2016年04月29日

『堕天のシレンIII』

上月司 先生が贈る、次世代ヴァーチャルゲームを舞台とするバトルアクション。第3巻は
相手を一撃で撃破できる能力をもつ最強最悪の敵に“朱音”が挑む、最後の戦いを描きます。
(イラスト/さんた茉莉 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865887-4/


“澪”を破るものの瀕死状態の“朱音”を、仇討ちとばかりに強襲する“陣”。荒ぶる彼に
待ったをかける男こそチート級の能力を有する“雷河”。“朱音”とも少なからぬ縁がある
という話から彼の壮絶な生き様が明らかとなります。とてつもなく衝撃的で驚かされます。

強敵との戦いを前にコンビを解消されて、彼の背中をただ見届けるしかなかった“桐子”。
助けられたことを契機に共闘することとなった“将輝”から聞いたあるエピソードが彼女に
ある目的を為す気持ちを奮い立たせます。全くもって素直じゃない、彼女らしい行動です。

共闘するとはいえ、能力としては劣るものばかりの“朱音”たちが“雷河”を相手にどう
勝機を見出だすのか。最後まで裏の裏をかく“朱音”の戦いぶりが見どころで、締め括り
も彼ららしいものとなりました。いつかどこかでその後を描く話など見てみたいものです。

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2016年04月28日

『俺を好きなのはお前だけかよ(2)』

駱駝 先生が贈る「第22回電撃小説大賞〈金賞〉」受賞作のラブコメディ。大反響の中で
刊行される第2巻は“ジョーロ”に新たなラブコメイベントが発生して騒がしくなります。
(イラスト/ブリキ 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865885-0/


“ひまわり”や“コスモス”先輩、そして“サン”ちゃんとギクシャクしていた関係を
何とか修復したかと思いきや、再び見たことのあるようなシチュエーションから“桧奈”、
“あすなろ”とも呼ばれる彼女に三股疑惑をかけられ密着取材を慣行される“ジョーロ”。

学内注目の行事「花舞展」で踊る女性3人の相手役を務めることになった“ジョーロ”に
更なるやっかみとラブコメイベントが殺到し、“あすなろ”にねつ造記事をばら撒かれる
かと戦々恐々する彼の苦労が絶えません。スクールカーストがここでも作用してきます。

“あすなろ”の思惑に気づいた「彼女」の断罪で窮地を乗り越えた“ジョーロ”。花舞展
も彼の予想を外れる形でまとまり一安心、かと思いきや、まだまだあるのかあの夏の日の
出会いは。ラブコメ主人公ぶりに拍車のかかる彼の苦難はまだ続くようで興味津々です。

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2016年04月27日

『ゼロから始める魔法の書VI ―詠月の魔女〈上〉―』

虎走かける 先生が贈るファンタジー作品。第6巻は“十三番”により強制的に戻された
始まりの地「ウェニアス王国」に感じる不穏な空気に“ゼロ”たちが対応を求められます。
(イラスト/しずまよしのり 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865913-0/


“アルバス”付きの“犬面”と再会し旧交を温める中、“十三番”の弟子“ナナ”の強襲
を受ける“ゼロ”。“十三番”には「探しに来れば真実を話す」と告げられ、“アルバス”
には「ウェニアスの王子を攫われて“十三番”に裏切られた」と憤られ、困惑するばかり。

魔法国家樹立一周年の祭を間近に控える王国の内情を見れば教会信者との衝突、魔女の下僕
を志願する獣堕ちによる犯罪の頻発、“アルバス”が王位継承者たちを暗殺したと噂する者
たちの反発と、雰囲気が悪化。その思いがけない理由を再開した“十三番”が明かします。

“傭兵”や“リーリ”に訪れる微笑ましい心境の変化。その余韻を味わう間もなく“サナレ”
の新作魔法に嵌められたり、“犬面”と対峙する羽目に陥ったり、と後手に回る“傭兵”に
怒り心頭の“ゼロ”がどのような反撃を魅せてくれるのか、下巻の刊行が待ち遠しい所です。

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2016年04月26日

『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンIX』

宇野朴人 先生が贈るファンタジー戦記。 第9巻はアルデラ教徒を調査する“マシュー”ら
を罠に嵌める女性の暗躍により“シャミーユ”も含め、新たな窮地に陥る展開を描きます。
(イラスト/竜徹 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865879-9/


帝国に在るアルデラ教徒の高位者に授けられた「聖務」。“マシュー”たちがそれに気づく
こともなくゆっくりと、けれど確実に窮地に陥っていくのがもどかしい。それも皆「彼女」
の思惑どおり進んでいくのだからなおのこと。とんでもない過去と爆弾を抱えたものです。

“エルルファイ”の人たらしぶりにも注目。囚われの身である彼女を必ず救い出すという
“グレーキ”たちの確固たる決意が長い年月を経ても全く衰えることのない点には称賛の
思いが絶えません。状況を把握しきれない“シャミーユ”にも、着実に危機が迫ります。

“アナライ”や“ジャン”、そして「彼女」たちに侵食されていく帝国の平穏。その流れ
は止められないのか・・・という場面であの説得工作。それが実ったときの「ようやく」感と
いったらないですね。早馬を飛ばす彼が間に合うことを願いつつ、次巻の刊行を待ちます。

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2016年04月25日

『ソードアート・オンライン17 アリシゼーション・アウェイクニング』

川原礫 先生が贈る大人気シリーズ。「アリシゼーション編」9冊目となる第17巻は、先行
する“アスナ”に訪れる窮地、現実世界での説得、敵の暗躍、入り乱れる戦況を描きます。
(イラスト/abec 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865883-6/


表紙にある通り“リーファ”や“シノン”が参戦、ということで実に心強いかと思いきや
口絵からいきなり不安要素いっぱいで予断を許さない状況。“ユイ”の願い、“リズ”の
説得は届くのか、というスタート段階からのハードルの高さにまずやきもきさせられます。

強力な能力をもつアカウントで戦いに臨む“アスナ”たちの意気を“ベクタ”たちの策略
そして思わぬ人物たちの介入がことごとく削いでいきます。彼女の悲痛な叫びが胸に響く
かのようで見ていられなくなるほどです。救いはないのか、と暗澹たる思いがよぎります。

更には現実世界でも隠れた不安要素が首をもたげてきてさあ大変、って「コード871」は
そういうことなのかよ! と突っ込まざるをえません。こうなれば一縷の望みを彼に託す
しかないワケですが、最後のあの挿絵と一言が事態の好転に繋がることを信じるのみです。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル