2016年02月22日

『図書館ドラゴンは火を吹かない』

「小説家になろう」にて 東雲佑 先生が発表しつづけてきた人気作が満を持しての書籍化。
物語師を目指す、魔法が使える少年と火竜の少女の出会いが織り成す旅と物語を描きます。
(イラスト:輝竜司 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=02498401
http://ncode.syosetu.com/n8001by/


養い親である“骨の魔法使い”の愛を一身に受けて純真な心を持つ少年に育った“ユカ”。
世間が親のような魔法使いに抱く悪い印象を払拭すべく、物語という形で真実を語り継いで
いくその姿を、言葉を選びながら第三者的に読み手へ伝えていくかのような文体が印象的。

“ユカ”が旅の途中で出会った火竜“リエッキ”。司書王と呼ばれた彼のいない図書館を
一人で護り続ける彼女が悲しみを紛らわすべく旅の楽しい思い出を振り返る。その様子が
切なくて、可愛らしくて。竜という存在から“リエッキ”になっていく過程が素敵です。

時間軸や場所、視点が色々と切り替わる話の構成も特徴かと思います。枝葉となる小編が
何を意味するのか最初は分からなくても、読み進める内に理解できるようになる話運びは
巻末の「色の魔法使いの挿話」を含め感心しました。青年期の話が早く読みたいものです。

posted by 秋野ソラ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年02月19日

『グリモアコートの乙女たち2』

雨木シュウスケ 先生が贈る大和魔女を巡る物語。第2巻は学年トップの「若宮」となった
“織音”が新しい生活環境に翻弄され、そして新たなる敵の登場にその生活を脅かされます。
(イラスト:かわく 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/series/?c=1000014402#bk9784063814682


お茶会を開いて他の女生徒をもてなしたり、避けるつもりのクラブ勧誘に巻き込まれたり
と女学院の生徒として楽しい日々を送る“織音”の耳に入る人魂騒動。調べてみると特に
害は無いものの魔法が使われている可能性があり、解析してみると他にも同様の足跡が。

早速、調査に乗り出した“ルカ”と“環”。“ルカ”は“環”と仲良くなりたいと思う
一方、“環”はようやくできた友達“織音”を奪われないかとやや警戒色を見せて足並み
が揃わない二人を思わぬ事件が結びつける形になります。お泊まりの様子、良いですね。

女学院内に仕掛けられた何者かの魔法、その意味が闖入者によって明らかとなったときに
“織音”に示される大和魔女、グリモアコート、そして“織音”自身のこと。更には姉が
女学院へ送った真意を告げられ悩みが尽きない“織音”は誓いを果たせるのか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年02月18日

『現代魔法のいらない魔術師 下僕と生きる第二の伝説(セカンドライフ) 2』

三河ごーすと 先生が贈る、古代魔術師第二の伝説。第2巻は“ロウエン”を嗅ぎまわる
現代魔法のエリート少女が学院に訪れても我が道を行く彼に彼女が翻弄されまくります。
(イラスト:よし☆ヲ 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2016/2/#bk9784063815153


伝説の古代魔術師、その再来に目をつける輩の一人“ジョーカー”。彼から送り込まれた
“イオ”の真意に気づいた“ロウエン”は普通に接しつつも、逆に彼女の秘密を掴もうと
探りを入れていきます。実に抜け目ない。にしても蔓を使ってナニしてますかね(苦笑)。

それにしてもマンガすら知識の糧とする貪欲さは流石、稀代の魔術師と言えましょうか。
その“ロウエン”に気遣われた“イオ”の心の揺らぎをすばやく察知した“ジョーカー”
が科学者として容赦ない選択肢を選んだとき、彼が覚えた怒りの強さが印象に残ります。

とは言え、“ジョーカー”が仕向けてきた究極の二択。“ロウエン”がどの手を選んだ
かが“イオ”の秘密と共に最大の見どころとなります。支配魔術を「利用」するという
小憎い演出も良かったです。“マリア”には中々に厄介な展開ですがどうなることやら。

posted by 秋野ソラ at 00:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年02月17日

『魔装学園H×H7』

久慈マサムネ 先生が贈るハイブリッド・バトル。オリジナルドラマCD付き同梱版も発売
された第7巻は、異世界の崩壊を防ぐため“傷無”が我らの想像を超える改装に臨みます。
(イラスト:Hisasi 先生 メカデザイン:黒銀 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321508000287


表紙から口絵から挿絵から、肌色率が高くて留まるところを知らない攻勢に相変わらず
驚かされると共に、戦う力を得るために潔いほど改装を続ける“傷無”にある種の憧れを
抱かずにはいられません。その力で“グレイス”と対峙するバトルはいきなり熱いです。

そんな場面も前哨戦と言わんばかりに“傷無”たちの前に現れた“那由多”の言葉を疑う
言動の数々。彼女の圧倒的な力の前に為す術もない彼らに告げられた「エロス」の秘密が
一縷の望みへと繋がります。そしていろいろな人たちとも繋がっていくワケですがね。

「創世の御柱」を復活させる、という儀式。できるだけ大勢で行うのが望ましい、として
取られた方法がこれまたぶっ飛んでいて 久慈 先生おそるべし、と言わざるを得ません。
完結を予感させる話運びから一転して更なる危機を迎えた世界はどうなるのか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2016年02月16日

『異世界ならニートが働くと思った?2 魔族の姫を従者にして姫ハーレムを作ります。』

刈野ミカタ 先生が贈る天才ニートによる働かない英雄譚。第2巻は〈解放者〉の国を建国
して表舞台に立った“レイジ”へ〈海精族〉から“太公望”の揺さぶりが掛けられます。
(イラスト:ねこめたる 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1398


相変わらず“レイジ”に辱められている“ティファリシア”の様子に安心感を覚えつつ、
彼らの前に現れた美少女、〈海精族〉の英雄“太公望”と《誓約者》の“セイレ”から
出された同盟の申し出。慌てる“ティファリシア”に対し“レイジ”は落ち着いたもの。

〈隷人族〉にも色々思う人はいたり、そもそも魔法を使うのに必要な「魔力溜まり」とは
何ぞや? といった話が後々に尾を引いていく流れと、“太公望”と“レイジ”が手札の
読み合いで何度も立場を逆転していく、目まぐるしい展開が今回も見どころとなります。

それにしても「童貞争奪戦」とは(苦笑)。更に謎の「童貞論」を熱く語る“レイジ”が
お膳立てしてしっかりと“ティファリシア”を成長させている点も注目すべきところで。
今巻も予想外の結末を呼んだ“レイジ”に対し行動を起こした「彼女」が気になります。

posted by 秋野ソラ at 01:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル