2015年09月03日

『放浪勇者は金貨と踊る2』

むらさきゆきや 先生が贈る、金貨を巡るファンタジー世界の英雄譚。第2巻は“ヨル”の
元仲間である魔術師の少女が詐欺師を手伝って、しかも対峙するという異常事態に陥ります。
(イラスト:藤ちょこ 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321412000065


“ドヴォール”卿から希少金属の仕入れを任された“パル”。しかし、調達を依頼した商人
からは音沙汰も無く、契約の魔石による違反の兆候も無い。そこで泣きつかれた“ヨル”が
瞬時に見抜いた詐欺の手口を手玉にとってやり返す顛末はやはり爽快感あふれる展開です。

そして突如、街の外れに現れた魔王の再来を感じさせる大量の魔物出現。感情を持て余して
色々とこじらせた“シャノワール”による敵対宣言。彼女が意識する「喰う/喰われる側」
という心情を思慮して手を打つ“ヨル”がまた格好良い。これも詐欺と言えば詐欺なのか。

“レイチェル”の勇者バカなところや“ユニス”の純真さも相変わらず、というところで
楽しませてもらった本作はここで完結。『放課後のゲームフレンド、君のいた季節』同様
潔い終わらせ方として興味深い姿勢ですが、続けられる余地は十分あるのが惜しい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル