『勇者イサギの魔王譚』等を世に送る みかみてれん 先生の「カクヨム」発表作が書籍化。
病気の娘を救うため力をふるう母、母娘なのに同年代な美少女2人の苦難の旅を描きます。
(イラスト:夜汽車 監修:桝田省治 先生)
【 https://www.enterbrain.co.jp/product/mook/mook_bungei/213_other/15226501.html 】
【 https://kakuyomu.jp/works/4852201425155017551 】
動物を魔物に変異させ、人を死に至らしめる伝染病が蔓延する世界。絶望が世に広がる中、
英雄医師により感染を防ぐ新薬が開発されるも効果、数ともに十分ではなく。薬を常用する
金髪の美少女“サラ”のため、銀髪の美少女“リリス”は母として今日も刀を振るう──。
母と娘を演じることとなった“リリス”と“サラ”の壮絶な生い立ち。それを知るほどに
“リリス”が力ずくでも薬を確保しにかかるのも分かる一方、記憶がない“サラ”にとって
戸惑いを拭えないのも理解できるワケで。2人の愛、その深さの乖離が何とももどかしい。
辿りついた「英雄の国」。英雄医師の一人が治めるその国で出会った“カシム”に感化され
母への不信感をあらわにする“サラ”、その反抗に苦悩する“リリス”。2人はどうなるか
気になる展開が見どころであるかと思います。2人の旅の行方に注目しておこうと思います。
2016年05月17日
2016年05月16日
『薬屋のひとりごと5』
花街育ちの少女が毒見役として宮廷内で難事件を解決していく様子を描く、日向夏 先生の
シリーズ第5巻。一介の薬屋なはずの“猫猫”が羅一族の宿命に巻き込まれていきます。
(イラスト:しのとうこ 先生)
【 http://herobunko.com/books/hero14/3956/ 】
多感な“趙迂”というクソガキを相手にしつつ薬屋稼業にいそしむ“猫猫”。彼が食べた
イナゴから蝗害の兆しを察したところを見て、人知れず動き出すあたりはいつものこと。
それを契機に、子一族の反乱から落ち着きを取り戻した都に不穏な動きが見え始めます。
お忍びで“猫猫”のもとを訪れる“壬氏”。すっかり気を許すそぶりを見せるも、彼女は
至って観念する気配はなく。しかし、彼の立場が変化したことを受けてお世継ぎの問題は
避けて通れないのが筋。迫る彼の熱量をかわす彼女に心変わりは訪れるのか気になります。
今回は市井の中で毒物が見え隠れする所や、仙術を使うという“白娘々”の見世物のタネ
明かしなど、日常にある脅威の発露が興味深いところ。印象に残ったのは、この世界観で
どう親子関係を調べ、納得させるかでした。無茶な依頼に良い切り返しだと思いました。
シリーズ第5巻。一介の薬屋なはずの“猫猫”が羅一族の宿命に巻き込まれていきます。
(イラスト:しのとうこ 先生)
【 http://herobunko.com/books/hero14/3956/ 】
多感な“趙迂”というクソガキを相手にしつつ薬屋稼業にいそしむ“猫猫”。彼が食べた
イナゴから蝗害の兆しを察したところを見て、人知れず動き出すあたりはいつものこと。
それを契機に、子一族の反乱から落ち着きを取り戻した都に不穏な動きが見え始めます。
お忍びで“猫猫”のもとを訪れる“壬氏”。すっかり気を許すそぶりを見せるも、彼女は
至って観念する気配はなく。しかし、彼の立場が変化したことを受けてお世継ぎの問題は
避けて通れないのが筋。迫る彼の熱量をかわす彼女に心変わりは訪れるのか気になります。
今回は市井の中で毒物が見え隠れする所や、仙術を使うという“白娘々”の見世物のタネ
明かしなど、日常にある脅威の発露が興味深いところ。印象に残ったのは、この世界観で
どう親子関係を調べ、納得させるかでした。無茶な依頼に良い切り返しだと思いました。
2016年05月13日
『セブンスターズの印刻使い 3』
涼暮皐 先生が贈るダンジョン系王道ファンタジー。第3巻は“シャル”たちをあしらう
“ピトス”に割り込む“アスタ”が彼女の治療魔術師と思えぬ技能と本音にぶつかります。
(イラスト/四季童子 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/660.html 】
“ピトス”の強さがケタはずれなことと、かなり容赦のない性格に若干引き気味にはなる
ワケですが、そこに至る背景を考慮すると致し方ない所もあります。ボコボコにした相手
に責任を取ってもらう、というのも剛毅ですが果たして彼にその甲斐性はあるのか否か。
七星旅団を目の敵にする七曜教団の要員が次々に登場しては怪我にまみれる“アスタ”。
場当たり的に対処する彼を他所に、フットワークの軽さと奇知を武器に気になる情報を
次々と掴む“メロ”の活躍が光ります。その上をゆく魔法使いは謎が多いままですが。
“メロ”の機転から“アスタ”たちの窮地を救うことになる「あの人」の振舞い。まさに
驚異かつ脅威。“マイア”のネーミングセンスが微笑ましい。七曜教団の確執が本格化
することを予感させたかと思えば“アスタ”にまさかの事案発生。続きが気になります。
“ピトス”に割り込む“アスタ”が彼女の治療魔術師と思えぬ技能と本音にぶつかります。
(イラスト/四季童子 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/660.html 】
“ピトス”の強さがケタはずれなことと、かなり容赦のない性格に若干引き気味にはなる
ワケですが、そこに至る背景を考慮すると致し方ない所もあります。ボコボコにした相手
に責任を取ってもらう、というのも剛毅ですが果たして彼にその甲斐性はあるのか否か。
七星旅団を目の敵にする七曜教団の要員が次々に登場しては怪我にまみれる“アスタ”。
場当たり的に対処する彼を他所に、フットワークの軽さと奇知を武器に気になる情報を
次々と掴む“メロ”の活躍が光ります。その上をゆく魔法使いは謎が多いままですが。
“メロ”の機転から“アスタ”たちの窮地を救うことになる「あの人」の振舞い。まさに
驚異かつ脅威。“マイア”のネーミングセンスが微笑ましい。七曜教団の確執が本格化
することを予感させたかと思えば“アスタ”にまさかの事案発生。続きが気になります。
2016年05月12日
『六畳間の侵略者!? 22』
健速 先生が贈る人気シリーズ。通算24冊目は惑星アライアへの大気圏突入で分断された
“孝太郎”たちが仲間と合流し、皇国軍に反抗する「黄金の姫と青き騎士編」第2弾です。
(イラスト/ポコ 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/658.html 】
まず“ゆりか”の活躍が目覚ましい。ミスもありますが、縁が助けてくれる心温まる展開
で魅せてくれます。同行する“ティア”の護衛騎士が思い人だと知る“ルース”の父親、
これが実に理解のある方で素晴らしい。“エルファリア”が信頼を置くのも分かります。
仲間と合流する間に“ヴァンダリオン”が繰り出す非道の策。“ティア”の怒りを鎮める
“孝太郎”の前に現れた意外な人物から提示された想定外の対抗策。思わぬ形で戦うこと
となる彼らの活躍ぶりに注目です。未来につながる“静香”の意味深長な発言も併せて。
今回読んでいて思わず涙腺が緩みそうになったのが、自分の想い人が如何に難攻不落で
あるかを告げる“ルース”と父親とのやりとり。遂にここまで来たかと思うと感慨深い
ものがあります。幼い子供が撮った動画もいよいよ意味を成してきて続きが楽しみです。
“孝太郎”たちが仲間と合流し、皇国軍に反抗する「黄金の姫と青き騎士編」第2弾です。
(イラスト/ポコ 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/658.html 】
まず“ゆりか”の活躍が目覚ましい。ミスもありますが、縁が助けてくれる心温まる展開
で魅せてくれます。同行する“ティア”の護衛騎士が思い人だと知る“ルース”の父親、
これが実に理解のある方で素晴らしい。“エルファリア”が信頼を置くのも分かります。
仲間と合流する間に“ヴァンダリオン”が繰り出す非道の策。“ティア”の怒りを鎮める
“孝太郎”の前に現れた意外な人物から提示された想定外の対抗策。思わぬ形で戦うこと
となる彼らの活躍ぶりに注目です。未来につながる“静香”の意味深長な発言も併せて。
今回読んでいて思わず涙腺が緩みそうになったのが、自分の想い人が如何に難攻不落で
あるかを告げる“ルース”と父親とのやりとり。遂にここまで来たかと思うと感慨深い
ものがあります。幼い子供が撮った動画もいよいよ意味を成してきて続きが楽しみです。
2016年05月11日
『クラスまるごと人外転生2 ―クラスの骸骨参謀になった俺―』
鰤/牙 先生が贈るモンスター転生ファンタジー。第2巻は元の世界に戻る術を模索する中
出会った異世界の少女が、転校生として“恭介”たちに様々な知識と事実をもたらします。
(イラスト/すがのたすく 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjnovels/lineup/detail/37.html 】
ダンジョン探索に限界を感じつつある中、協調性の無さゆえに“竜崎”たちを困惑させる
“犬神”が“恭介”たちに「アイツに気を許すのはやめておけ」という意味深長な忠告が
この物語の謎を解き明かす鍵となることにまず驚かされます。その真意はまだ不明ですが。
注目を浴びるも役立たずな“セレナーデ”が、ある局面を迎えてから状況を一気に動かす
存在となる過程が印象的。すがの 先生が要所で挿絵の後押しをします。彼女が“竜崎”と
“恭介”が似て非なる者と指摘するその意味も、後々で思わし気な様相を見せてきます。
異世界に転生してきたその意味を、異世界でどう生きていくのかを改めて考えさせられる
“竜崎”たち。“セレナーデ”が襲われた「赤い翼の悪魔」の真実を見せつけられたとき
“恭介”の立場も変革の時を迎えます。「アイツ」から語られる真実が気になる所です。
出会った異世界の少女が、転校生として“恭介”たちに様々な知識と事実をもたらします。
(イラスト/すがのたすく 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjnovels/lineup/detail/37.html 】
ダンジョン探索に限界を感じつつある中、協調性の無さゆえに“竜崎”たちを困惑させる
“犬神”が“恭介”たちに「アイツに気を許すのはやめておけ」という意味深長な忠告が
この物語の謎を解き明かす鍵となることにまず驚かされます。その真意はまだ不明ですが。
注目を浴びるも役立たずな“セレナーデ”が、ある局面を迎えてから状況を一気に動かす
存在となる過程が印象的。すがの 先生が要所で挿絵の後押しをします。彼女が“竜崎”と
“恭介”が似て非なる者と指摘するその意味も、後々で思わし気な様相を見せてきます。
異世界に転生してきたその意味を、異世界でどう生きていくのかを改めて考えさせられる
“竜崎”たち。“セレナーデ”が襲われた「赤い翼の悪魔」の真実を見せつけられたとき
“恭介”の立場も変革の時を迎えます。「アイツ」から語られる真実が気になる所です。