2016年09月09日

『S級御曹司たちがゆく、異世界契約支配者生活《ルーラーズ・ライフ》』

『最弱無敗の神装機竜』の 明月千里 先生が贈る新作は異世界転生ファンタジー。向かう所
敵なしの御曹司が、金がものを言う異世界でもその才能を発揮する支配者生活の始まりです。
(イラスト:蔓木鋼音 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797387308.html


何をさせても最高の結果を残す大財閥の「最高位の御曹司」として広く知られる“シン”。
突如発生した怪現象を経て、気がつけば異世界でギルドを営む“セルティ”に助けられた
彼はその窮状を見かねて代行役として、交渉人として、そして指導者として力を振るう──。

「現代の三強」として現代世界を極めた“シン”のほか“冥夢”“凛紅”も共に異世界へと
放り出されていて、同じように才能を存分に発揮して異世界をも謳歌する勢い。あてもない
3人が仕方なく手を取り合い弱小ギルドを救っていく過程は爽快感を味わえるかと思います。

神々の通貨「霊貨」によってあらゆることが成り立つ世界「オーバーガイア」だからこその
戦い方、そして“セルティ”が弱小ギルドの地位に甘んじるその理由に“シン”が気づいて
からの展開が熱く、彼の生き様をも変えていく様子は見どころ。オススメできる作品です。

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2016年09月08日

『今日から俺はロリのヒモ!』

『異世界とわたし、どっちが好きなの?』を上梓した 暁雪 先生が贈る新作は、何となく
漫画家を目指す少年が、美少女小学生たちと甘いヒモ生活を過ごす勝ち組人生を描きます。
(イラスト:へんりいだ 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1458


担当編集がついた漫画家の卵“ハル”は、画力はあるものの、それ以外はいま一つの状態。
打合せ帰りに出会った少女“藤花”は彼の大ファンであると共に、投資などで財を成す超
お金持ち。パトロンになると言う彼女の誘いに飛びついた彼の生活は一変することに──。

“藤花”とのヒモ生活にどっぷり浸かる“ハル”のダメ人間っぷりを蔑みつつ、彼に献身
する彼女の一途さに「もっとイイ男いるでしょ・・・」と憐れみたくなる日常が続きます。
もちろん、その献身に繋がる想いはありますので読んでご確認いただければと思います。

監査にきた同級生の“千鶴”や“紗那”もいつの間にか騙され・・・もとい懐柔される始末で
ダメ人間っぷりを加速させていく“ハル”は、納得のいく漫画を描くことが出来るのか。
そのあたりも焦点になるかと。それにしても へんりいだ 先生のイラストが実にエロい。

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2016年09月07日

『だからお兄ちゃんと呼ぶなって!』

『四百二十連敗ガール』の 桐山なると 先生が贈る新作はドメスティック・ラブコメディ。
記憶を失った兄と、彼の回復を願い過剰な愛を注ぐ妹との、奇妙で異常な関係を描きます。
(イラスト:あなぽん 先生)

http://fbonline.jp/08shinkan/08shinkan.html#_02


ベッドで目が覚めた“アキ”に飛びついてきた少女。妹の“萌々”だと言うが記憶はなく。
記憶喪失と診断され日常生活で回復を図る彼が登校すると過去の所業ゆえに嫌われまくり。
家に帰ってみると妹の日記をつけていることも判明し、自分の謎は深まるばかりで──。

記憶を失う前の“アキ”の言動はいかばかりか、というエピソードの数々に読み手も驚く
ばかりです。“萌々”の好きすぎる兄への想いも気になるばかり。風当たりは強くても
面倒は見てくれる“真咲”や委員長の“紗良”に助けられる場面がまさに救いとなります。

記憶が戻らない兄にしびれを切らす“萌々”。記憶が戻らないことにいら立つ“アキ”。
衝突してしまう二人に不安感を煽られますが、献身的に寄り添ってくれる彼女の気持ちに
気づいた彼の熱さがそれを払拭してくれます。そしてあのラストカット、超気になります。

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2016年09月06日

『君の名は。 Another Side:Earthbound』

2016年8月に上映開始となったアニメ映画『君の名は。』。その物語をより楽しむための
小編4つを収録したノベライズを、シナリオ協力で参加した 加納新太 先生が上梓します。
(キャラクター原案:「君の名は。」製作委員会 原作:新海誠 先生
 カバーイラスト:田中将賀 先生 イラスト:朝日川日和 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321604000316


まず、この本はぜひ映画館で『君の名は。』を観てから読むことをオススメしておきます。
これまでの 新海誠 監督作品と一線を画すあのラスト、そこへ至る彗星と組紐が織り成す
奇跡の恋愛ストーリー、そして美麗な映像と深く印象に残る音楽を劇場でご堪能ください。

それを踏まえての“瀧”や“三葉”の機微、あの時こういうことを思っていたのか、とか
こんなシーンがあったのか、とかを内心ニヤニヤ堪能しながら読みました。“瀧”くん胸
揉みすぎです(苦笑)。“三葉”も対抗して報復したくなるのも分かるというものです。

その他“勅使河原”の思春期真っ只中な心境が窺えたり、姉を不安視する“四葉”が思わぬ
体験をすることになったり、父“俊樹”の過去と今との豹変ぶりの理由が垣間見えたりと
物語を補完する要素もあり、そういった面でも楽しめること請け合いの一冊かと思います。

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2016年09月05日

『幻影の手術室 ─天久鷹央の事件カルテ─』

知念実希人 先生が贈る新感覚メディカル・ミステリー。第5巻は密室の手術室で透明人間
に殺されたという麻酔医の殺人容疑者に“鴻ノ池”が挙がり“鷹央”たちが動き出します。
(イラスト/いとうのいぢ 先生)

http://shinchobunko-nex.jp/books/180076.html


記録映像に映らない「見えない何か」。“鴻ノ池”が入院した清和総合病院の第八手術室
にまつわる幽霊話。その場所で死んだ麻酔医の死因の謎に加え、同じく手術を受け麻酔の
抜けた彼女の手に握られていたメス。謎はあるものの状況から彼女を送検しにかかる警察。

“鷹央”の介入に釘を刺す警察の裏をかく奇策で“鴻ノ池”から事情を聞き、彼女の心を
支えることになる“小鳥遊”がイイところを魅せます。人間関係も中々気になる点があり
疑わしさは増すばかりですが、得られる情報は限られ彼女の逮捕までも期限が迫ります。

“鷹央”にもたらされたある真実が謎解きを導くのが先か、“鴻ノ池”が逮捕されるのが
先か、手に汗握る展開に引き込まれました。謎解きの爽快感と意外性は圧巻の一言です。
落ち込んでいる“鴻ノ池”も新鮮でしたが、やはり明るく振舞うほうが良いと感じました。

posted by 秋野ソラ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル