2016年02月05日

『やる気なし英雄譚 5』

津田彷徨 先生が贈るやる気なし英雄の隠れヒーロー譚。初の完全書き下ろしとなる第5巻
では王都で発生したクーデターを完膚なきまでに鎮めるため、驚きの策謀を巡らせます。
(イラスト:MID 先生)

http://mfbooks.jp/3579/


黄金の八十八期、と称される中心人物“リュート”“アレックス”“ユイ”が揃えば何者も
止めることは出来ない、と言わんばかりの立ち回りの良さが際立ちます。その影で、同期の
“ムルティナ”が辛酸をなめてきたという背景の活かし方が鍵を握る話運びが素晴らしい。

戦術としては復興を成し遂げた「レムリアック」の地の利をこれでもか、と利用していく
周到さと役者が一人でも欠ければ未来は無いという綱渡りのような要員配置が功を奏する
絶妙な采配ぶりを魅せます。“ユイ”が“リュート”に切った啖呵がまた熱くて実に良い。

隣の席を空けてある覚悟を見せる“エリーゼ”は“セシル”に思わぬ感情を突きつけられる
などヒロインとしては不遇な立ち位置が続きます。そしてそれは“ユイ”にとっても同じ。
クーデターを抑えた結果としてまたもや過去最悪の左遷先へ飛ばされどうなるのか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル