2016年07月29日

『第七異世界のラダッシュ村』

『異世界居酒屋「のぶ」』で知られる 蝉川夏哉 先生が「星海社FICTIONS」で新作を上梓。
異世界へ一時入植する5人が思わぬ事態を経て未知なる地を開拓していく顛末を描きます。
(Illustration/はみ 先生)

http://www.seikaisha.co.jp/information/2016/07/03-post-radash.html


これまでに6つの異世界を発見し順次入植を進めている世界。異世界考古学の俊英に同行
して第五異世界の様子を取材する機会を得たフリーライター“啓太郎”は異世界接続事故
に遭い、見たことのない世界「第七異世界」とその異世界人と直面することになるが──。

元の世界へ戻る術を失った直後は抗えない喪失感を味わう“啓太郎”が、入植団のメンバー
や現地の人々と生きていくため共存を図るうちに「ある目的」が胸中で育まれていく過程が
興味深い展開を見せます。皆が「その世界を生きている」という雰囲気が伝わってきます。

異世界の文化、特に「食」に関する部分に非常に興味があるという 蝉川 先生らしい描写が
ちらほら窺えます。空腹時に読むのは避けた方がいいかも知れません。「ラダッシュ」とは
何なのか。その意味を知り、決断を下した“啓太郎”たちに明日はあるのか、注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年07月28日

『マンガの神様(4)』

蘇之一行 先生が贈る、マンガをテーマにした青春ラブコメ。第4巻は遂に連載が決まった
かと思えば思いも寄らぬ試練を課される“伊織”。漫画を描くことへの意義を問われます。
(イラスト/Tiv 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892197-8/


どんだけ編集長に嫌われてるの“伊織”は? と思わせる出だしから始まる最後の試練。
「何のために面白いマンガを描くのか」自身の存在意義を問うような質問に明確な答えを
示しきれぬまま、悩みを抱えつつ部活で制作したマンガの頒布に力を注ぐことになります。

“みもり”先生のみならず“翔太郎”や“夜桜”からも面白さを認められたマンガをどう
手に取ってもらうか試行錯誤する展開はまさに青春そのもの。そこへ“萌黄”の帰国騒動
に加え“伊織”が告白を受け、更に現場を“楪葉”に盗み見られてしまうのだから悶絶級。

“萌黄”への返答、そして編集長に対する回答。鍵を握るのはやはりあの人物というのが
“伊織”らしい。回答に合わせて編集長の思惑も明かされ、納得のまとまり方を示して
くれました。彼らに幸あらんことを願いつつ、無事の完結を心より祝いたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年07月27日

『ガーリー・エアフォースVI』

夏海公司 先生が贈る戦闘機×美少女ストーリー。第6巻はモンゴルで見つかった日本製の
F-15J、それも千年前の機体の謎に迫る“慧”たちにロシアのアニマ三人娘が対峙します。
(イラスト/遠坂あさぎ 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892188-6/


前巻の戦いを経て「ザイ」というものに対する見方を変えざるを得なくなった“慧”たち。
“八代通”との議論は実に興味深い内容でしたが、裏付けるものがなく仮説の域は出ず。
そこへ戦闘機F-15Jの発見と、その発掘にまつわる様々な思惑に直面することになります。

少数精鋭で降り立つモンゴルの地で身の危険を感じることになる“慧”。敵意むき出しの
アニマ三人娘に出会ったのもその時。その中で“ディー・オー”のみ元となる機体が不明
なことが大きな伏線になります。“ファントム”がまさかあんな態度を見せるとは・・・。

少しずつ手に負えなくなる事態に“イーグル”や“ラファール”も投入することになる
日本勢。緊迫の度合いが高まる中で、ついに“慧”が一歩踏み出す形に。良くやったと
思う一方で、“イーグル”や“グリペン”に訪れる変化が何を意味するのか気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:28 | Comment(0) | TrackBack(1) | ライトノベル

2016年07月26日

『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインV -サード・スクワッド・ジャム ビトレイヤーズ・チョイス〈下〉-』

時雨沢恵一 先生が贈る、川原礫 先生の世界観「GGO」を元にした痛快ガンアクション作品。
第5巻は裏切り者チームが待ち受ける巨大豪華客船で“レン”たちが死闘を繰り広げます。
(イラスト/黒星紅白 先生 原案・原作/川原礫 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892110-7/


これまでの戦闘をくぐり抜け生き残った各チームから1人ずつ選ばれて結成されたチーム
「ビトレイヤーズ」。様々な思いを胸にチームを抜けてきた面々の思惑をも蹂躙していく
“ピトフーイ”のやりたい放題ぶりが豪快です。清々しいほどに敵役を演じてくれます。

水が押し寄せてくる恐怖がやがて巨大豪華客船の沈没秒読みへと切り替わっていく緊張感。
次々と倒されていくプレイヤーたちを確かめながら“ピトフーイ”に迫っていく“レン”。
そして明かされる裏切りの真実。“レン”が激怒するのはちょっとお門違いかもですが。

要所でイイ場面を見せてくれる“エヴァ”“フカ次郎”そして“ピトフーイ”。特に“レン”
に対する気持ちを吐露した“ピトフーイ”の意外な一面を垣間見れたのは印象深かった。
それでも容赦なく“レン”が彼女を殺しにいく姿勢には称賛。「SJ3」も楽しかったです。

posted by 秋野ソラ at 00:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年07月25日

『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンX』

宇野朴人 先生が贈るファンタジー戦記。 大台に乗る第10巻はキオカ共和国に防戦一方で
追い込まれていく“シャミーユ”たちを、表紙にも遂に帰ってきたあの男が救い出します。
(イラスト/竜徹 先生 キャラクターデザイン/さんば挿 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892196-1/


“イクタ”がいる、ただそれだけで得られる安心感を久々に味わえたのがまず嬉しい所で。
“シャミーユ”への態度にも遠慮がなくなって吹っ切れた様子にも思わずニヨニヨします。
早速釘を刺しに来た“トリスナイ”も容赦無い。そこでの彼女の反応がまたたまりません。

もちろん敵方の“ジャン”にとってすれば面白くない状況に。でも、そこが読み手として
待ちに待った知略の応酬へと繋がるワケです。話が進んでいくうちに帝国軍の士気が上昇
していく過程がこれまた楽しい。その裏で“ハロ”があれこれと暗躍を続けていきます。

そして、ずっともやもやしていた“ハロ”に対して言及する“イクタ”。まさに一騎打ち
とも言える彼女とのやりとりに繋げられたのは彼を支える知識ゆえ。まさに今巻の見所。
経緯ゆえに新たな人物が帝国を支えることになりますが、また一癖ありそうで楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル