2015年09月15日

『いづれ神話の放課後戦争〈ラグナロク〉─魔眼の王と屈服女神─』

なめこ印 先生の新作は、七柱の神々が世界の覇権を争う「神話代理戦争」にまきこまれた
少年が復讐のため、自らその渦中へ飛び込む姿を描く学園ヒロイックバトルサーガです。
(イラスト:よう太 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321506000176


マヤ・アステカ神話、日本神話、インド神話、エジプト神話、ギリシャ神話、北欧神話、
そしてケルト神話。十年前、神々が起こした星を砕きかねないほどの争いを止めるため
人間が取引し、用意した代理戦争が行われる島へ、ある密命を帯びた少年が訪れる──。

調査活動をする中、突如襲われた“ブリュンヒルデ”から思わぬ形で潜入した島の秘密、
そして世界の秘密とも言える「聖餐管理機構」のことを知った“雷火”。ゲスい相棒と
共にえちぃ場面を挟みつつ、真の目的である神殺しに挑む復讐劇の幕開けが興味深い展開。

神の器となる「神格適合者」が意外なところから接触を図ってきたり、後付けで得た能力
の制約条件を踏まえて戦術を組み立てる“雷火”の戦いぶりで一気に盛り上げていく後半
からのラストで見せてきた慈悲の無い現実にどう向き合うのか。彼の動向に注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年09月14日

『現代魔法のいらない魔術師 下僕と生きる第二の伝説(セカンドライフ)』

三河ごーすと 先生が「講談社ラノベ文庫」から初めて上梓する新作。人類初の魔術を生み
出した伝説の魔術師が突如、未来の世界に召喚されて数奇な運命を辿る物語を描きます。
(イラスト:よし☆ヲ 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2015/9/#bk9784063814859


世界を脅かす吸血鬼を討伐すべく魔術を極め、挑んだ魔術師“ロウエン”が遥か未来から
“マリア”に召喚されてみればそこは科学の力を借りた現代魔法であふれ、自身の力は
古代魔術となり廃れていた。更には吸血鬼も復活していて為す術なしと知った彼は──。

より一般的に広く使えるよう最適化された現代魔法が主流の世で、潜在能力に由来し扱い
も難しい古代魔術を修めようとする“マリア”。元の時代に戻れないと知った“ロウエン”
俄然、興味を持った現代魔法と共にその事情を調べてみると分かる驚きの事実が面白い。

現代魔法の利点を取り入れて古代魔術をより高めていく“ロウエン”の天才ぶりと、失敗
続きの“マリア”が彼の導きによって力をつけていく様子が目を惹きます。バトルも中々
ド派手で良いかと。ラストには思わせぶりな引きも見せていて続きが気になる作品です。

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2015年09月13日

『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術3』

むらさきゆきや 先生が贈る異世界冒険譚。 第3巻は“レム”の体内に在る魔王を取り除く
べく“エデルガルト”の提案に乗り“ディアヴロ”が魔王復活と即時打倒に力を注ぎます。
(イラスト:鶴崎貴大 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2015/9/#bk9784063814873


魔王復活の兆しあり、と聞きファルトラ市へ向かう聖騎士“ダルーシュ”。彼は独断と偏見
によって「魔王崇拝者」を見つけ出し、拷問と虐殺の限りを尽くす彼を同伴して市へと戻る
“アリシア”もまた危険な思想の持ち主であり、彼女の胸中の複雑さと遠謀が窺えます。

魔王“クレブスクルム”の復活手段が実に艶かしいものとなった場面に加え、その驚くべき
結果に“エデルガルト”だけでなく当の“レム”も困惑せざるを得ない状況に。そんな時に
魔族も一枚岩ではない、という現実が人々の生活を脅かす事態となり選択が迫られます。

魔王への対応として“シルヴィ”から究極の選択肢を突きつけられた“ディアヴロ”が逆転
の発想で第三の選択肢を導き出し、選ぶまでの過程が良い雰囲気です。結末として「彼女」
が追われる身となったエピローグの様子が気になりすぎて次巻の刊行が待ち遠しい限りです。

posted by 秋野ソラ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年09月12日

『異世界ならニートが働くと思った? エルフの姫を奴隷にして世界を支配させます。』

刈野ミカタ 先生が贈る新作は、異世界の種族間代理戦争に指揮官として召喚された詐欺師
が最高のニート環境を求めて世界統一を目指す、最強ニートによる働かない英雄譚です。
(イラスト:ねこめたる 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1351


異世界より《万象の楽園》へ移った七種族が覇権を争い、あわや滅亡寸前の所で大誓約魔法
による争いの禁止によりそれを回避。以後、召喚した英雄の運命力と偉能を元に行われる
英雄戦争が主流となり、エルフの“ティファリシア”も少年“レイジ”を召喚するが──。

運命力が無い上にそもそも英雄戦争も手伝う気も無いというニートらしさ全開の“レイジ”
に主従関係もひっくり返されて泣きっ面に蜂状態の“ティファリシア”。騙し騙される中で
可能性を見い出した彼女が、振り回されながらも一縷の望みを繋いでいく顛末が面白い。

“レウ”の件も含めて、タイトルから感じさせるえちぃ雰囲気も確かに見どころの一つでは
ありますが、天才詐欺師として観察眼や考え方をフル活用して力以外の方法で他者、他種族
を圧倒していく“レイジ”の不遜にして意外と頼れる存在感を見せつける様子にも注目です。

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2015年09月11日

『姫騎士とキャンピングカー』

「小説家になろう」発表作を「スニーカー文庫」で初めて書籍化する 三木なずな 先生の
新作は元社畜がキャンピングカーで姫騎士と平穏な日々を過ごすスローライフノベルです。
(イラスト:九韻寺51号 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321506000013


総額1,500万円のキャンピングカー納車に合わせて社畜製造工場たる会社に辞表を叩きつけ
悠々自適の生活に突入した“直人”。あわや事故に巻き込まれそうになった彼は愛車と共に
異世界へ渡り、遭遇した姫騎士の「くっ、殺せ!」を聞いてそれが現実だと認識する──。

2015年4月15日に「小説家になろう」で発表し、投稿を続けていたと思っていたら7月4日で
早々に書籍化の報告、9月1日に発売とまさに電光石火の動きにまず驚かされました。本作に
込める想いを「なますに!」で確認させてもらい、面白い方だと感じたのも記憶に新しい所。

「姫騎士の高潔な精神を、オークを使わずに堕とす(注:えちぃ意味は無く)」という思想
のもとあれやこれやと“ソフィア”が残念な感じになっていく様子が面白いです。秘密基地
という感覚は子どもの頃を思い出して納得。読み終えた後に心がほっこりできる作品です。



#(参考)

#「姫騎士とキャンピングカー」はじめました #narou
#【 http://togetter.com/li/808994

#『なますに!』第11回放送 まとめ #ラノベ #スニーカー文庫 #nicoks #narou #姫キャン
#【 http://togetter.com/li/866690

posted by 秋野ソラ at 01:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル