2016年11月16日

『六畳間の侵略者!? 24』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算26冊目は“エルファリア”が新生フォルトーゼ正規軍
と名乗りを上げて戦う決意を示す一方、クーデター軍が切り札の秘密兵器を投入してきます。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/689.html


“エルファリア”の堂々たる演説に改めて惚れ惚れする傍ら、青騎士について質問攻めに
合う“ティア”の慌てぶりが微笑ましい。クーデター軍の卑劣さが明らかになってきた点
も含めて彼女らに流れが傾いてきているのが良いですね。まだ一筋縄ではいきませんが。

“エゥレクシス”や“真耶”が冷静に“孝太郎”たちを分析し暗躍する中で大技を仕掛けた
“ヴァンダリオン”。それぞれの持ち味を活かして随時対応していくコータロー騎士団の
活躍に目を見張ります。特に“キリハ”や“ルース”に光が当たっている所がうれしい。

オビにもある通り青騎士の快進撃が止まらない状況を“エゥレクシス”がある意味、読み
違えたことが“孝太郎”たちの先行きにどう影響するのか・・・という不安を払拭するかの
ような挿絵の和やかさを襲う「彼女」の不調。兆しはあっただけに心配するばかりです。

posted by 秋野ソラ at 00:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年11月15日

-インフィニット・デンドログラム- 1.可能性の始まり』

「小説家になろう」において発表していた 海道左近 先生の作品が、満を持しての書籍化。
独自に進化するプレイヤー、人のように振舞うNPC、可能性豊かなVRMMOが舞台の物語です。
(イラスト/タイキ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/694.html
http://dendro.jp/
http://ncode.syosetu.com/n5455cx/


大学受験を前に発売されたVRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」をようやく手にすること
が出来た“玲二”。キャラメイクした“レイ”として先行プレイしていた兄に会うべく
アルター王国の王都を歩く彼に早速、運命の出会いと高難易度のクエストが舞い込む──。

兄の“シュウ”やこのゲームの特徴でもあるエンブリオ、“レイ”の場合は“ネメシス”
の力を借りて難題をクリアしたり、それでもレベルが低いゆえに挫折を味わったり、と
ゲーム内の冒険を楽しんでいる雰囲気が伝わってきます。実際にあったら楽しそうですし。

途中で出会う“ルーク”と“バビロン”の能力が意外とえげつない組み合わせなのが割と
好みだったり。“リリアーナ”や“マリー”といった知り合いも増えて順調に進むかの
ように見える冒険の裏には何か仕掛けがありそうで、そのあたりの動きに注目でしょうか。

posted by 秋野ソラ at 00:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年11月14日

『サークルクラッシャーのあの娘、ぼくが既読スルー決めたらどんな顔するだろう』

「ガガガ文庫」にて作品を上梓してきた 秀章 先生が「スニーカー文庫」から新作を発表。
財宝狙いの旅団に転がり込んできた美少女がもたらす危機をその一員の視点から描きます。
(イラスト:R_りんご 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321607000404


魔族との大戦に向けて用意した莫大な軍資金が終戦と共に消失。以来、財宝として冒険者
が探索する中、四男一女で結成した「軍資に一番近い旅団」はその筆頭候補で名を馳せる。
彼らがダンジョンで封印されていた美少女を解き放つ所から旅団の歯車が狂い始める──。

タイトルや表紙の感じから現代モノかと思えばファンタジー、という点にまずビックリ。
記憶の無い“クリスティーナ”を主人公“ユーリ”が好きになるのも納得の展開で安易な
ラブコメかと思えば紅一点の“シイナ”が旅団を抜けると言い始めてからの泥沼感が絶妙。

立場上“クリスティーナ”を受け入れられない最弱の“ユーリ”は修羅場中な一騎当千の
団員を丸め込めるのか。起点の利かせ方と彼女の選んだ結末をぜひ読んでご確認頂きたい。
サクサク読める構成の妙とファンタジーでのサークラが魅せるドラマ。オススメできます。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年11月11日

『僕は彼女を攻略できない。 まちがいだらけの主人公ライフ』

三門鉄狼 先生が贈る新作はラブコメディ。エロゲの主人公役、ラノベのヒロイン役、各々
突如役を割り振られた少年と少女の出会いが、まちがいだらけの恋物語を紡いでいきます。
(イラスト:掃除朋具 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1468


18歳を迎えた“アユム”に告げられた宣告はハーレムエロゲの主人公としてヒロインたち
と出会い、その1人とHシーンを経てエンディングを迎えること。時を同じくして“都”は
彼と1年間級友として過ごすことを宣告されるが、彼女は「ラノベ」のヒロインで──。

腐れ縁の“佐亮”や幼馴染の“那月”、妹の“睦美”にからかわれながらもアプローチを
かけてきた“都”に期待が高まる“アユム”。そもそもラノベのヒロインを知らない彼女
が見せる不器用な積極性が微笑ましくて可愛らしい。イラストも逐一、狙ってきてます。

期待が高まる“アユム”に水を差す、“都”の「役振り」が持つ意味。“サンディ”先生
からの助言や“睦美”からの指摘で「まちがい」を強く認識した彼がどんな道を選ぶのか。
次々増えていくヒロインの機微も含めて落とし所は難しく、この先の展開が興味深いです。

posted by 秋野ソラ at 00:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年11月10日

『ロクでなし魔術講師と禁忌教典7』

羊太郎 先生が贈る超破天荒新世代学園アクションファンタジー。第7巻は“ルミア”の
暗殺計画を耳にした“グレン”の前にかつての上司が現れ、現場を翻弄されていきます。
(イラスト:三嶋くろね 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321603000665


学院のダンス・コンペで対決することになった“ルミア”と“システィーナ”のコミカル
な様子の裏側で繰り広げられる「帝国宮廷魔導士団」の“イヴ”と「天の知慧研究会」の
“ザイード”との裏読み合戦。しかも“イヴ”が読み負けている不穏な所から始まります。

“グレン”にとっては今や嫌悪の対象でしかない“イヴ”を助ける仲間たちのサポートが
見せ場を作る一方、「ルミア暗殺計画」の要が押さえられないままダンス・コンペは終盤
までもつれ込みます。このまま負け戦となるのか!? という緊迫感が手に汗を握らせます。

当事者である“ルミア”が今回のイベントを通じて抱えていた想いが明らかとなったとき
彼女の健気さ、いじらしさがまた一層際立ちます。強気な“イヴ”にも彼女なりの苦悩が
あってのことと分かり“グレン”の爆発しろ感が高まりました。妄想イラストも絶妙です。

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル