2016年07月08日

『押し入れの中のダンジョンクラフト ―幸福で不幸で幸福な兄妹―』

『マカロン大好きな女の子がどうにかこうにか千年生き続けるお話。』のからて 先生が
贈る新作は、死んだはずの妹と押し入れのダンジョンで出会う少年の幸不幸を描きます。
(イラスト:namo 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1439


妹“亜紀”の死が受け入れられず、寮で一人暮らしをする“透”。幼なじみの“由美”の
支えもあって妹のいない日常をどうにか過ごす彼の部屋の押し入れがなぜかダンジョンに
繋がっており、その珍妙な空間を歩き続けて辿り着いた先には見慣れた少女の姿が──。

ダンジョンを自由に変えられる能力をもつ“亜紀”との楽しい時間を優先していく“透”。
また「以前の彼に戻ってしまうのでは」と危惧する、“由美”を始めとする周囲の人々。
そこに転校生の“真緒”が加わり、思わし気な彼女の行動が事態を動かしていきます。

“由美”の一途な想いでも動かせない“透”の固い決意。約束を守ってくれて嬉しく思う
反面、兄を想うがゆえに究極の選択を迫られる“亜紀”の決断。切ないけれど、未来を
託された彼を応援したくなる物語でした。雰囲気に合う namo 先生の挿絵も良かったです。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル