『ソードアート・オンライン16 アリシゼーション・エクスプローディング』
川原礫 先生が贈る大人気シリーズ、「アリシゼーション編」8冊目となる第16巻は暗黒神
が率いる侵略軍と整合騎士が率いる人界守備軍の一大決戦に“アスナ”が乗り込みます。
(イラスト/abec 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865307-7/ 】
“ベクタ”の命を受け時に暴力、時に奇策をもって人界守備軍の陣へと攻め込む侵略軍を
整合騎士の奥義と犠牲をもって退けますが、隙を突かれて危うい局面を何度も迎えるなど
手に汗握る攻防にハラハラさせられっぱなし。侵略軍側も興味深いエピソードが満載です。
そして満を持しての“アスナ”登場。“アリス”と修羅場な局面を迎えたり、“リーナ”
たちと情報取引に応じたり、と未だ復活には至らない“キリト”を前に微笑ましい光景を
繰り広げつつも右眼の封印やリアルワールドなどの話も“アリス”たちへ遂に伝わります。
光の巫女がいかに重要かも把握できたところで、アンダーワールドに来た“アスナ”には
手の及ばない“ベクタ”たちの秘策が牙をむく直前、“ユイ”の機転が最後の鍵を握る。
心に残る彼女の言葉と涙は功を奏するのか、“キリト”復活と共に期待したいと思います。
2015年08月16日
2015年08月15日
『廃駅の天使 ―廃線上のアリス2nd―』
マサト真希 先生が贈る青春ラブストーリー。第2巻は東京から岩手に引っ越してきた少年
が廃駅で少女と出会ったことをきっかけに様々な思いと出来事に直面する顛末を描きます。
(イラスト:フカヒレ 先生)
【 http://www.ponicanbooks.jp/book/1105/ 】
廃駅で自殺を図る少女“春告久”を止めた“晴”。彼女がクラスの転校生だと知り驚くが
級友たちとの距離感を空けたままの彼女へ彼が助け舟を出すことに。二人の距離感だけは
縮まっていく中で彼女が転向してきた理由を示す悪意あるメッセージが出回り始める──。
宮沢賢治の物語を織り交ぜてみたりと岩手が舞台という雰囲気と恋の物語を演出しつつ、
“春告久”の過去、“晴”の過去を持ち出して陥れようとする者がいると知り、時に守りの
時に攻めの姿勢で対応する二人。見えぬ相手の真意を計り知れぬまま日常が過ぎていきます。
助っ人の登場で動き始めた物語は、確認不足とコミュニケーション・エラーを遠因として
思わぬところに犯人がいたことを告げ、“春告久”と“晴”を対等の立場に置くための
通過点を描きエピローグへと向かいます。色々と結びついていきそうで次巻も楽しみです。
が廃駅で少女と出会ったことをきっかけに様々な思いと出来事に直面する顛末を描きます。
(イラスト:フカヒレ 先生)
【 http://www.ponicanbooks.jp/book/1105/ 】
廃駅で自殺を図る少女“春告久”を止めた“晴”。彼女がクラスの転校生だと知り驚くが
級友たちとの距離感を空けたままの彼女へ彼が助け舟を出すことに。二人の距離感だけは
縮まっていく中で彼女が転向してきた理由を示す悪意あるメッセージが出回り始める──。
宮沢賢治の物語を織り交ぜてみたりと岩手が舞台という雰囲気と恋の物語を演出しつつ、
“春告久”の過去、“晴”の過去を持ち出して陥れようとする者がいると知り、時に守りの
時に攻めの姿勢で対応する二人。見えぬ相手の真意を計り知れぬまま日常が過ぎていきます。
助っ人の登場で動き始めた物語は、確認不足とコミュニケーション・エラーを遠因として
思わぬところに犯人がいたことを告げ、“春告久”と“晴”を対等の立場に置くための
通過点を描きエピローグへと向かいます。色々と結びついていきそうで次巻も楽しみです。
2015年08月14日
『たま高社交ダンス部へようこそ』
「第7回GA文庫大賞・奨励賞」「第2回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞・大賞」そして
「第20回スニーカー大賞・特別賞」のトリプル受賞者、三萩せんや 先生の作品を拝読です。
(イラスト:伍長 先生)
【 http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321504000232 】
「競技ダンス部」とは距離を置き「社交ダンス部」へ入部した“璃子”。元の相手からの
よりを戻そうとする言動を無視し続ける彼女に部の統廃合という無視できない現実が去来。
部の窮地を前に、腰掛け程度に入部していた“雪也”が存続を賭けて一念発起する──。
社交ダンスのことに全く興味のなかった“雪也”がクールビューティーな“璃子”と助け
助けられながら踊ることの楽しさにのめりこんでいく様子を平易かつ丁寧に描いた正統派
部活モノ、まさに青春グラフィティ。成長、挫折、衝突、そしてラブが詰まっています。
“篤成”が適役な敵、ということで話がぶれないことと端々に織り込まれるサブカル関係の
ネタが物語導入へのハードルを下げていて読みやすいです。専門用語も出ますが気にせず
読めるのも特徴でしょう。伍長 先生の挿絵も雰囲気が良いですしオススメできる一作です。
「第20回スニーカー大賞・特別賞」のトリプル受賞者、三萩せんや 先生の作品を拝読です。
(イラスト:伍長 先生)
【 http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321504000232 】
「競技ダンス部」とは距離を置き「社交ダンス部」へ入部した“璃子”。元の相手からの
よりを戻そうとする言動を無視し続ける彼女に部の統廃合という無視できない現実が去来。
部の窮地を前に、腰掛け程度に入部していた“雪也”が存続を賭けて一念発起する──。
社交ダンスのことに全く興味のなかった“雪也”がクールビューティーな“璃子”と助け
助けられながら踊ることの楽しさにのめりこんでいく様子を平易かつ丁寧に描いた正統派
部活モノ、まさに青春グラフィティ。成長、挫折、衝突、そしてラブが詰まっています。
“篤成”が適役な敵、ということで話がぶれないことと端々に織り込まれるサブカル関係の
ネタが物語導入へのハードルを下げていて読みやすいです。専門用語も出ますが気にせず
読めるのも特徴でしょう。伍長 先生の挿絵も雰囲気が良いですしオススメできる一作です。
2015年08月13日
『保育の騎士とモンスター娘』
神秋昌史 先生が贈る新作はモンスター育成ラブコメ。魔族保育園の護衛として僻地へ派遣
された騎士見習いの青年が魔族の子供たちと触れ合う中で成長していく様子を描きます。
(イラスト:森倉円 先生)
【 http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321504000240 】
魔族と和平を結んで約二年。魔族領にほど近い王国の僻地にある「国立ヒューモン保育園」
には魔族の子どもたちが預けられ一人の女性が保育士として彼ら彼女らの相手をしている。
危険地域と見た堅物の騎士見習い“デルク”がその地に赴任する所から物語は始まる──。
状況を受け入れている“ティリア”を余所に“デルク”も魔族の子どもたちも警戒レベル
は高め。ですが容姿や力が違うだけで思う所はヒトの親子と変わらないとに気付いた彼が
少しずつ歩み寄っていき、結果として保育士見習いに至るまでの流れが実に微笑ましい。
“ティリア”に頭が上がらない魔族の面々といったコミカルな面も見せつつ、“ラミーネ”
が直面する転機にどう向き合うかを描くことで彼女の成長にも触れるシリアスな場面もあり
と興味深いお話でした。“デルク”の過去も色々ありそうですし続きが楽しみな作品です。
された騎士見習いの青年が魔族の子供たちと触れ合う中で成長していく様子を描きます。
(イラスト:森倉円 先生)
【 http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321504000240 】
魔族と和平を結んで約二年。魔族領にほど近い王国の僻地にある「国立ヒューモン保育園」
には魔族の子どもたちが預けられ一人の女性が保育士として彼ら彼女らの相手をしている。
危険地域と見た堅物の騎士見習い“デルク”がその地に赴任する所から物語は始まる──。
状況を受け入れている“ティリア”を余所に“デルク”も魔族の子どもたちも警戒レベル
は高め。ですが容姿や力が違うだけで思う所はヒトの親子と変わらないとに気付いた彼が
少しずつ歩み寄っていき、結果として保育士見習いに至るまでの流れが実に微笑ましい。
“ティリア”に頭が上がらない魔族の面々といったコミカルな面も見せつつ、“ラミーネ”
が直面する転機にどう向き合うかを描くことで彼女の成長にも触れるシリアスな場面もあり
と興味深いお話でした。“デルク”の過去も色々ありそうですし続きが楽しみな作品です。
2015年08月12日
『横浜ダンジョン 大魔術師の記憶』
瀬尾つかさ 先生が贈る新作は各地にダンジョンがあふれる世界を舞台に、力を隠しながら
生活する少年が、ある目的からその踏破に挑む少女らを導いていくファンタジー作品です。
(イラスト:やむ茶 先生)
【 http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321504000238 】
異世界に繋がり、魔法が使えるようになって17年。多数のダンジョンから魔物が大量出現
する事件が発生。巻き込まれて以来、探索する者たちを嫌悪するようになった妹“琉衣”
を見て、自分の中に発露した力とその理由を秘密にすると決意した“響”であったが──。
姉へのコンプレックスを抱えつつ「探索者」として頑張る“春菜”とそのパートナー“彩”
を助けてしまったことで彼女らが強くなるために力を貸すことになった“響”。妹“冬音”
との出会いが彼の「目的」を決定づけることになり・・・と運命的な展開を描いていきます。
“響”の圧倒的な力をいぶかしむ“春菜”に「前世の記憶が・・・」と嘯くところが面白い。
女性陣のからかう言い回しとやりとりは相変わらず上手いな、と感じます。彼の「目的」
を達成するための手段であることを受け入れた“春菜”たちとの冒険に注目しておきます。
生活する少年が、ある目的からその踏破に挑む少女らを導いていくファンタジー作品です。
(イラスト:やむ茶 先生)
【 http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321504000238 】
異世界に繋がり、魔法が使えるようになって17年。多数のダンジョンから魔物が大量出現
する事件が発生。巻き込まれて以来、探索する者たちを嫌悪するようになった妹“琉衣”
を見て、自分の中に発露した力とその理由を秘密にすると決意した“響”であったが──。
姉へのコンプレックスを抱えつつ「探索者」として頑張る“春菜”とそのパートナー“彩”
を助けてしまったことで彼女らが強くなるために力を貸すことになった“響”。妹“冬音”
との出会いが彼の「目的」を決定づけることになり・・・と運命的な展開を描いていきます。
“響”の圧倒的な力をいぶかしむ“春菜”に「前世の記憶が・・・」と嘯くところが面白い。
女性陣のからかう言い回しとやりとりは相変わらず上手いな、と感じます。彼の「目的」
を達成するための手段であることを受け入れた“春菜”たちとの冒険に注目しておきます。