2016年05月18日

『近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係』

『黒崎麻由の瞳に映る美しい世界』の 久遠侑 先生が贈る新作は恋愛ストーリー。17歳の
少年が親戚の美少女が同居することで2人の、周囲の関係が変化していく様子を描きます。
(イラスト:和遥キナ 先生)

http://fbonline.jp/08shinkan/08shinkan.html#_02


仕事で海外に行く母親の元を離れ、通う女子高に近い“健一”の家に居候することとなった
“里奈”。一人暮らしをしている兄の“隆一”からは「ぜったい手を出すなよ」と言われる
ものの、黒髪の美少女で女子高育ちな無防備さを見せる彼女を意識せざるを得ない訳で──。

誤解を招くことを恐れ、同居していることを同級生に知られたくない“里奈”と“健一”。
彼女は友人の“愛子”に知られ、彼は幼なじみの“由梨子”に知られることとなりますが、
特に後者との関係が大きく揺らいでいく過程が実に分かりやすくてこそばゆい感じです。

女性関係にちょっとだらしない“隆一”が気づいた“由梨子”の心情の変化。しかしそれに
気づかない“健一”だからこそあの梅雨明けの日を迎えてしまうのがこの物語の肝でしょう。
和遥 先生の挿絵も作品、登場人物の雰囲気に合致しており好感触。続きが気になる話です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル