2016年05月31日

『私、能力は平均値でって言ったよね!(1)』

FUNA 先生が「小説家になろう」にて発表していた人気作が書籍化。優秀ゆえに掛けられる
周囲の期待を重く感じた少女が異世界で平凡な生き方を望む顛末と、その結果を描きます。
(イラスト:亜方逸樹 先生)

http://www.es-novel.jp/booktitle/24heikinchi.php
http://ncode.syosetu.com/n6475db/


「彼ら」の意思を上回る運命改変の危機を、身をもって救った“海里”。そのお礼として
魔法が使える実験的な世界への転生を許された彼女が「能力は、平均値でお願いします!」
と力強く願う様子に「彼ら」も戸惑いを隠せないまま、それを叶えてあげるのだが──。

データの特徴を示す指標の一つである平均値。そのデータの中に桁外れな異常値が紛れて
いたとしたら? というのが物語の軸となります。友達がいなかったこと、何よりも自身の
能力が仇となって目立ちたくないのに注目を集めてしまう“海里”こと“アデル”が面白い。

“マルセラ”たちと仲良くなったかと思ったら離れなければならなくなったり、新天地にて
“レーナ”たちと色々やらかしたり、と全体的にコミカルでサクサク進んでいく読みやすい
物語に仕上がっています。うっかりS級ハンターにならないか、注意深く見届けたい所です。

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2016年05月30日

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか10』

大森藤ノ 先生が贈る、一端の冒険者である少年と矮小なる女神が織り成す眷族の物語。
第10巻は知性あるモンスターとの関係について“ベル”や冒険者たちに問いかけます。
(イラスト:ヤスダスズヒト 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797386776.html


“ベル”たちと別れ「異端者」たちと行動を共にする“ウィーネ”の心は曇り模様。そこへ
“ディックス”たち狩猟者が襲いかかり、仲間たちは殺され彼女は攫われてしまう。ついに
“グロス”たちの怒りが爆発。18階層にあるリヴィラの街が壊滅するという痛ましい事態に。

ダンジョン侵入禁止が通知され、緊張感が一気に高まる中、守るべきは人間か「異端者」か
を“ベル”に問いかける場面が発生します。“ディックス”の言動がどこまでも無慈悲です。
あの“ウィーネ”を受け止める姿に“ベル”の本心が込められているかと思うと胸熱く。

そして400ページの見開き、更にその前後の描写には思わず目頭が熱くなりました。「愚者」
という章題も絶妙です。しかしながら、“ベル”が選んだ選択肢は皆にとって決して満足の
いくものではなく、それがまたもどかしい。彼の行動が報われる日を願い、次巻を待ちます。

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2016年05月27日

『アリアンロッド2E・リプレイ・ストレンジャーズ 〜異世界で冒険者になろう〜』

菊池たけし 先生/F.E.A.R. が贈る、改訂版「アリアンロッドRPG 2E」の初リプレイ集。
異世界トリップものを実現するための新種族「アーシアン」を用いた物語が綴られます。
(イラスト:佐々木あかね 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=321512000584


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  GM:「ゲームと一緒にしないでもらおう! 僕はこの学園の秩序を守るために
      言ってる! ルールを遵守できない人間はこれだから困る!」
  クロウ:ゲーマーはルールを遵守するものだ。ただ間違ったルール、
      応用の利かないルールには従えない。
  GM:「ほう・・・・・・」
  クロウ:いいか? ───ゲームは、遊びじゃねぇんだよ。
  フジヤマ:おお、名台詞デスよっ!? メモしておかなくちゃ!(一同爆笑)
  ルイン:うむ、すばらしい言葉だ・・・・・・! ガートルード様も感嘆しておられる。
  菫:いや、クロウくん・・・・・・それはちょっとだめな人だよ・・・・・・(笑)。
 _____________________________________


声優 庄子裕衣 さんが演じる、演歌歌手志望の“菫”、ゲーマー会社員 浅見正義 さんが
演じるMMO廃人ゲーマー“クロウ”、大畑顕 先生が演じる地球世界を憧憬する“フジヤマ”、
丹藤武敏 先生が演じる地球の薬に地位を追われた神官“ルイン”が今回登場するパーティ。

親友の“みさと”と訪れた秋葉原からエリンディル大陸へ飛ばされた“菫”が異世界に戻る
術を求め仲間と共に迷宮に挑んだり、武闘大会に臨んだりする中で“みさと”が捕らえられ
何かの計画に利用されていることを知り、首謀者を探し出し対応するのが話の筋となります。

TRPG初プレイとなる 庄子 さんの好演を始めとして、和気藹々な雰囲気が読んでいて面白く、
さらに 浅見 さんに緊急事態が発生したり、スペシャルゲストが登場したりとサプライズな
場面も印象に残ります。アーシアンを使ったプレイの参考、一助となる作品かと思います。

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2016年05月26日

『ゴブリンスレイヤー2』

黒瀬浩介 先生による漫画連載もスタートする、蝸牛くも 先生が贈るダークファンタジー。
第2巻は剣の乙女と呼ばれる英雄から依頼された水の街でのゴブリン退治の話を描きます。
(イラスト:神奈月昇 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797387520.html


“受付嬢”の依頼がゴブリン退治ではなくて一度は帰りかける“ゴブリンスレイヤー”の
相変わらずな様子にまずは妙な安心感を覚えつつ、彼らが向かう先は至高神の都。それも
魔神王を倒した金等級の女英雄の元。ゴブリンによる事件が相次ぐことを告げられます。

都の地下、遺跡とも迷宮とも言える場に小鬼たちが潜むと聞き、“ゴブリンスレイヤー”
たちが向かうも数も装備も予想以上で大苦戦。献身する“女神官”が“剣の乙女”の不審
な点に気がつくも、ただひたむきな彼の後を追うことしかできずもどかしさが募ります。

ゴブリン退治を依頼した“剣の乙女”の真意は?「火と、水と、毒気と、内臓は、禁止!」
と“妖精弓手”から釘を刺された“ゴブリンスレイヤー”がとった対応方法は? 今巻も
見どころが多く、冒険からの帰り道に彼のわずかな変化を感じとれるのが印象的でした。

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2016年05月25日

『りゅうおうのおしごと!3』

白鳥士郎 先生が贈る熱血将棋コメディ。第3巻は宿敵に敗れ、更なる進化を求めて修行に
出る“八一”と、焦りが隠せない自身の将棋人生を賭けた“桂香”の生き様を描きます。
(イラスト:しらび 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797388176.html


居飛車党である“八一”が活路を見出すため門を叩いたのが振り飛車党で「捌きの巨匠」
と称される“生石”。一方、降級の淵に立たされた“桂香”は叶わぬ夢を前に将棋と今後
どう向き合うか悩み、相談先として選ぶのが恥を忍んで先生と呼び直す妹同然の“銀子”。

オールラウンダーを目指す“八一”の付け焼刃な振り飛車を、研究に異常な努力を費やす
宿敵“山刀伐”が圧倒しにかかり、更に“銀子”いわく将棋星人たる才能で抗う駆け引き
が熱い。同じように研究を重ねてきた“桂香”の心を動かし同門対決に挑む展開も熱い。

他にも“飛鳥”からは将棋を勉強してどうするのかを、“あい”からは将棋で戦うこと、
そして勝つことの意味を問いかける非常に密度の濃い、実に読み応えのある内容でした。
コミカルもシリアスも描ききる本作を傑作と呼ばず何とするか。次巻も大いに期待です。

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2016年05月24日

『安達としまむら6』

入間人間 先生が贈る「ガール・ミーツ・ガール」ストーリー。第6巻は“しまむら”と
仲直りした“安達”が距離をさらに詰めるべく、ある決意を胸に花火大会へと臨みます。
(イラスト/のん 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865946-8/


“しまむら”を遊びに誘うも祖父母の家に行くと言われ、絶望的な数日を過ごす“安達”。
けれどへこたれず、合間に水着を新調して電話で“しまむら”と出かける約束をしようと
思ったら彼女に写真を送って、とお願いされ恥ずかしくも従うあたりは何とも愛が深い。

祖父母の家で飼われている老犬“ゴン”の仕草や表情に“安達”を感じ取った“しまむら”
は暇な時間を使って彼女の気持ち、そして自分の気持ちについて深く静かに考え抜きます。
達観するかのような、けれど幼いかのような、“しまむら”独特の考え方が印象深いです。

戻ってきた“しまむら”と水着でお風呂に入ったりと相変わらず空回り気味な“安達”の
想いと行動を見て少しずつ、でも唐突に変わっていく“しまむら”の心情。それが祭りの
夜に「まぁ、いいか」と形になったところで2人の関係はどうなるのか実に気になります。

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2016年05月23日

『ストライク・ザ・ブラッド15』

三雲岳斗 先生が贈る大人気学園アクションファンタジー。第15巻は「聖殲編」最終章。
絃神島を滅ぼすと決めた聖域条約機構に対し“古城”と“浅葱”が別々に対抗します。
(イラスト/マニャ子 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865944-4/


“グレンダ”の身を確保すべく聖域条約機構から遣わされた“アラダール”。真っ向から
抗う今の“古城”では勝てないと“イブリスベール”に教えを乞う結果として得た助言、
その意味が彼を第四真祖として更なる成長を遂げる熱い決闘、逆転劇を魅せてきます。

その戦いを“凪沙”が見届けてしまい、遂に“古城”が何者であるかを知るに至ります。
彼を助けるべく力を使う彼女、そしてアヴローラ。助けられるのか、それとも同じ過ちを
繰り返してしまうのか。“古城”の導き出せた答えには胸を熱くするものがありました。

何の因果か“古城”たちと対立することになった“浅葱”が“雪菜”と腹を割った喧嘩を
繰り広げたり、いよいよ報われる時が来たりと微笑ましさを覚える中、“ヴァトラー”と
「わたしたちの聖戦」に臨む2人の強さがやはり最大の見所。第二部の到来を待望します。

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2016年05月20日

『猫と竜』

『神様は異世界にお引越ししました』の アマラ 先生が贈る新作は「小説家になろう」にて
発表した短編作の書籍化。猫に育てられた一匹の竜と猫、そして人間が織り成す物語です。
(イラスト:大熊まい 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=02530101
http://ncode.syosetu.com/s5614b/


「しょしんしゃのもり」で母猫に育てられた火吹き竜はいつしか子猫を育てる立場になる。
ある時、毛皮を狙い大量の猫を殺した人間たちに激怒し、彼らが住む街を報復のため襲撃。
以来、火吹き竜と猫たちは「猫とそれに寄り添う竜」を紋章とする国と共生していく──。

ここで言う猫とは言葉も魔法も使えるケットシーを差します。ほぼ一行一文で構成される
小編の数々は母猫に育てられる火吹き竜の話から始まり、その母猫が別の場所に召喚される
話や、火吹き竜に育てられた猫たちが人間と関わって物語を形成していく話が綴られます。

様々な猫たちが次々とその先を想像させてくれるエピソードを魅せてくれるため、幾らでも
話が続けられそうな可能性を秘めています。また人間に気を許しきることのない火吹き竜が
時を経てその関係を満更でもなく思う変化が微笑ましく映ります。読みやすくオススメです。

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2016年05月19日

『横浜ダンジョン3 世界を変える最初の五人』

瀬尾つかさ 先生が贈るダンジョン・ファンタジー。第3巻は異界神アグナガラグの調査を
進めていく上で発生する魔物の大暴走がエルダー・イービルとの戦いを予感させます。
(イラスト:やむ茶 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321601000556


