2016年10月24日

『青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない』

鴨志田一 先生が贈る青春ストーリー。第7巻は身代わりとなった“麻衣”の死を受け止め
きれない“咲太”が、思春期症候群の力を借りて新しい未来に辿り着く道筋を模索します。
(イラスト/溝口ケージ 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892281-4/


“麻衣”の告別式まで暗澹とした雰囲気が続き流石に泣き言が出る“咲太”の前に現れた
“翔子”。彼女が告げる「咲太君が幸せになるまで、何度だって助けに来る」という想いと
覚悟に得も言われぬ強さを感じます。自身のこともあるはずなのにそこまで出来るのかと。

あの事故が起きる前に舞い戻った“咲太”が自分でも納得できないにも関わらずもう一つ
の選択肢を選ばざるを得ない心境がまたつらい。“麻衣”と居て幸せなはずなのにつらい。
彼を心配するあまり涙する“理央”に驚くと共に、その後のやりとりが印象に残ります。

本当の幸せを諦めきれない“咲太”が更なる可能性に賭けると決め、それを止めることなく
受け止める“麻衣”。やさしさにあふれるみんなの気持ちがどんな結末を導き出したかは
ぜひ読んでご確認いただくとして、ここからどう話を進めていくのか興味津々であります。

posted by 秋野ソラ at 00:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年10月21日

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか11』

大森藤ノ 先生が贈る、一端の冒険者である少年と矮小なる女神が織り成す眷族の物語。
第11巻は名声を失った“ベル”と異端児に対する想いが錯綜する、その結末を描きます。
(イラスト:ヤスダスズヒト 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797388121.html


“ベル”の行動に不信感をあらわにする者、それでも信じようとする者。決意揺らぐ彼に
仲間の支えがあることがどれだけ救いのあることか。その彼の動向を注視する“フィン”
“ヘルメス”“フレイヤ”そして異端児たち。各々の裏の読み合いが緊張感を誘います。

「人造迷宮」に集まる各陣営の駆け引き、繰り広げる勝負の数々。オールスターの競演と
言ってもいいほど熱い展開が続きます。中でも“アイズ”にも決意を貫き通した“ベル”
の気迫と、彼の気持ちに応えた“ウィーネ”の心の成長とその強さには眼を見張ります。

英雄回帰を臨む“ヘルメス”の腹黒い思惑をも吹き飛ばす黒き闖入者。死闘を繰り広げる
“ベル”の「冒険者」ぶりに街の住人も応じてくれる流れは実に良かった。結果として
強くなりたいと願う気持ちを呼び起こした彼の新たなダンジョン・アタックに期待です。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年10月20日

『のうりん13』

白鳥士郎 先生が贈る大人気農業高校ラブコメディ。第13巻は突如いなくなった“林檎”に
戸惑いを隠しきれない“耕作”が、次期位生徒会長に立候補するまでの顛末を描きます。
(イラスト:切符 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797389425.html


電話相談やファンレター騒動など“バイオ鈴木”の活動著しい様子に笑わされる一方で、
「農フーズ」で廃棄物の転売問題でシリアスな現状を、分かりやすく伝えてくる。まさに
本作の真骨頂。そして“ベッキー”が要所で絡み、暴走していくあたりも同様に(笑)。

芸能界に電撃復帰した“林檎”をモニター越しに見届ける“耕作”。やせ我慢なのは承知
の上でこのまま農林高校での日々を過ごすのか・・・と思いきや、やはり仕掛けてきました。
ぜひ突き抜けてほしい所です。それにしても生徒会長の役割、そこまで無いものなのか。

もう一つ注目すべきは、バレンタイン終了の嵐が吹き荒れる農林高校で勢いとは言え遂に
その想いを伝え、両思いであることを認識、周知させたあの顛末。相手がそんなそぶりを
全然見せてなかったので驚きです。ということで次巻はいよいよ最終巻。待ち遠しいです。

posted by 秋野ソラ at 00:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年10月19日

『姫騎士がクラスメート! 4』

EKZ 先生が贈る異世界転生ハーレムバトル。第4巻は決別した“オルト”と対峙するため
決心した“リルナ”の想いと体を受け止める“トオル”が物語を大きく動かしていきます。
(イラスト:吉沢メガネ 先生)

http://ktcom.jp/bn/bn025/


“トオル”の隷属術式をも跳ね返してしまう“リルナ”をどう従えるのか。答えはすでに
出ておりましたが、いざ実践となると至難の業。それを体を重ねる欲望も含めて実現する
彼の生き様が実に素直でよろしい。彼女の決心に繋がる昔話がまた純真でいじらしいです。

“オルト”との対峙の果てに彼女が抱えていた悲願を叶える手助けもするなど“トオル”の
株がまた一つ上がる結果に。それを受け“ナナ”や“リルナ”もハーレム参戦で“キリカ”
の心穏やかでない心情、それがダダ漏れになる場面が琴線に触れます。ここまで来たかと。

魔隷術師として更なる高みを目指す“トオル”の耳に届く、破天の骸がもたらす魔界騒乱の
兆し。魔界の勢力図が書き換わる、その局面の鍵を握る、謎多き“ベル=フォイゾン”公。
“ベル”の思いもよらぬ秘密を握った“トオル”たちはどう巻き込まれるのか、注目です。

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2016年10月18日

『公爵令嬢は騎士団長(62)の幼妻 2』

筧千里 先生が「小説家になろう」にて発表していた、歳の差ラブロマンス作品の書籍化。
第2巻は“いい女”になるため騎士団入りを希望する“キャロル”が一波乱を起こします。
(イラスト:ひだかなみ 先生)

http://kadokawabooks.jp/product/87/


家族から当然、猛反対を受ける“キャロル”。そもそも運動神経に疑問を残す彼女が騎士
になれるのか。その抜け道を母は見抜いておりました。娘に理解のある良いお母様です。
予想外な所から“ヴィルヘルム”を悩ませた彼女も心苦しさを覚えますがへこたれません。

そんな中“キャロル”のもとを訪れた学園時代の親友“リリア”。これまでの経緯を知った
彼女が紅茶を吹き出すほど驚くのも無理はなく。でもそのやり取りに互いを思う気持ちが
見える様子が実に微笑ましく。何やかんや言いながら“キャロル”を手助けするあたりとか。

才能を買われてお仕事をすることになった“キャロル”が遭遇したある現場での手助けが
ある人物の騎士道精神を呼び起こすことに。これは“ザック”も色々な意味で報われない。
「いい女」として認め、認められた彼女が次に何をしでかすのか楽しみな所であります。

posted by 秋野ソラ at 00:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル