2016年07月22日

『蜘蛛ですが、なにか? 3』

かかし朝浩 先生によるコミックス第1巻と同時発売となる、馬場翁 先生の迷宮サバイバル
ストーリー。 第3巻は成長を続ける“蜘蛛子”が宿敵、“地龍アラバ”と遂に対峙します。
(イラスト:輝竜司 先生)

http://kadokawabooks.jp/product/72/
https://web-ace.jp/special/youngaceup/kumo_twitter/


なまじ強くなったものだから敵が寄り付かず困る“蜘蛛子”。それでも“マザー”に遭って
その恐怖を再確認したり、“火龍レンド”を下して更に成長したりしてたら管理者と対面し
「禁忌」LV10になって世界の真実を知る破目に。・・・何だか話が大きくなってまいりました。

一方、地上では勇者になった“シュレイン”が仲間を次々に“ユーゴー”の手玉に取られ、
国を追われる一大事が発生。気持ちの追いつかない彼が国を救う勇者としての気概を持って
苦難に挑む展開が熱い。目下、気になるのは“カティア”の心情の変化です。期待してます。

アラクネになるより先を目指す“蜘蛛子”も地上を目指すにあたり迷宮を調査する人間たち
と遭遇し思う所ありながらもマザーと場外闘争を繰り広げ、同族との争いを軽くあしらい、
そして迎える“地龍アラバ”との死闘はまさに見どころ。巻末挿絵が示すその先に注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年07月21日

『鉢かぶっちゃった姫〜蠣館奇譚〜』

竹岡葉月 先生が贈る新作は、御伽草子「鉢かづき姫」を基にしたボーイミーツガールもの。
ヘッドギアを被る自称ロボット少女に幼なじみの面影を垣間見る少年の奇妙な縁を描きます。
(イラスト:成瀬ちさと 先生)

http://blog.hakkoushuppan.co.jp/category/4356993-1.html


想い人“霧香”がいる生物部の少年“ネコル”。幼き日に忍び込んだ妖怪赤屋敷で遭遇した
実験体に似たヘッドギア少女が高校の正門前でバイクを持ち上げては投げて、こう告げた。
「都市型作戦兵器『渡会ヒカリ』カスタム。今日からこの学校を守りにきました」──。

幼なじみの“ぴーちゃん”はすでに亡く、彼女を元に作られたロボットだという“ヒカリ”。
けれどふとした仕草や考え方に人間としての“ぴーちゃん”を感じる“ネコル”が彼女から
目が離せなくなっていく流れは実に微笑ましい。その分、トラブルにも巻き込まれますけど。

織り込まれる過去の挿話。“ヒカリ”を「回収」しようとする人物の登場。彼女の部屋に
残された意思。点が線で繋がり、“ネコル”が「ポンコツ女」に投げつけた言葉と、それを
受けた彼女の変化はぜひ見届けてほしいところ。成瀬 先生のデザインも良かったです。

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2016年07月20日

『天空監獄の魔術画廊V』

永菜葉一 先生が贈る囚人収集ファンタジー。第5巻は脱獄に失敗し囚人となった“リオン”
たちが再びその機会を得て、迫りくる世界の危機と天空の大監獄に隠された謎に挑みます。
(イラスト:八坂ミナト 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321512000601


看守の“マティーリ”を小気味よく退けた立役者の“フィーネ”。“アルカマリア”署長
の呪縛を愛の力で乗り越えた“アネット”。“シェリー”の提案に乗って世界の王となる
ことを決めた“リオン”に「君に釣り合うため」と公言され、動揺しまくる“キリカ”。

確かに比べてみれば明確な理由がないため、“リオン”の師“イングラム”でも敵わない
“スピカ”をその身をもって封じようとする“レオナ”のあの主張が一段と際立つと共に
胸を打つものがありました。自身が描く幸せの形に従って選んだ彼の選択しも立派でした。

出来ないことを出来るようにする。その信念ゆえに“リオン”が667番目の絵を生み出す
力ともなったワケですが、まさか世界の王になる理由に「それ」が含まれているとは・・・。
4人の女性を幸せにすると宣言し、実現した彼を称えつつ、完結を祝したいと思います。

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2016年07月19日

『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? #02』

枯野瑛 先生が贈る、終末の世界を描くファンタジー作品。「すかすか」に続く新シリーズ
第2巻は“ラキシュ”たちと日々を過ごす“フェオドール”が信条を告げる決意を固めます。
(イラスト:ue 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321604000295


都市としての死が近づくライエル市。まだ生があることを祝う奉謝祭に紛れ込んだ人物が
持ち込んだ「小瓶」が話の軸となります。“リンゴ”と“マシュマロ”という新しい妖精
も加わり賑やかになったかと思えばあの重苦しい結末。枯野 先生、流石に容赦ないです。

面影と立場を変えた“アイセア”に感慨深さを感じつつ、心を見抜かれた“ティアット”
と“ラキシュ”の“フェオドール”に対する機微の描写に微笑ましさを覚えることしきり。
だからこそ彼が掲げる大義、信じる正義、求める未来、生き方に注目が集まるワケですが。

せうかなめ 先生によるコミック連載が「月刊コミックアライブ」にて開始していますし、
そこへ「アニメ化企画進行中!!」という嬉しい知らせを聞き、打ち切りが決まったあの瞬間
からは想像もしないステージへ上がる「すかすか」「すかもか」の今後に期待が掛かります。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年07月18日

『異世界とわたし、どっちが好きなの?』

『ひとりで生きるもん!』の 暁雪 先生が贈る新作はラブコメ。異世界ハーレムを夢抱く
少年が転生に必要なポイントを貯めるべく現世で異世界厨の少女と健闘していく物語です。
(イラスト:へるるん 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1438


美少女だが、どこか近寄りがたい雰囲気を醸し出す“結月”。偶然、異世界ラノベを嗜む
同好の士と知った“翼”だが夢を語った瞬間、呆れられる。その後、転移の機会を得た彼
であったがSPなるポイントが足りず、試練を課される。それは彼女も同様なようで──。

SPを貯めるため、仕方なく「異世界転移同盟」を組むことに同意した“結月”。ぼっちで
あるが故に始まった試練を経て、少しずつクラスメイトとの、そして“翼”との距離感を
縮めていく展開が、こそばゆくて実に良いですね。もちろん、彼から見た機微も含めて。

ロリでおっちょこちょいな“女神さま”に再び異世界へ転移する機会を与えられた“翼”
が思い描く「最高の幸せ」の変化が、そのまま本作のタイトルに対する回答へと繋がる
展開はまさに見せ場と言って良いでしょう。異世界で過ごす2人の幸せを願いたい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル