『異世界居酒屋「のぶ」』で知られる 蝉川夏哉 先生が「星海社FICTIONS」で新作を上梓。
異世界へ一時入植する5人が思わぬ事態を経て未知なる地を開拓していく顛末を描きます。
(Illustration/はみ 先生)
【 http://www.seikaisha.co.jp/information/2016/07/03-post-radash.html 】
これまでに6つの異世界を発見し順次入植を進めている世界。異世界考古学の俊英に同行
して第五異世界の様子を取材する機会を得たフリーライター“啓太郎”は異世界接続事故
に遭い、見たことのない世界「第七異世界」とその異世界人と直面することになるが──。
元の世界へ戻る術を失った直後は抗えない喪失感を味わう“啓太郎”が、入植団のメンバー
や現地の人々と生きていくため共存を図るうちに「ある目的」が胸中で育まれていく過程が
興味深い展開を見せます。皆が「その世界を生きている」という雰囲気が伝わってきます。
異世界の文化、特に「食」に関する部分に非常に興味があるという 蝉川 先生らしい描写が
ちらほら窺えます。空腹時に読むのは避けた方がいいかも知れません。「ラダッシュ」とは
何なのか。その意味を知り、決断を下した“啓太郎”たちに明日はあるのか、注目です。