『時載りリンネ!』の 清野静 先生が約7年の歳月を経て贈る新作は青春ファンタジー。
「最後の魔女」と関わる少年の、奇妙な出会いと出来事に遭遇するひと夏を描きます。
(イラスト:あすぱら 先生)
【 http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321606000262 】
病床の少女“ロンド”はある野望を持ち、見舞う少年“ログ”はそれを助けると誓う仲。
その彼は「ある写真を撮ってくれたら(ちょっとエッチな)お礼をする」と学校で有名な
美少女“軍乃”の甘言に乗り、命の危険に晒され、しかも隠し事を指摘されてしまう──。
“軍乃”とのあらぬ関係を“ロンド”に疑われたり、“ロンド”のドッペルゲンガーだと
言う謎の黒い影に付きまとわれたり、と踏んだり蹴ったりな“ログ”。それでも想い人の
ためにいろいろと尽力する所に好感が持てます。それを受けての“ロンド”も実に可愛い。
“グラ”と名付けられた黒い影の意図と“ロンド”の運命との関係。そっけない“軍乃”
が見せる緩やかな心境の変化。そして、“ログ”たちが持つ能力に関する決定的な事実。
“ロンド”と“ログ”にとって思わぬ方向に進む話はどこへ向かうのか、気になる話です。
2016年09月16日
2016年09月15日
『いつかの空、君との魔法』
藤宮カズキ 先生の「第21回[春]スニーカー大賞・優秀賞」受賞作。精霊の存在度合いで
左右される魔術文明の世界を常に覆う雲を払う、ある魔法使いの少年少女を描くお話です。
(イラスト:フライ 先生)
【 http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321604000317 】
有翼鯨や箒乗りが空を飛び交う都市アリステル。その力の源となる精霊たちはダスト層雲
に覆われた都市には降りられず雲を払う儀式を行い呼び込む必要がある。その役割を担う
ヘクセの一人“カリム”は幼馴染の“揺月”が示す態度の変化に悩みを抱えていて──。
ある出来事がきっかけで容姿だけでなく生活に支障が出る体質になった“揺月”。彼女の
ことを少なからず想っていて気遣う“カリム”に対し、機嫌の悪い態度を示す“揺月”。
かと思えばあんな行動に至る彼女のちぐはぐさが二人の関係の不安定さを感じさせます。
精霊不足を補う「ミラー・ツリー」完成と共に訪れる異常事態が“カリム”と“揺月”の
関係を解き明かし、解きほぐしていき、そして奇跡の現象を生み出す後半の展開が圧巻。
ぜひ一緒に精霊の漂う夜空に勝る風景を堪能していただきたいと思う素敵なお話でした。
左右される魔術文明の世界を常に覆う雲を払う、ある魔法使いの少年少女を描くお話です。
(イラスト:フライ 先生)
【 http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321604000317 】
有翼鯨や箒乗りが空を飛び交う都市アリステル。その力の源となる精霊たちはダスト層雲
に覆われた都市には降りられず雲を払う儀式を行い呼び込む必要がある。その役割を担う
ヘクセの一人“カリム”は幼馴染の“揺月”が示す態度の変化に悩みを抱えていて──。
ある出来事がきっかけで容姿だけでなく生活に支障が出る体質になった“揺月”。彼女の
ことを少なからず想っていて気遣う“カリム”に対し、機嫌の悪い態度を示す“揺月”。
かと思えばあんな行動に至る彼女のちぐはぐさが二人の関係の不安定さを感じさせます。
精霊不足を補う「ミラー・ツリー」完成と共に訪れる異常事態が“カリム”と“揺月”の
関係を解き明かし、解きほぐしていき、そして奇跡の現象を生み出す後半の展開が圧巻。
ぜひ一緒に精霊の漂う夜空に勝る風景を堪能していただきたいと思う素敵なお話でした。
2016年09月14日
『灰と幻想のグリムガル level.9 ここにいる今、遥か遠くへ』
十文字青 先生が綴る見知らぬ世界の冒険譚。第9巻は寝返った“ランタ”との決別を意識
させられた“ハルヒロ”たちもまた離散していく撤退戦で各々を繋ぎとめる何かを掴みます。
(イラスト:白井鋭利 先生)
【 http://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865541496 】
死闘を繰り広げた“ランタ”と“ハルヒロ”。お調子者の彼がなぜ刃を向けてきたのか、
その真意を図りかねる“ハルヒロ”たちではありますが、彼にも今の立ち位置を選んだ
理由があるワケで。そこがまた少し読み取れる興味深い展開を魅せてきたかと思います。
“ジャンボ”と一時休戦できるか、と思いきや手勢の猛攻に遭い分断された“ハルヒロ”
たちが仲間と過ごしてきた日々の大切さ、絆の重みを認識する挿話の数々。厳しい状況下
ではありましたが、パーティとして生き残るために重要な過程だったのかもしれません。
とか言ってる中で“ハルヒロ”に思わぬ女難の悩みが浮上。“メリイ”が頭を悩ませる
その様子が微笑ましかった。その直後にまたとんでもない敵と遭遇することになってもう
どうなることやら、というところで“ランタ”のあの決断。彼の動向が気になります。
させられた“ハルヒロ”たちもまた離散していく撤退戦で各々を繋ぎとめる何かを掴みます。
(イラスト:白井鋭利 先生)
【 http://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865541496 】
死闘を繰り広げた“ランタ”と“ハルヒロ”。お調子者の彼がなぜ刃を向けてきたのか、
その真意を図りかねる“ハルヒロ”たちではありますが、彼にも今の立ち位置を選んだ
理由があるワケで。そこがまた少し読み取れる興味深い展開を魅せてきたかと思います。
“ジャンボ”と一時休戦できるか、と思いきや手勢の猛攻に遭い分断された“ハルヒロ”
たちが仲間と過ごしてきた日々の大切さ、絆の重みを認識する挿話の数々。厳しい状況下
ではありましたが、パーティとして生き残るために重要な過程だったのかもしれません。
とか言ってる中で“ハルヒロ”に思わぬ女難の悩みが浮上。“メリイ”が頭を悩ませる
その様子が微笑ましかった。その直後にまたとんでもない敵と遭遇することになってもう
どうなることやら、というところで“ランタ”のあの決断。彼の動向が気になります。
2016年09月13日
『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』
『女の子に夢を見てはいけません!』の 恵比須清司 先生が贈る新作はラブコメディ。兄妹
のイチャイチャラブコメを書きラノベ作家になった妹と、それを目指す兄の苦悩を描きます。
(イラスト:ぎん太郎 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321605000256 】
ラノベ作家を目指す“祐”にはよくできた妹“涼花”がいる。でも兄への風当たりは強い。
ある日、兄を溺愛する妹を描いた作品で大賞を取った、と相談された妹の代わりに矢面に
立つこととなった兄の女性関係は激変。それを見聞きした妹の心境は複雑なようで──。
優秀だが、どこか常識はずれな担当編集“篠崎”。“涼花”が書いた作品の面白さを研究
するため“祐”のストーキングに及ぶ級友で同業の“舞”。エロゲンガーも務める美少女
“アヘ顔Wピース”。実にキャラが濃い。地元書店員の“江坂”がまともに見えるくらい。
大賞受賞を誤解を解く契機としたい“涼花”の想いとは裏腹に、“祐”との認識祖語を更に
こじらせていく二人の行く末がどうなるか、作中作の2巻が出るときに明らかとなります。
彼女が素直になればこんなに簡単なことはないのに、と思えるラブコメぶりをご堪能あれ。
のイチャイチャラブコメを書きラノベ作家になった妹と、それを目指す兄の苦悩を描きます。
(イラスト:ぎん太郎 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321605000256 】
ラノベ作家を目指す“祐”にはよくできた妹“涼花”がいる。でも兄への風当たりは強い。
ある日、兄を溺愛する妹を描いた作品で大賞を取った、と相談された妹の代わりに矢面に
立つこととなった兄の女性関係は激変。それを見聞きした妹の心境は複雑なようで──。
優秀だが、どこか常識はずれな担当編集“篠崎”。“涼花”が書いた作品の面白さを研究
するため“祐”のストーキングに及ぶ級友で同業の“舞”。エロゲンガーも務める美少女
“アヘ顔Wピース”。実にキャラが濃い。地元書店員の“江坂”がまともに見えるくらい。
大賞受賞を誤解を解く契機としたい“涼花”の想いとは裏腹に、“祐”との認識祖語を更に
こじらせていく二人の行く末がどうなるか、作中作の2巻が出るときに明らかとなります。
彼女が素直になればこんなに簡単なことはないのに、と思えるラブコメぶりをご堪能あれ。
2016年09月12日
『精霊幻想記 5.白銀の花嫁』
tenkla 先生によるコミック連載が9月からスタートする、北山結莉 先生の異世界転生譚。
第5巻は政略結婚させられる“セリア”の事情を知った“リオ”がそこへ全力介入します。
(イラスト/Riv 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/680.html 】
“美春”たちを連れ、精霊の民が暮らす里に戻ってきた“リオ”。彼女たちの安全も確保
できた所で“雅人”が志願した、守りたいもののための剣術の習得。命のやり取りを含む
その厳しさを突きつけた“リオ”のスゴみが印象的。“アイシア”のフォローも光ります。
久しぶりにベルトラム王国へ足を伸ばした“リオ”は王都の情勢変化を瞬時に把握し恩師
“セリア”が置かれている立場も理解します。嬉しいはずの再会なのに、一方的な別れを
告げた彼女の「本心が見えない」と動き出す彼を応援せずにはいられない事態が続きます。
やってくれた! と拍手を送りたくなる話の落としどころはぜひ読んでご確認のほどを。
“セリア”の花嫁衣裳も素敵ですし、更に満面の笑みを見せる彼女自身もまた素晴らしい。
“弘明”を値踏みする“リーゼロッテ”の様子を気にしつつ、続きを楽しみに待ちます。
第5巻は政略結婚させられる“セリア”の事情を知った“リオ”がそこへ全力介入します。
(イラスト/Riv 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/680.html 】
“美春”たちを連れ、精霊の民が暮らす里に戻ってきた“リオ”。彼女たちの安全も確保
できた所で“雅人”が志願した、守りたいもののための剣術の習得。命のやり取りを含む
その厳しさを突きつけた“リオ”のスゴみが印象的。“アイシア”のフォローも光ります。
久しぶりにベルトラム王国へ足を伸ばした“リオ”は王都の情勢変化を瞬時に把握し恩師
“セリア”が置かれている立場も理解します。嬉しいはずの再会なのに、一方的な別れを
告げた彼女の「本心が見えない」と動き出す彼を応援せずにはいられない事態が続きます。
やってくれた! と拍手を送りたくなる話の落としどころはぜひ読んでご確認のほどを。
“セリア”の花嫁衣裳も素敵ですし、更に満面の笑みを見せる彼女自身もまた素晴らしい。
“弘明”を値踏みする“リーゼロッテ”の様子を気にしつつ、続きを楽しみに待ちます。