虎走かける 先生が贈るファンタジー作品。第5巻は「ゼロの魔術師団」なる集団が数々の
村を襲う話を聞いた“ゼロ”たちが首を突っ込む前に新たなる裁定官の影が忍び寄ります。
(イラスト/しずまよしのり 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-865565-1/ 】
銀髪の魔女が率いるというゼロの魔術師団。その魔女を滅すべく現れた裁定官は“隠匿”、
ではなく彼と面識がある“背徳”。その登場により裁定官にもいろいろな人物がいることが
見てとれる訳ですが「墓堀り人」とも呼ばれる彼女の行動原理がおぞましすぎて震えます。
一方、偽者を追って旅を続ける“ゼロ”が“背徳”に会うやいなや見初められて狙われて。
あげく教会の秘密兵器まで持ち出されて“傭兵”もろとも窮地に追いやられます。しかも
一連の騒動の背景には二人もよく知るあの人物が絡んでいると知り歯がゆさを覚えます。
“隠匿”、そして旅先で出会ったネズミの獣堕ち“リーリ”が見せる「意外さ」にご注目。
“背徳”がしでかしたことは決して同意できるものではありませんが、悲しい結末に少々
切ない思いを感じることも。元凶たる〈不完全なる数字〉に辿り着けるか気になる所です。