2016年12月09日

『私、能力は平均値でって言ったよね!(3)』

FUNA 先生が贈る異世界転生ファンタジー。第3巻は「赤き誓い」のメンバー“ポーリン”
と“メーヴィス”に降りかかる危機に“マイル”が平凡な女の子らしからぬ手を出します。
(イラスト:亜方逸樹 先生)

http://www.es-novel.jp/booktitle/24heikinchi3.php


“メーヴィス”を溺愛するオースティン家から遣わされた兄“ユアン”の態度が許せない
“ポーリン”たち。そこへ「赤き誓い」を襲うハンターたちが現れ、思わぬ誤解を招く所
から二人の家族に由来する問題が・・・って中で“レニー”のあの挿絵は中々のインパクト。

そんな呑気なことを言っている内に“ポーリン”の家を復権させるべく討ち入りを果たす
“マイル”たちの容赦ない逆襲と復讐と蹂躙と殲滅が実に爽快。同行した“ティリザ”の
いい仕事ぶりにもスカッとします。そこへ“メーヴィス”を取り戻す父登場と相成ります。

“マイル”から仕込まれた裏技「真・神速剣」を駆使し兄に挑む“メーヴィス”の機微に
ここはご注目いただきたい。ワイバーンすら強引にねじ伏せる“マイル”の言動を堪能
しつつ“アデル”としての過去がそろそろ絡んでこないかな、と期待する今日この頃です。

posted by 秋野ソラ at 00:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年12月08日

『七日の喰い神4』

カミツキレイニー 先生が贈るダークファンタジー。第4巻は祈祷士とGHQの軋轢を利用する
“龍之介”、それを止める“七日”、傷心の“ラティメリア”それぞれの戦いを描きます。
(イラスト:nauribon 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094516449


“龍之介”たちの魔手から逃れるのに必死な“ロサ”が辿り着いたのは“七日”たちの家。
そこへ暴走する祈祷士協会の犬が強襲。“ロサ”と呉越同舟の“ラティメリア”が彼や
ウミネコの“サキ”とも別れたまま不安な気持ちを膨らませる様子が何とも危なっかしい。

“六花”復活にこだわる“龍之介”がその境地に至った壮絶な過去。それでも彼がやろう
としていることの間違いを正そうとする“七日”が“ラティメリア”を巻き込みたくない
と振舞う葛藤。改めてその名を付けられた“ラティメリア”が感じた躍動、そして絶望。

決着をつけたヒト、モノすべてに等しく降りしきる雪の一面を切り取った見開きの挿絵が
物悲しさとやるせなさを煽ります。エピローグにて、やりたいことをやる、自由に生きる
そう決めた“ラティメリア”の前向きさに救われた気がします。印象に残る物語でした。

posted by 秋野ソラ at 00:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年12月07日

『そのオーク、前世(もと)ヤクザにて2』

機村械人 先生が贈る超王道ファンタジー。第2巻は大嵐に見舞われた街で“レイガス”が
助けた亜人の少女に感じる懐かしさは、更なる前世の悲劇と因縁を呼ぶのでありました。
(イラスト:兎塚エイジ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797389548.html


“レイガス”にしがみつくほどべったりで、騎士団の女子陣に敵愾心むきだしの“マフ”。
亜人とは言え、その由来が全く分からない彼女が実はこの物語の、世界の鍵を握っている
ことに気付かされると、彼らの因縁の強さを感じさせると共に謎が更に深まっていきます。

今巻も“レイガス”がヤクザであった過去とオークとして生きる現在を交互に見せて真実
へと導いていく構成で、“マフ”の救われない生い立ちを知ることになります。“龍平”
としての生き様が彼女だけでなく色々と繋がっていくのが分かる話運びで魅せてきます。

物語の陰で“イーヴィ”に接触してきた半狼の魔女“ベロニカ”。怪しい笑顔を浮かべる
“ベロニカ”が“イーヴィ”よりも2つの世界のことに詳しいことは明白ですが、まさか
名乗りでその人が出てくるとは。ここからどう話が動いていくのか続きが気になる所です。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年12月06日

『ゲーマーズ!6 ぼっちゲーマーと告白チェインコンボ』

満を持してのアニメ化決定! の報に沸く、葵せきな 先生が贈るこじらせゲーマーたちの
すれ違い青春ラブコメ。第6巻はあの「事件」を経て“花憐”たちがある結論を出します。
(イラスト:仙人掌 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321603000660


ゲームオーバーぶりを見せつけられた“花憐”と“祐”のちょっとした壊れっぷりもさる
ことながら当事者となる“景太”と“亜玖璃”も釈明に困る、というこれまた面倒な状況
を踏み台に“景太”と“花憐”が一歩前に進んでくれたのは怪我の功名と言うしかなく。

思わぬ方向に関係性を深めていく“景太”と“花憐”の様子、特に彼女のやらかしっぷり
に思わずニヨニヨするばかり。もちろん、彼も頑張って男を上げようとしてますが今回は
彼女のほうが上かな、と。それにしても“祐”のヘタレ具合が段々心配になってきました。

位置情報を駆使したソーシャルゲームのイベントを機に、これまでこじらせ続けた“千秋”
の想いがついに爆発。その過程で新参者の思わぬ毒舌というか情念も目にすることとなり
“景太”の相関図がまたとんでもない状況を描く結果に。思わず苦笑いしながら続きます。

posted by 秋野ソラ at 00:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年12月05日

『冴えない彼女の育てかた 11』

TVアニメ第二期放送を4月に控える、丸戸史明 先生が贈るメインヒロイン育成コメディ。
第11巻は最終シナリオ「叶巡璃」のルートを決めるべく“倫也”が“恵”に急接近します。
(イラスト:深崎暮人 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321606000848


扱いが雑なように感じられた“出海”や“美智留”の強烈なアピールをくぐり抜け、そんな
二人の陰に位置するかのような“恵”に“倫也”が焦点を当てる今巻。ここぞとばかりに
ヒロインぶりを発揮したりしなかったりする“恵”が可愛すぎる。口絵も挿絵も絶妙です。

書きたい気持ちはあふれるほどあるのに書けない。“倫也”の苦悩を理解し、打開策を提示
するのは「あの人」しかいないワケですが、そこから二人で「叶巡璃」のシナリオを作って
いこうとする“倫也”のごり押しと“恵”の頑なで正直な言動がこっ恥ずかしくて実に良い。

地の文にもありますけど、既刊を手元に置きながら読むことをオススメしたい展開を魅せて
くれます。確かに、あのページから栞を挟みっぱなしにしておくべきでしょう、“恵”好き
な方々にとっては。その話運びで訪れる「転」とは何か、不穏な空気が実に気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル