萩原麻里 先生が「一迅社文庫」から久々に贈る新作は、ちょっと不思議な学園事件簿。
首を突っ込む“飯田”さんとクールな“小和田”くんの、騒々しい学園生活を描きます。
(イラスト:水月悠 先生)
【 http://www.ichijinsha.co.jp/novel/2016/6/#post-1596 】
猫がいなくなれば一緒に捜索し、指輪をなくしたと聞けば探し、差出人不明のラブレター
を見つけたら相手に興味を持ち、美術部の騒動で犯人探しに乗り出したり、と忙しない
“飯田”さんに巻き込まれる“小和田”くんは、2人で学園の事件解決に乗り出す──。
もっぱらきっかけを作るばかりの“飯田”さんは、どこか憎めない闊達さが魅力の少女。
そんな彼女に呆れながらも付き合う“小和田”くんは、冷静に物事を見極められる少年。
バランスのいい2人組が学園の事件を解決していく連作短編形式の構成が読みやすい。
“小和田”くんも実は嫌々“飯田”さんの無理難題に付き合っているワケじゃない、と
いうことが分かる機微の描写は実にキュンとくるものがありました。もちろん、事件の
意外な謎を紐解いていく過程を描いていく場面も見どころ。これはオススメしたいです。