとする言動が興味深い。故に時の傑物たちに興味を
持たれることになるワケで。話の折に挟まれる歴史の人物たちの紹介が何気に助かります。
そして、数々の日本刀に魅せられた先生のこだわりぶりが物語のそこかしこに出てくる点
にも、それを時に華麗に、時に荒々しく振るう男たちの活躍にも注目。幼き日に交わした
“萬吉”との約束を果たすべく「あの男」のもとに辿り着いた“秀一”の今後に期待です。