2016年12月02日

『繰り巫女あやかし夜噺〜お憑かれさんです、ごくろうさま〜』

「小説家になろう」の有志企画「和モノ布教し隊」へ参加した 日向夏 先生の作品が書籍化。
機織りの実技を教える非常勤講師となった巫女が遭遇する不思議と謎解きの顛末を描きます。
(イラスト:六七質 先生)


https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=59977


古都にある玉繭神社に下宿し、管理者の“大家”や同居人の“シロ”“クロ”との生活を
楽しみながら巫女として機を織る日々を過ごす“絹子”。ある日、講師を務める講義を
受けている生徒“崎守”から相談を受ける。「神隠しにあったみたいなんです」と──。

“崎守”からの相談を機に、次々とオカルティックな事件に巻き込まれていく“絹子”。
口はやや乱暴でも人付き合いが上手でもない彼女を心配してあれこれ手を回してくれる
“大家”がいて一安心・・・などという安易な事件解決ものではない展開で魅せてきます。

事件が導き出す登場人物たちの思いも寄らぬ人間関係。“絹子”の意外な食べっぷりに
隠された真実。日常と非日常、被害者と加害者が入り混じる話運びに読み応えは抜群。
本書の副題に含まれた意味に気付かされた時の驚き、ぜひ読んで確かめて頂きたいです。

posted by 秋野ソラ at 01:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年12月01日

『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる12』

裕時悠示 先生が贈る甘修羅らぶ×らぶコメディ。第12巻は異性からの人気が急上昇する
“姫香”に戸惑いを隠せない“鋭太”が迫る学園祭を前に態度を決める場面を迎えます。
(イラスト:るろお 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797388299.html


読者モデル「プリン」としての名がネット上で拡散し始めた勢いを逃したくない“真涼”。
“姫香”に対する特別な感情に戸惑いつつも彼女の意思を尊重したいと対立する“鋭太”。
互いを分かり合っているが故に譲れないところが面倒くさいなこの二人、と感じさせます。

そんな“姫香”からも好意を寄せられている“鋭太”がハーレムを築こうとしている、と
いうのは周知の事実であり、いよいよ敵が増えていく彼は派手なやっかみも受ける破目に。
理解されない考え方が生んだ結果に決意を新たにする彼。吐いた言葉に重みを感じます。

“真涼”の計画が次々進む中で“姫香”が初めて示した困惑、そして「ハーレム」の定義。
その想いを受け入れた“鋭太”が負ったケガを見て思わず問い詰める“カオル”がついに
牙をむいた! 「二律背反の物語」の解放と“姫香”の切ったカードの行方が楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル