刈野ミカタ 先生が贈る新作は、異世界の種族間代理戦争に指揮官として召喚された詐欺師
が最高のニート環境を求めて世界統一を目指す、最強ニートによる働かない英雄譚です。
(イラスト:ねこめたる 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1351 】
異世界より《万象の楽園》へ移った七種族が覇権を争い、あわや滅亡寸前の所で大誓約魔法
による争いの禁止によりそれを回避。以後、召喚した英雄の運命力と偉能を元に行われる
英雄戦争が主流となり、エルフの“ティファリシア”も少年“レイジ”を召喚するが──。
運命力が無い上にそもそも英雄戦争も手伝う気も無いというニートらしさ全開の“レイジ”
に主従関係もひっくり返されて泣きっ面に蜂状態の“ティファリシア”。騙し騙される中で
可能性を見い出した彼女が、振り回されながらも一縷の望みを繋いでいく顛末が面白い。
“レウ”の件も含めて、タイトルから感じさせるえちぃ雰囲気も確かに見どころの一つでは
ありますが、天才詐欺師として観察眼や考え方をフル活用して力以外の方法で他者、他種族
を圧倒していく“レイジ”の不遜にして意外と頼れる存在感を見せつける様子にも注目です。