“響”のちょっとした気遣いの欠如が招いた魔人誕生の瞬間。やむ茶 先生のイラストが
またイイ感じで。女性陣へ、だけでなく自分自身にもその配慮がないことに“冬音”が
泣いて叱責する場面なども印象に残ります。だからこそ彼らしい、とも言えるのですけど。

“シンシア”たちを矢面に立たせて暗躍する“響”の成果もあって“春菜”たちも成長を
遂げ、特殊な状況下とは言えようやく出会えた“ナイルナーシャ”の助力も得て人類最大
の敵と果敢に戦っていく姿は勇ましいものがありました。ここまで来たかという気がして。

もちろん、物語の面白さとして欠かせない、ヒロインたちが形成する奇跡的なハーレム像
もニヨニヨできるものがあって実に微笑ましい。ちょっと物足りない感じでの幕引きと
なりましたがひとまずは無事の完結、お疲れさまでした。次回作に期待したいと思います。

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2016年05月18日

『近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係』

『黒崎麻由の瞳に映る美しい世界』の 久遠侑 先生が贈る新作は恋愛ストーリー。17歳の
少年が親戚の美少女が同居することで2人の、周囲の関係が変化していく様子を描きます。
(イラスト:和遥キナ 先生)

http://fbonline.jp/08shinkan/08shinkan.html#_02


仕事で海外に行く母親の元を離れ、通う女子高に近い“健一”の家に居候することとなった
“里奈”。一人暮らしをしている兄の“隆一”からは「ぜったい手を出すなよ」と言われる
ものの、黒髪の美少女で女子高育ちな無防備さを見せる彼女を意識せざるを得ない訳で──。

誤解を招くことを恐れ、同居していることを同級生に知られたくない“里奈”と“健一”。
彼女は友人の“愛子”に知られ、彼は幼なじみの“由梨子”に知られることとなりますが、
特に後者との関係が大きく揺らいでいく過程が実に分かりやすくてこそばゆい感じです。

女性関係にちょっとだらしない“隆一”が気づいた“由梨子”の心情の変化。しかしそれに
気づかない“健一”だからこそあの梅雨明けの日を迎えてしまうのがこの物語の肝でしょう。
和遥 先生の挿絵も作品、登場人物の雰囲気に合致しており好感触。続きが気になる話です。

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2016年05月17日

『魔少女毒少女 リリスとサラの情炎行』

『勇者イサギの魔王譚』等を世に送る みかみてれん 先生の「カクヨム」発表作が書籍化。
病気の娘を救うため力をふるう母、母娘なのに同年代な美少女2人の苦難の旅を描きます。
(イラスト:夜汽車 監修:桝田省治 先生)

https://www.enterbrain.co.jp/product/mook/mook_bungei/213_other/15226501.html
https://kakuyomu.jp/works/4852201425155017551


動物を魔物に変異させ、人を死に至らしめる伝染病が蔓延する世界。絶望が世に広がる中、
英雄医師により感染を防ぐ新薬が開発されるも効果、数ともに十分ではなく。薬を常用する
金髪の美少女“サラ”のため、銀髪の美少女“リリス”は母として今日も刀を振るう──。

母と娘を演じることとなった“リリス”と“サラ”の壮絶な生い立ち。それを知るほどに
“リリス”が力ずくでも薬を確保しにかかるのも分かる一方、記憶がない“サラ”にとって
戸惑いを拭えないのも理解できるワケで。2人の愛、その深さの乖離が何とももどかしい。

辿りついた「英雄の国」。英雄医師の一人が治めるその国で出会った“カシム”に感化され
母への不信感をあらわにする“サラ”、その反抗に苦悩する“リリス”。2人はどうなるか
気になる展開が見どころであるかと思います。2人の旅の行方に注目しておこうと思います。

