2016年02月29日

『無法の弁護人 法廷のペテン師』

新レーベル「NOVEL 0」より 師走トオル 先生が贈るのは陰謀と策略だらけの究極の法廷劇。
新人弁護士が藁にも縋る思いで頼った「悪魔の弁護人」が法廷で無法と無双を尽くします。
(イラスト:toi8 先生)

http://novel-zero.com/issued/2016/02/02.html


車上荒らしの嫌疑で起訴され裁判員裁判を受ける女性“栗田”。彼女を擁護するのは新人
の弁護士“本多”。しかし状況証拠などから不利な局面を覆すのは難しく、頭を悩ませる
彼は事務所の所長からある人物、「悪魔の弁護人」の助力を請えと薦められるのだが──。

『タクティカル・ジャッジメント』を読んで育った身としてはまさに「待ってました!」
と言わんばかりのバディもの。嘘を見抜ける超能力がある、と自称する“阿武隈”の言動
によって翻弄される法廷の人々を見ると、当事者からすれば迷惑でしょうが安心します。

「冤罪の嫌疑を晴らしたい」その一心で自分の正義を貫こうとする“本多”が、法の穴を
すり抜けてでも貪欲に勝ちを掴みにいく“阿武隈”と組まざるを得ない場に臨むジレンマ
ですとか、負けて悔しがる“井上”検事などをもっと見たいので続きをよろしくなのです。

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2016年02月26日

『はたらく魔王さま!15』

和ヶ原聡司 先生が贈る魔王と勇者の庶民派ファンタジー。第15巻は迫るクリスマスの直前、
気持ちが浮つく“千穂”たちを他所に“真奥”と“恵美”へ一つの現実が突きつけられます。
(イラスト/029 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865750-1/


“千穂”と“梨香”。“アラス・ラムス”も含めてと一緒にクリスマスを楽しみたいと願う
彼女たち。その一方で、いまの日本での生活がいつまで続けられるのだろう、という不安も
入り混じる気持ちが現実のものとなったとき、失意の底に陥る彼女らはどうするのか──。

ということで、そもそも何でそんなことになってしまったのかを遡って追っていく話運び。
“恵美”のことを思う気持ちもあるとは思いますが、すっかり日本での生活に馴染みまくる
“エメラダ”の言動が印象的。そんな微笑ましい様子の彼女にも驚きの真実が告げられます。

てっきり「冒頭だけ読んで16巻を読み進めても問題ないのか」と思っていたらそうは問屋が
卸さない“千穂”の行動力に、改めて彼女がこの物語を動かしていく鍵になる予兆を感じ
させてくれます。というかお気軽だなぁ、異世界。“真奥”の決意が叶うことを願います。

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2016年02月25日

『俺を好きなのはお前だけかよ』

駱駝 先生の「第22回電撃小説大賞<金賞>」受賞作。恋を意識する高校男子がその相手
から親友への恋愛相談を持ちかけられ、更に望まない相手から求愛されるラブコメです。
(イラスト/ブリキ 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865747-1/


何事も中庸なジョーロこと“如月雨露”は、幼なじみのひまわりこと“日向葵”やコスモス
先輩こと“秋野桜”とあだ名で呼び合える仲。でも彼を好きなのは地味な少女パンジーこと
“三色院菫子”という因果な関係で報われない中、さらに泣きたくなる事実が判明し──。

“雨露”が“葵”や“桜”から同じような振りを繰り返し受ける、いわゆる天丼な状況が
苦笑いと哀愁を誘います。彼の親友、サンちゃんこと“大賀太陽”が迎えたあの夏の日。
彼ら彼女らがこの物語を形作るきっかけがそこにある、という仕掛けにまず驚かされます。

やがて話がとんでもない方向へ向かっていく所で、“雨露”をストーキングするほど好き
だという“菫子”が鍵を握りまくる話運びには脱帽せざるを得ません。彼女の「意地悪」
から逃れられない意味も納得。一筋縄ではいかない二人の関係がどう続くのか注目です。

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2016年02月24日

『ヴァルハラの晩ご飯 〜イノシシとドラゴンの串料理(ブロシェット)〜』

三鏡一敏 先生の「第22回電撃小説大賞<金賞>」受賞作。一日一回生き返る能力を持ち、
しゃべることのできるイノシシが神界の危機を救う「やわらか神話」ファンタジーです。
(イラスト/ファルまろ 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865752-5/


エインヘリヤル。死して英雄として神界に迎えられた者たちも20万人に迫ると問題となる
のが食糧。ヴァルハラキッチンに勤める煤け色のイノシシ“セイ”は、夜の間は中身が
減ることのない特別な鍋の食材となるため、体と命を投げ打つ日々を送るのですが──。

北欧神話で見かける名前がそこかしこに出てくる本作。他にも独自の能力を持つ“セイ”
が戦乙女たちや女神たちに気に入られていい思いをするなど、責任重大な彼の背景を払拭
するかのような楽しい日々の描写に和まされます。ファルまろ 先生の絵がまた可愛らしい。

やがて神界のナンバー2でもある“ロキ”ともイタズラ仲間とも言える懇意の仲になった
頃に直面する神界の危機に意外な形で関与することになる“セイ”の頑張りにぜひご注目
いただきたいところ。恋する女の子たちの今後も見ておきたいものですが、如何ですかね。

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2016年02月23日

『ただ、それだけでよかったんです』

松村涼哉 先生の「第22回電撃小説大賞<大賞>」受賞作。ある中学校で発生した男子生徒
の自殺を機に次々と明らかとなる特異な人間関係、そして予想外の真実を描いていきます。
(イラスト/竹岡美穂 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865762-4/


文武両道、容姿端麗の弟“昌也”が突然の自殺。級友の“拓”を悪魔だと言及した真意と
死の謎を確かめるべく独自調査を開始した“香苗”は胡散臭い人や事実に翻弄され、頭を
悩ませるばかり。そこで学校で行われている「人間力テスト」にまず着目するのだが──。

生徒同士で互いの性格を点数化するという「人間力テスト」。“昌也”はそのテストでも
優秀な成績を修める一方、“拓”は底辺に近い位置。その悪魔が“昌也”を含めた4人を
いじめていたという構図に疑問を抱いた“香苗”が明かす衝撃の真実に驚かされるばかり。

学校内だけでなく世間からも糾弾される“拓”がそれでもなお推し進める「革命」とは、
「ただ、それだけでよかった」と望んだものは何か。全てを打ち明け、流す涙を見て彼の
幸せを願わずにはいられません。ライトノベルの懐の深さを見せつけられた作品です。

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2016年02月22日

『図書館ドラゴンは火を吹かない』

「小説家になろう」にて 東雲佑 先生が発表しつづけてきた人気作が満を持しての書籍化。
物語師を目指す、魔法が使える少年と火竜の少女の出会いが織り成す旅と物語を描きます。
(イラスト:輝竜司 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=02498401
http://ncode.syosetu.com/n8001by/


養い親である“骨の魔法使い”の愛を一身に受けて純真な心を持つ少年に育った“ユカ”。
世間が親のような魔法使いに抱く悪い印象を払拭すべく、物語という形で真実を語り継いで
いくその姿を、言葉を選びながら第三者的に読み手へ伝えていくかのような文体が印象的。

“ユカ”が旅の途中で出会った火竜“リエッキ”。司書王と呼ばれた彼のいない図書館を
一人で護り続ける彼女が悲しみを紛らわすべく旅の楽しい思い出を振り返る。その様子が
切なくて、可愛らしくて。竜という存在から“リエッキ”になっていく過程が素敵です。

時間軸や場所、視点が色々と切り替わる話の構成も特徴かと思います。枝葉となる小編が
何を意味するのか最初は分からなくても、読み進める内に理解できるようになる話運びは
巻末の「色の魔法使いの挿話」を含め感心しました。青年期の話が早く読みたいものです。

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2016年02月19日

『グリモアコートの乙女たち2』

雨木シュウスケ 先生が贈る大和魔女を巡る物語。第2巻は学年トップの「若宮」となった
“織音”が新しい生活環境に翻弄され、そして新たなる敵の登場にその生活を脅かされます。
(イラスト:かわく 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/series/?c=1000014402#bk9784063814682


お茶会を開いて他の女生徒をもてなしたり、避けるつもりのクラブ勧誘に巻き込まれたり
と女学院の生徒として楽しい日々を送る“織音”の耳に入る人魂騒動。調べてみると特に
害は無いものの魔法が使われている可能性があり、解析してみると他にも同様の足跡が。

早速、調査に乗り出した“ルカ”と“環”。“ルカ”は“環”と仲良くなりたいと思う
一方、“環”はようやくできた友達“織音”を奪われないかとやや警戒色を見せて足並み
が揃わない二人を思わぬ事件が結びつける形になります。お泊まりの様子、良いですね。

女学院内に仕掛けられた何者かの魔法、その意味が闖入者によって明らかとなったときに
“織音”に示される大和魔女、グリモアコート、そして“織音”自身のこと。更には姉が
女学院へ送った真意を告げられ悩みが尽きない“織音”は誓いを果たせるのか注目です。

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2016年02月18日

『現代魔法のいらない魔術師 下僕と生きる第二の伝説(セカンドライフ) 2』

三河ごーすと 先生が贈る、古代魔術師第二の伝説。第2巻は“ロウエン”を嗅ぎまわる
現代魔法のエリート少女が学院に訪れても我が道を行く彼に彼女が翻弄されまくります。
(イラスト:よし☆ヲ 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2016/2/#bk9784063815153


伝説の古代魔術師、その再来に目をつける輩の一人“ジョーカー”。彼から送り込まれた
“イオ”の真意に気づいた“ロウエン”は普通に接しつつも、逆に彼女の秘密を掴もうと
探りを入れていきます。実に抜け目ない。にしても蔓を使ってナニしてますかね(苦笑)。

それにしてもマンガすら知識の糧とする貪欲さは流石、稀代の魔術師と言えましょうか。
その“ロウエン”に気遣われた“イオ”の心の揺らぎをすばやく察知した“ジョーカー”
が科学者として容赦ない選択肢を選んだとき、彼が覚えた怒りの強さが印象に残ります。

とは言え、“ジョーカー”が仕向けてきた究極の二択。“ロウエン”がどの手を選んだ
かが“イオ”の秘密と共に最大の見どころとなります。支配魔術を「利用」するという
小憎い演出も良かったです。“マリア”には中々に厄介な展開ですがどうなることやら。

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2016年02月17日

『魔装学園H×H7』

久慈マサムネ 先生が贈るハイブリッド・バトル。オリジナルドラマCD付き同梱版も発売
された第7巻は、異世界の崩壊を防ぐため“傷無”が我らの想像を超える改装に臨みます。
(イラスト:Hisasi 先生 メカデザイン:黒銀 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321508000287


表紙から口絵から挿絵から、肌色率が高くて留まるところを知らない攻勢に相変わらず
驚かされると共に、戦う力を得るために潔いほど改装を続ける“傷無”にある種の憧れを
抱かずにはいられません。その力で“グレイス”と対峙するバトルはいきなり熱いです。

そんな場面も前哨戦と言わんばかりに“傷無”たちの前に現れた“那由多”の言葉を疑う
言動の数々。彼女の圧倒的な力の前に為す術もない彼らに告げられた「エロス」の秘密が
一縷の望みへと繋がります。そしていろいろな人たちとも繋がっていくワケですがね。

「創世の御柱」を復活させる、という儀式。できるだけ大勢で行うのが望ましい、として
取られた方法がこれまたぶっ飛んでいて 久慈 先生おそるべし、と言わざるを得ません。
完結を予感させる話運びから一転して更なる危機を迎えた世界はどうなるのか注目です。

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2016年02月16日

『異世界ならニートが働くと思った?2 魔族の姫を従者にして姫ハーレムを作ります。』

刈野ミカタ 先生が贈る天才ニートによる働かない英雄譚。第2巻は〈解放者〉の国を建国
して表舞台に立った“レイジ”へ〈海精族〉から“太公望”の揺さぶりが掛けられます。
(イラスト:ねこめたる 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1398


相変わらず“レイジ”に辱められている“ティファリシア”の様子に安心感を覚えつつ、
彼らの前に現れた美少女、〈海精族〉の英雄“太公望”と《誓約者》の“セイレ”から
出された同盟の申し出。慌てる“ティファリシア”に対し“レイジ”は落ち着いたもの。

〈隷人族〉にも色々思う人はいたり、そもそも魔法を使うのに必要な「魔力溜まり」とは
何ぞや? といった話が後々に尾を引いていく流れと、“太公望”と“レイジ”が手札の
読み合いで何度も立場を逆転していく、目まぐるしい展開が今回も見どころとなります。

それにしても「童貞争奪戦」とは(苦笑)。更に謎の「童貞論」を熱く語る“レイジ”が
お膳立てしてしっかりと“ティファリシア”を成長させている点も注目すべきところで。
今巻も予想外の結末を呼んだ“レイジ”に対し行動を起こした「彼女」が気になります。

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2016年02月15日

『ようこそ実力至上主義の教室へ3』

衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。第3巻は期末テストを乗り切ったDクラスの面々
が今度は無人島でのサバイバル生活を強いられ、他クラスとの読み合いが始まります。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1404


冒頭から“茶柱”先生の思いも寄らぬ独白から始まり、更には豪華客船で素敵な旅など
この学校であるはずがなかろう、と期待通りの落差が読者にも登場人物たちにも混乱を
呼びます。与えられたポイント、そしてルールが鍵を握る無人島生活へと突入します。

他クラスはそれぞれに結束して動く中、ここでも統制のとれないDクラス。更に他クラス
から罠を仕掛けられ、内部分裂も起こしかねないところでついに“綾小路”がDクラスを
Aクラスへ押し上げるために動き出します。それも「彼女」から依頼されて、という形で。

内憂外患、更には“掘北”のらしくないミスによって「もうだめか」と思わせたところを
逆手に「あるルール」を利用して奇跡の大逆転を演出する“綾小路”の空恐ろしさに注目。
偽りのチームワークを存分に発揮していくことになるであろう二人の動向が気になります。

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2016年02月12日

『異世界迷宮の最深部を目指そう6』

割内タリサ 先生が贈る異世界迷宮ファンタジー。第6巻は“ローウェン”の本当の願いを
示すため、“カナミ”が長く続いた「一ノ月連合国総合騎士団種舞踏会」に幕を引きます。
(イラスト:鵜飼沙樹 先生)

http://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865540901


“スノウ”のヘタレ具合がホントに重症で思わず苦笑い。“カナミ”の意思を汲んで立ち
直っていってほしいと願うばかり。“リーパー”の「願い」を見抜いて“マリア”の記憶
も取り戻させ、ようやくあるべき姿、体制に戻ったところから最後の試練が待ち受けます。

“リーパー”の願いに関わってくる“ローウェン”との繋がりが哀愁を誘います。あくまで
彼の願いを叶えさせるため、これまで出会った人たちから教わった数々の技能を駆使して
立ち向かっていく“カナミ”の奮闘ぶりに注目。“ローウェン”の反則に近い強さにも。

あとがきにもありますが、第三十層を目指していたら「地下じゃない」という最深部とは
何かを思わず問いたくなる気はするにしても、ようやく話が一歩進んだと言えるのでは。
“パリンンクロン”を追うため心構えも新たにした“カナミ”たちの旅の行方に期待です。

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2016年02月11日

『楽園【ハレム】への清く正しき道程【ルート】 1番目はお嫁さんにしたい系薄幸メイド』

野村美月 先生が贈るファンタジー・ハーレム(予定)コメディ。第2巻は“カテリナ”の
気まぐれで始まったお嫁さんにしたい子番付レースに“ルドヴィーク”が振り回されます。
(イラスト:竹岡美穂 先生)

http://fbonline.jp/08shinkan/08shinkan.html#_05


“カテリナ”としての立ち居振舞いと“フロリン”としてのそれ。差の激しさに相変わらず
驚かされつつ、まだ自覚症状が顕著に見られないまでも“ルドヴィーク”のことが気になり
かけてきている彼女の言動、機微の変化が今後どう繋がっていくのか興味津々であります。

“カテリナ”の心を期せずして揺れ動かすことになったメイドの“ミーネ”との出会い。
不憫な彼女の境遇を見かねた“ルドヴィーク”が「レース」に出させようとしてあれこれ
手を尽くす内にそれが裏目に出たり、負の部分を見たりすることでどう反応するかが見所。

もちろん「レース」の行方にも注目すべきポイントが多々あります。“ルドヴィーク”は
ホントに幸せものですな。七番目が手に入らない、という言葉を予感させる結末を除いて。
ひと段落した、と思ったら今度は「彼女」に焦点が当たるとのことで、実に楽しみです。

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2016年02月10日

『東京戦厄高校第72討伐班3』

三上康明 先生が贈るトライアングル・学園バトルファンタジー。第3巻は災厄技術庁で
研鑽を重ねる“アリス”や“月香”そして“廻人”にそれぞれのハードルが設けられます。
(イラスト:おりょう 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631100-7


活躍めざましい“月香”の姿が父親の目に止まり、即退学の勧告を突きつけられるという
遂に危惧していた事態が発生。「トリニティ」存続の危機を目の当たりにした“廻人”が
期待通りの無鉄砲ぶりを発揮します。そこまでされたら彼女も想いを強くするのも必然。

“月香”の想いに気付いた“アリス”が選んだ選択肢。それゆえに不自然な行動が目立つ
ようになった“アリス”に“月香”がまっすぐ向き合う場面、そして導き出される新たな
関係が印象的。“廻人”にはうらやまけしからんと思いつつ、3人らしさも窺わせます。

色々と大変な状況下にある「トリニティ」の前に更に最悪の災厄が襲い掛かるとき3人が
どう立ち向かっていくか、その展開が熱い。“月香”の問題が上手いところに落ち着いた
のも結びとして喜ばしいものがありました。ということで無事完結をお祝い申し上げます。

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2016年02月09日

『俺たちのクエスト 〜クズカード無双で異世界成り上がり〜』

みかみてれん 先生が「カドカワBOOKS」より贈る新作は「小説家になろう」の書籍化作品。
カードゲーム好きの少年が異世界でクズなカードと仲間を駆使する異世界コメディです。
(イラスト:佐々木あかね 先生)

http://kadokawabooks.jp/product/50/
http://ncode.syosetu.com/n9677cc/


カードゲーム「オンリー・キングダム」で屑カードを駆使して全国大会で優勝する異色の
強さを見せる少年“正宗”。事故で命を落とした彼は転生と雷の女神“ミエリ”に救われ、
与えられた異能力で異世界の救世を求められるが、同じゲームの屑カードばかりで──。

パンを出したりタンポポを出したり、と本当に使えないカードしかないばかりか“ミエリ”
のドジっ娘ぶりや仲間になる面々がどれもクセのありすぎる欠点を抱えており“正宗”を
これでもかと悩ませてきます。そのコミカルさと問題を解決する機転の利かせ方が面白い。

作品の雰囲気を支える 佐々木 先生のイラストがまた見事に合致して、シリアスな局面も
お色気な場面も魅せてくるのがまた実に良くて、最後まで楽しく読むことができました。
度重なる「嫌だ!?」のくだりがお気に入りです。次巻以降も期待を寄せておきたい所です。

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2016年02月08日

『宝石吐きのおんなのこ(3) 〜再会の街にひそむ影〜』

なみあと 先生が贈るファンタジーノベル。第3巻はスプートニク宝石店を管理する担当者
に合うためフィーネチカの街を訪れた“クリュー”たちが新たな事件に巻き込まれます。
(イラスト:景 先生)

http://www.ponicanbooks.jp/book/1266/


“ユキ”のあのイラストからのギャップがまず目を惹きます。宝石商会で“スプートニク”
とは浅からぬ関係にあるところから、商会を舞台とした詐欺事件の解決を強いられます。
その過程で彼の過去が次々と明らかになります。彼の名前にも由来があるのが驚きでした。

馬車に酔ってそれどころではなかった“クリュー”も思わぬ局面で事件の裏側を垣間見る
こととなるワケで。しかもそれ故に「宝石吐きのおんなのこ」として狙われることになる
彼女の今後が気になります。それにしても“ソアラン”の報われなさが不憫で仕方がない。

巻末には 景 先生による特別読切ショートコミカライズが収録されており、“クリュー”の
コロコロと変わる表情や“スプートニク”のつっけんどんな様子など魅力的に描かれている
ので一読の価値ありです。ぜひ特別と言わず定期的にコミカライズしてほしいと思います。

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2016年02月05日

『やる気なし英雄譚 5』

津田彷徨 先生が贈るやる気なし英雄の隠れヒーロー譚。初の完全書き下ろしとなる第5巻
では王都で発生したクーデターを完膚なきまでに鎮めるため、驚きの策謀を巡らせます。
(イラスト:MID 先生)

http://mfbooks.jp/3579/


黄金の八十八期、と称される中心人物“リュート”“アレックス”“ユイ”が揃えば何者も
止めることは出来ない、と言わんばかりの立ち回りの良さが際立ちます。その影で、同期の
“ムルティナ”が辛酸をなめてきたという背景の活かし方が鍵を握る話運びが素晴らしい。

戦術としては復興を成し遂げた「レムリアック」の地の利をこれでもか、と利用していく
周到さと役者が一人でも欠ければ未来は無いという綱渡りのような要員配置が功を奏する
絶妙な采配ぶりを魅せます。“ユイ”が“リュート”に切った啖呵がまた熱くて実に良い。

隣の席を空けてある覚悟を見せる“エリーゼ”は“セシル”に思わぬ感情を突きつけられる
などヒロインとしては不遇な立ち位置が続きます。そしてそれは“ユイ”にとっても同じ。
クーデターを抑えた結果としてまたもや過去最悪の左遷先へ飛ばされどうなるのか注目です。

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2016年02月04日

『異世界薬局 1』

「小説家になろう」にて 高山理図 先生が公開する人気のWeb小説が満を持しての書籍化。
過労死した有望な若き薬学者が異世界の宮廷薬師の息子に転生し現代医学で無双します。
(イラスト:keepout 先生)

http://mfbooks.jp/3585/


幼少の折、難病を抱える妹の最後を看取った“薬谷”が二度と自分のような悔しい思いを
する人たちが出ないよう、あらゆる人を救うために薬学の研究に没頭しすぎて過労死する
という何とも切ない導入。その情熱を異世界で果たそうとする気概に熱いものを感じます。

少年“ファルマ”として転生した“薬谷”が現代医学と照らし合わせて、間違っていると
認めざるを得ない決定的な瞬間を目の当たりにし、ついに決断を下してからの激動の展開
がまさに現代医学の知識でチートする、という一風変わった爽快感を味わわせてくれます。

そんな“ファルマ”を後押しする異世界らしい能力、左手の物質創造、右手の物質消去や
その他あれこれがメリットとして扱われる時もあればデメリットと見なされることもある
異世界ながらの事情も見所の一つ。それ故のラストの不穏な動きがどう繋がるか注目です。

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2016年02月03日

『天久鷹央の推理カルテIV ―悲恋のシンドローム―』

知念実希人 先生が贈る新感覚メディカル・ミステリー。第4巻は天才女医“天久鷹央”が
女性にふりかかる呪い、ゴミ屋敷の殺人、そして瞬間移動する女性死体の謎を診断します。
(イラスト/いとうのいぢ 先生)

http://shinchobunko-nex.jp/books/180057.html


「迷い込んだ呪い」では新しい恋愛が成就しようとする度に腹の激痛に襲われる女性の謎
を霊能力者が解決できると断言したところに目をつけた“鷹央”が診断することによって
色々な意味で患者を救うことになる話。あの症例で喀血することになるとは、驚きです。

「ゴミに眠る宝」ではゴミ屋敷の向かいに住む青年が注意しようと屋敷を訪れてから姿を
見せなくなった所から殺人の噂を聞きつけた“鷹央”が意外な人物の犯行だと推理する話。
ゴミを集めるようになる契機とか、「宝」とはそういうことか、と唸らせてくる内容です。

「瞬間移動した女」ではプロローグで“鷹央”から「手を引く」と宣言させた事件の真相
に“小鳥”が迫れるかが注目の書き下ろし作。あらゆるものが勘違いだったと気付けるか、
医学知識があればこそ導き出される結論に驚かされるばかりの、読み応えのある話でした。

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2016年02月02日

『勇者と魔王が電撃同盟! キッカケは、お互いの恋を応援するため!?』

人気シナリオライターとしても知られる あごバリア 先生のライトノベルデビュー作品。
魔王が勇者の親友に、勇者が魔王の側近に一目惚れしてしまうクロスラブコメディです。
(イラスト:なつめえり 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1402


「繁栄宣言」という、かつての大預言者が残した伝承。人類が平穏な日常を過ごすために
5年という期間の間で魔王を討たねばならない、けれど勇者は一度も勝ったことがない
絶望的な状況の中、二人は手を結ぶことになる。互いの恋愛を成就させるために──。

ということで八百長の決戦を繰り広げつつ、勇者“レイル”は“ミア”と、魔王“ユメ”
は“アーディ”と恋仲になるべくアプローチを仕掛けます。このあたりの会話のやりとり
で魅せてくるあたりは流石という感じがします。“アリナ”の引っかき回しぶりも絶妙。

とはいえ、いつまでも八百長はやっていられないし、恋は成就するのかといった不安要素
もある。それが勇者と魔王の電撃同盟にどう影響してくるかが見どころとなってきます。
実にテンポもよく、読みやすくて面白い作品だと思います。続きに注目しておきます。

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