「小説家になろう」にて 東雲佑 先生が発表しつづけてきた人気作が満を持しての書籍化。
物語師を目指す、魔法が使える少年と火竜の少女の出会いが織り成す旅と物語を描きます。
(イラスト:輝竜司 先生)
【 http://tkj.jp/book/?cd=02498401 】
【 http://ncode.syosetu.com/n8001by/ 】
養い親である“骨の魔法使い”の愛を一身に受けて純真な心を持つ少年に育った“ユカ”。
世間が親のような魔法使いに抱く悪い印象を払拭すべく、物語という形で真実を語り継いで
いくその姿を、言葉を選びながら第三者的に読み手へ伝えていくかのような文体が印象的。
“ユカ”が旅の途中で出会った火竜“リエッキ”。司書王と呼ばれた彼のいない図書館を
一人で護り続ける彼女が悲しみを紛らわすべく旅の楽しい思い出を振り返る。その様子が
切なくて、可愛らしくて。竜という存在から“リエッキ”になっていく過程が素敵です。
時間軸や場所、視点が色々と切り替わる話の構成も特徴かと思います。枝葉となる小編が
何を意味するのか最初は分からなくても、読み進める内に理解できるようになる話運びは
巻末の「色の魔法使いの挿話」を含め感心しました。青年期の話が早く読みたいものです。