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2016年05月16日

『薬屋のひとりごと5』

花街育ちの少女が毒見役として宮廷内で難事件を解決していく様子を描く、日向夏 先生の
シリーズ第5巻。一介の薬屋なはずの“猫猫”が羅一族の宿命に巻き込まれていきます。
(イラスト:しのとうこ 先生)

http://herobunko.com/books/hero14/3956/


多感な“趙迂”というクソガキを相手にしつつ薬屋稼業にいそしむ“猫猫”。彼が食べた
イナゴから蝗害の兆しを察したところを見て、人知れず動き出すあたりはいつものこと。
それを契機に、子一族の反乱から落ち着きを取り戻した都に不穏な動きが見え始めます。

お忍びで“猫猫”のもとを訪れる“壬氏”。すっかり気を許すそぶりを見せるも、彼女は
至って観念する気配はなく。しかし、彼の立場が変化したことを受けてお世継ぎの問題は
避けて通れないのが筋。迫る彼の熱量をかわす彼女に心変わりは訪れるのか気になります。

今回は市井の中で毒物が見え隠れする所や、仙術を使うという“白娘々”の見世物のタネ
明かしなど、日常にある脅威の発露が興味深いところ。印象に残ったのは、この世界観で
どう親子関係を調べ、納得させるかでした。無茶な依頼に良い切り返しだと思いました。

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2016年05月13日

『セブンスターズの印刻使い 3』

涼暮皐 先生が贈るダンジョン系王道ファンタジー。第3巻は“シャル”たちをあしらう
“ピトス”に割り込む“アスタ”が彼女の治療魔術師と思えぬ技能と本音にぶつかります。
(イラスト/四季童子 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/660.html


“ピトス”の強さがケタはずれなことと、かなり容赦のない性格に若干引き気味にはなる
ワケですが、そこに至る背景を考慮すると致し方ない所もあります。ボコボコにした相手
に責任を取ってもらう、というのも剛毅ですが果たして彼にその甲斐性はあるのか否か。

七星旅団を目の敵にする七曜教団の要員が次々に登場しては怪我にまみれる“アスタ”。
場当たり的に対処する彼を他所に、フットワークの軽さと奇知を武器に気になる情報を
次々と掴む“メロ”の活躍が光ります。その上をゆく魔法使いは謎が多いままですが。

“メロ”の機転から“アスタ”たちの窮地を救うことになる「あの人」の振舞い。まさに
驚異かつ脅威。“マイア”のネーミングセンスが微笑ましい。七曜教団の確執が本格化
することを予感させたかと思えば“アスタ”にまさかの事案発生。続きが気になります。

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2016年05月12日

『六畳間の侵略者!? 22』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算24冊目は惑星アライアへの大気圏突入で分断された
“孝太郎”たちが仲間と合流し、皇国軍に反抗する「黄金の姫と青き騎士編」第2弾です。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/658.html


まず“ゆりか”の活躍が目覚ましい。ミスもありますが、縁が助けてくれる心温まる展開
で魅せてくれます。同行する“ティア”の護衛騎士が思い人だと知る“ルース”の父親、
これが実に理解のある方で素晴らしい。“エルファリア”が信頼を置くのも分かります。

仲間と合流する間に“ヴァンダリオン”が繰り出す非道の策。“ティア”の怒りを鎮める
“孝太郎”の前に現れた意外な人物から提示された想定外の対抗策。思わぬ形で戦うこと
となる彼らの活躍ぶりに注目です。未来につながる“静香”の意味深長な発言も併せて。

今回読んでいて思わず涙腺が緩みそうになったのが、自分の想い人が如何に難攻不落で
あるかを告げる“ルース”と父親とのやりとり。遂にここまで来たかと思うと感慨深い
ものがあります。幼い子供が撮った動画もいよいよ意味を成してきて続きが楽しみです。

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2016年05月11日

『クラスまるごと人外転生2 ―クラスの骸骨参謀になった俺―』

鰤/牙 先生が贈るモンスター転生ファンタジー。第2巻は元の世界に戻る術を模索する中
出会った異世界の少女が、転校生として“恭介”たちに様々な知識と事実をもたらします。
(イラスト/すがのたすく 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjnovels/lineup/detail/37.html


