2015年09月09日

『碓氷と彼女とロクサンの。』

阿羅本景 先生が「ファミ通文庫」から初めて贈る新作は、観光集客を目的に廃線となった
線路へ伝説の電気機関車を走らせるプロジェクトに携わる少年少女たちの青春を描きます。
(イラスト:バーニア600 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_02


日本でも屈指の坂がある峠を往来する横川〜軽井沢間。かつて専用の電気機関車「EF63」が
作られるほどの要所も廃線に合わせ活躍の場を失った今、運行復活により観光に一役買おう
とする「しぇるぱ部」、そして“夏綺”の存在を“真”が知る場面から物語は始まる──。

鉄道が主軸となる物語だから挿絵は バーニア600 先生に、って安直だけど鉄板だから仕方が
無い。列車の勇姿は言うに及ばず、“夏綺”たちも可愛いですし最強です。作中の“丸池”
のような鉄の要素を持たない 阿羅本 先生がこれだけ読みやすい話を書くのだから驚きです。

荒唐無稽とも言える“夏綺”の夢を笑うことなく真摯に受けとめ、共に歩んでいこうとする
“真”が見せる男気。そして何よりも“夏綺”をはじめとする「しぇるぱ部」の面々の情熱
をもって一つの伝説を築きあげるまでの感動あふれる物語は一読の価値あり。オススメです。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(1) | ライトノベル