『白銀のソードブレイカー』の 松山剛 先生が贈る新作は、死に際に娘の行く末を任された
元軍事ロボットへの思慕の感情を持て余すお嬢様が繰り広げるちょっとズレた恋物語です。
(イラスト/ユメのオワリ 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865471-5/ 】
平和な世に今も残る、かつての大戦で主力を担った軍事ロボット。「国境なき平和財団」
を率いる才媛“リーゼロッテ”はそれらを抑制する活動を続ける。当然、敵も多い彼女を
執事ロボット“ベルンハルト”は自身が軍事ロボットであることを告げず護り続ける──。
“ベルンハルト”に惚れている、と言われて気付くほど初心な“リーゼロッテ”が少女漫画
好きの“フローラ”による偏見まみれの知識を植えつけられて色々としでかす滑稽な様子が
まず楽しい。その反面、徐々に見えてくる軍事ロボットの闇の部分が緊張感を高めてきます。
謎のウィルスによる騒動で狙われていることが明らかになる“リーゼロッテ”。その裏に
潜む『影』の存在。届かない想い。絶望的な状況に追い込まれる“ベルンハルト”が見せる
奇跡の源が印象に残ります。彼女の想いが報われてくれれば、と願わずにはいられません。