ダンジョン探索に限界を感じつつある中、協調性の無さゆえに“竜崎”たちを困惑させる
“犬神”が“恭介”たちに「アイツに気を許すのはやめておけ」という意味深長な忠告が
この物語の謎を解き明かす鍵となることにまず驚かされます。その真意はまだ不明ですが。

注目を浴びるも役立たずな“セレナーデ”が、ある局面を迎えてから状況を一気に動かす
存在となる過程が印象的。すがの 先生が要所で挿絵の後押しをします。彼女が“竜崎”と
“恭介”が似て非なる者と指摘するその意味も、後々で思わし気な様相を見せてきます。

異世界に転生してきたその意味を、異世界でどう生きていくのかを改めて考えさせられる
“竜崎”たち。“セレナーデ”が襲われた「赤い翼の悪魔」の真実を見せつけられたとき
“恭介”の立場も変革の時を迎えます。「アイツ」から語られる真実が気になる所です。

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2016年05月10日

『てらめぐりぶ?』

自称歴史研究者・寺社仏閣ライターでもある 森田季節 先生が知識と経験を総動員して贈る
新作は、帰宅部に入るはずの女子高生が一風変わった部活動に巻き込まれる様子を描きます。
(イラスト/風華チルヲ 先生)

http://blog.hakkoushuppan.co.jp/article/174913768.html
http://moritarail.blog108.fc2.com/


愛久学園に入学した“香深”は、ダラダする時間を求めて帰宅部を希望するもそれは無く。
止む無く文化部を狙う彼女が目にしたのが「寺巡り部」。土日を中心に関東近郊の寺社や
史跡を巡る部だと部長の“舞子”から熱い説明を受ける彼女は思わず顔をしかめるが──。

寺社のことしか頭にない“舞子”や“由良里”、仏像や石に異常な興味を示す“柿生”に
ただ圧倒され、振り回される“香深”の気持ちについつい同調しながら読み進めていくと
“舞子”が言っていた寺巡りの良さを何となく理解できるようになるのだからあら不思議。

寺社のことなんてまるで興味がなくても程よく解説は入りますし、何より彼女たちの日常
を追っていくだけでも楽しめます。挿絵初挑戦となる 風華 先生も、漫画を含めて演出を
アシストしてくれますし読みやすい物語だと思います。続刊が出ても違和感はありません。


#(参考)

#◆元・西八王子大学准教授(歴史学)による『てらめぐりぶ?』解説 ※写真付き
#【 http://togetter.com/li/966455

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2016年05月09日

『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾンIX〈上〉』

川上稔 先生が贈る戦国学園ファンタジー。9話上巻は歴史再現の節目となる本能寺の変を
前にP.A.Oda、三征西班牙、そして武蔵など、様々な思惑が錯綜する様子を描いていきます。
(イラスト/さとやす 先生(TENKY))

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865886-7/


“フアナ”ほか三征西班牙のメンバーを相手にする大事な会議で適用された「京ルール」。
これによる“正純”のややこしい発言などでコミカルな様子を見せつつ、相手の思惑を探り
駆け引きをした結果として戦争を回避する過程がまず最初の山場。実に混乱させられます。

そんな中、“トーリ”と“ホライゾン”の関係に決定的な転機が訪れます。というか、何て
アクロバティックにキメてくるのか、と思わず苦笑い。境界線のエピソードが印象的です。
碑石に関するやりとりにもご注目。“浅間”や“ネイト”が次を務めるのはいつのことか。

創世計画に対する考え方の違いも鮮明になっていく中で始まっていく賤ヶ岳の戦い。安土と
佐久間艦隊の応酬が続く戦いに本能寺の変へ突入する緊張感の高まりを感じつつ、遂にその
姿を見せた“羽柴”。その相貌が意味するものは何かを気にしながら下巻の刊行を待ちます。

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2016年05月06日

『いづれ神話の放課後戦争〈ラグナロク〉3 ─魔眼の王と神冥裁判─』

なめこ印 先生が贈る学園ヒロイックバトルサーガ。第3巻はつかの間の安息を堪能する
間もない“雷火”たちに、島全域を死で覆う“オシリス”の神冥裁判開廷の時が迫ります。

(イラスト:よう太 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321601000519


疲労の重なる身をレジャープールでリフレッシュを図ることになる“雷火”が“天華”と
遊ぶ羽目に陥ったり、“涙々”や“マリア”の板挟みになったり、“ブリュンヒルデ”と
“シャロ”にアピールされたりと挿絵多めでで羨ましい目に遭います。爆発しろ案件です。

下卑る“バロール”のように楽しむ気概もない“雷火”の前に現れた“オシリス”からの
お誘いをあっさりと断る彼に、容赦のない現実が突き付けられ神冥裁判もあっさりと開廷
されてしまいます。これがまたえげつない内容で彼をあわや、という所まで追い詰めます。

“姫子”に適合した“スサノオ”が要所となる場面で利いてくるところと、ある点に着目
した“雷火”が“オシリス”に一泡吹かせるシーンがやはり見どころ。最後の挿絵も実に
倒錯的でよろしいかと思います。ラストとあとがきはどう活かされるのか気になります。

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2016年05月05日

『アサシンズプライド2 暗殺教師と女王選抜戦』

天城ケイ 先生が贈るファンタジー作品。第2巻は姉妹校と行われる選抜戦の代表選手に
“メリダ”が選ばれるというアクシデントが様々な思惑の渦巻く騒動の引金を引きます。
(イラスト:ニノモトニノ 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321510000401


カバーにマットPP加工、帯に書店員さんのコメントをふんだんに使うなど力の入れようが
すごい本作も順調に2巻が出てまずは何より。今巻は“エリーゼ”が言い放った一言で
ぎくしゃくする関係に悩む“メリダ”と彼女の発言の真意が話の軸の一つを担います。

“メリダ”の育成と秘密隠蔽を気遣う“クーファ”の前に現れた同業で潜入任務が得意な
“ブラック=マディア”。彼女の介入によるものと思われる数々の騒動に彼のみならず
“メリダ”たちも巻き込まれていき、どうにか対応するのが精一杯の状況が続きます。

選抜戦の経緯もあり“クーファ”への想いを高めていく“メリダ”。“エリーゼ”の本心
も受け止めて順風満帆に見える彼女を取り巻く状況は見えないところで深刻な状況を迎え
つつあります。最悪の事態となった場合、彼はもう一つの任務を全うできるのか注目です。

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2016年05月04日

『伊達エルフ政宗』

森田季節 先生が贈る新作は異世界転生×戦国ファンタジー。真田幸村に転生した少年が
出会った眼帯のエルフを後押しし、織田サタン信長に対抗すべく奥州統一を目指します。
(イラスト:光姫満太郎 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797386325.html


悪魔を封印する高度な魔術もある、とされるイヅナ法。それを恐れた“織田サタン信長”に
一族もろとも滅びの道を歩まされる“真田幸村”。彼の執念により魂を入れ替えられた
“勇十”が目にしたのは“伊達政宗”と名乗り眼帯をしているが、エルフの美少女で──。

“正宗”の他“上杉マンティコア謙信”“武田ヴァンパイア信玄”“佐竹アルラウネ義重”
“蘆名ドワーフ盛氏”“北条サキュバス氏直”・・・と戦国大名の勢力図と異種族との関係が
絶妙に組み合わされていて、世界観をしっかりと作りこんでいる点にまず驚かされます。

武将たちも可愛いだけでなく、一癖あるキャラづけがされていて魅力的。“勇十”もつい
うらやまけしからん目に遭います。史実との絡ませ方もひとひねり加わっていて歴史好き
でもそうでなくとも読み応えがあります。興味深いシリーズの登場に注目しておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル