『ガンズ・アンド・マジック』の 長田信織 先生が贈る新作は、現代の日本に突如現れた
ドラゴンに対して巻き起こる大激戦の顛末とその鍵を握る少年の数奇な運命を描きます。
(イラスト/緒原博綺 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865123-3/ 】
「ノースライン航空755便失踪事件」における唯一の生還者“景人”は、行方不明であった
半年間の記憶を失くし、代わりに機械を自分の思うように動かす馴化できるようになった。
それから5年が経過した日常を、動くあらゆるものを竜にする力を持つ者たちが脅かす──。
野望を胸に日本に転移してきた“ニズレグ”に巻き込まれた“クウクル”。彼を止めようと
及ばずながら頑張る彼女を“景人”が何の因果か手助けすることに。彼女と行動を共にする
ことで彼が持つ生と死の概念が変わっていく様子とその背景にまずご注目いただきたい。
そして何と言っても数々の軍の装備がドラゴンたちとの戦いで費やされていく戦闘シーン。
まるで映画を見ているかのような派手さと細かい設定描写が本作一番の売りではないかと。
“舞嶽”の言動に振り回されつつも最後は大団円でまとまっており読み応えのある作品です。
2015年08月21日
2015年08月20日
『なれる!SE 13 徹底指南?新人研修』
夏海公司 先生が萌えるSE残酷物語。第13巻は社会人2年目を迎えた“工兵”が新人教育を
任されるものの個性派揃いの新卒社員ばかりで──。苦心する彼が下した決断や如何に。
(イラスト/Ixy 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865339-8/ 】
これはまた心をえぐるテーマ。右も左も分からないから教えてほしいと思っている新人側
と、自分のときはどうだったっけ? とどこまで教えれば良いのか戸惑う指導側。そこに
「ゆとり」「意識高い系」といったキーワードが乗っかってくるものだから胃に悪い。
会社のサイトに載っていた紹介文に憧れて入社してきた、と聞き嬉しく思う“工兵”でも
流石にキレるのは致し方ない。そして新人がメンタル、出社拒否へと繋がる流れ。胃に悪い
ですね。新人でなくとも後輩を受け持ったことがある社会人なら共感できてしまうのでは。
もちろん“室見”の心証も最悪になるワケですが、そこを数々の助力を得て起死回生の一手
から夢のような大逆転劇を見せてくれる“工兵”の奮闘にご注目。こんな2年目がいたら
放っておかないよ! ということでトンデモない引きに彼がどう対処するのか楽しみです。
任されるものの個性派揃いの新卒社員ばかりで──。苦心する彼が下した決断や如何に。
(イラスト/Ixy 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865339-8/ 】
これはまた心をえぐるテーマ。右も左も分からないから教えてほしいと思っている新人側
と、自分のときはどうだったっけ? とどこまで教えれば良いのか戸惑う指導側。そこに
「ゆとり」「意識高い系」といったキーワードが乗っかってくるものだから胃に悪い。
会社のサイトに載っていた紹介文に憧れて入社してきた、と聞き嬉しく思う“工兵”でも
流石にキレるのは致し方ない。そして新人がメンタル、出社拒否へと繋がる流れ。胃に悪い
ですね。新人でなくとも後輩を受け持ったことがある社会人なら共感できてしまうのでは。
もちろん“室見”の心証も最悪になるワケですが、そこを数々の助力を得て起死回生の一手
から夢のような大逆転劇を見せてくれる“工兵”の奮闘にご注目。こんな2年目がいたら
放っておかないよ! ということでトンデモない引きに彼がどう対処するのか楽しみです。
2015年08月19日
『バリアクラッカー 神の盾の光と影』
囲恭之介 先生の「第21回電撃小説大賞・電撃文庫MAGAZINE賞」受賞作。あらゆる傷病から
人を守る不可視の盾に守られた街で異端審問官を務める少女が数奇な運命を辿る物語です。
(イラスト/KeG 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865341-1/ 】
不可視の盾「アイギス」による加護がないレプトイドと呼ばれる異形たちによる犯罪が残る
都市アーモロートで彼らに対抗し、活躍を続ける“ベル”には夢がある。かつて異端宣告を
受けた兄を見て、アイギスが無いだけで異端だと即断する教会を変えたいという夢が──。
胡散臭いけどネタは確かな情報屋“クリカラ”と組み立身出世を図る“ベル”。ライバル的
存在の“シビル”に絡まれたりしつつ切磋琢磨する彼女に突如降りかかる異端の嫌疑。彼女
はそこで初めて「アイギス」に疑問を持ち、逃亡しつつそれが何たるかを調査し始めます。
思わぬ繋がりを見せる人間関係、「アイギス」と「バリアクラッカー」の背景にあるもの、
様々な要素が絡み合って話が大きく広がっていく展開は面白い。よくまとめたと思います。
KeG 先生のイラスト、トーメント・デバイスがまたカッコイイ。続きがあるなら楽しみです。
人を守る不可視の盾に守られた街で異端審問官を務める少女が数奇な運命を辿る物語です。
(イラスト/KeG 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865341-1/ 】
不可視の盾「アイギス」による加護がないレプトイドと呼ばれる異形たちによる犯罪が残る
都市アーモロートで彼らに対抗し、活躍を続ける“ベル”には夢がある。かつて異端宣告を
受けた兄を見て、アイギスが無いだけで異端だと即断する教会を変えたいという夢が──。
胡散臭いけどネタは確かな情報屋“クリカラ”と組み立身出世を図る“ベル”。ライバル的
存在の“シビル”に絡まれたりしつつ切磋琢磨する彼女に突如降りかかる異端の嫌疑。彼女
はそこで初めて「アイギス」に疑問を持ち、逃亡しつつそれが何たるかを調査し始めます。
思わぬ繋がりを見せる人間関係、「アイギス」と「バリアクラッカー」の背景にあるもの、
様々な要素が絡み合って話が大きく広がっていく展開は面白い。よくまとめたと思います。
KeG 先生のイラスト、トーメント・デバイスがまたカッコイイ。続きがあるなら楽しみです。
2015年08月18日
『ゼロから始める魔法の書IV ―黒竜島の魔姫―』
虎走かける 先生が贈るファンタジー作品。第4巻は“ゼロ”の故郷へ向かう途中で船が
難破。流れ着いた島に魔法の普及した国があると分かり“傭兵”共々調査に乗り出します。
(イラスト/しずまよしのり 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865306-0/ 】
黒竜島。かつて2つの国があり、持ち込まれた魔法で栄え、そして争い、ノーディスという
国一つに収まった島。あるいは離れようとすれば黒い竜に打ち滅ぼされる、出国不可な島。
王女“アムニル”は写本を渡す気がないため、“ゼロ”の交渉も一筋縄ではいきません。
“アムニル”がもつ「最善」の考えにより数奇な運命を歩まされる“ゴーダ”の話や、彼女
自身が「破竜祭」で背負う覚悟など、“ゼロ”としても聞いたからには考慮せざるを得ない
側面があり、手を貸すところは惜しみません。この姿勢は毎度ながら好感触を抱きます。
“神父”の割り込みもあり慌しい中でやらかしてくれた“サナレ”の悪行。「彼女」を想う
“ラウル”が本当に不憫で。“ゼロ”と“傭兵”同様、ここまで胸糞悪いと思えるキャラは
中々いないので、ぜひ容赦なく始末してほしいと次巻以降の刊行と共に願いたいと思います。
難破。流れ着いた島に魔法の普及した国があると分かり“傭兵”共々調査に乗り出します。
(イラスト/しずまよしのり 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865306-0/ 】
黒竜島。かつて2つの国があり、持ち込まれた魔法で栄え、そして争い、ノーディスという
国一つに収まった島。あるいは離れようとすれば黒い竜に打ち滅ぼされる、出国不可な島。
王女“アムニル”は写本を渡す気がないため、“ゼロ”の交渉も一筋縄ではいきません。
“アムニル”がもつ「最善」の考えにより数奇な運命を歩まされる“ゴーダ”の話や、彼女
自身が「破竜祭」で背負う覚悟など、“ゼロ”としても聞いたからには考慮せざるを得ない
側面があり、手を貸すところは惜しみません。この姿勢は毎度ながら好感触を抱きます。
“神父”の割り込みもあり慌しい中でやらかしてくれた“サナレ”の悪行。「彼女」を想う
“ラウル”が本当に不憫で。“ゼロ”と“傭兵”同様、ここまで胸糞悪いと思えるキャラは
中々いないので、ぜひ容赦なく始末してほしいと次巻以降の刊行と共に願いたいと思います。
2015年08月17日
『魔法科高校の劣等生(17) 師族会議編〈上〉』
佐島勤 先生が贈る大人気シリーズ。第17巻は“深雪”と“達也”の婚約話が公表された
ことで十師族の間に、そして魔法科高校の生徒、友人、卒業生の間に波紋が広がります。
(イラスト/石田可奈 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865313-8/ 】
“真夜”が提示した「建前」に対して強くに反応する一条家。相乗りする七草家。各々が
横槍を入れるために立てた白羽の矢、“将輝”と“真由美”は親の思惑に振り回されつつ
揺れ動く心は止められない、ということで親子双方の葛藤が伺えます。“真由美”頑張れ。
“深雪”と“達也”に対し“エリカ”や“レオ”のように割り切れるような者は少なく、
“幹比古”や“美月”のようによそよそしい態度をとる者、そして“ほのか”のように
ショックを受ける者が多数。“雫”の冷静な対応が救いの1つであったと感じられます。
口絵にある二人の世界を見れば“深雪”が幸せいっぱいなことは伝わってきます。そんな
雰囲気を知ってか知らずか、“七賢人”からもたらされた警告が少しずつ関係者に伝わる
ところで「師族会議」を暴威が襲う。中編、下編でどう話が動くか注目したいところです。
ことで十師族の間に、そして魔法科高校の生徒、友人、卒業生の間に波紋が広がります。
(イラスト/石田可奈 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865313-8/ 】
“真夜”が提示した「建前」に対して強くに反応する一条家。相乗りする七草家。各々が
横槍を入れるために立てた白羽の矢、“将輝”と“真由美”は親の思惑に振り回されつつ
揺れ動く心は止められない、ということで親子双方の葛藤が伺えます。“真由美”頑張れ。
“深雪”と“達也”に対し“エリカ”や“レオ”のように割り切れるような者は少なく、
“幹比古”や“美月”のようによそよそしい態度をとる者、そして“ほのか”のように
ショックを受ける者が多数。“雫”の冷静な対応が救いの1つであったと感じられます。
口絵にある二人の世界を見れば“深雪”が幸せいっぱいなことは伝わってきます。そんな
雰囲気を知ってか知らずか、“七賢人”からもたらされた警告が少しずつ関係者に伝わる
ところで「師族会議」を暴威が襲う。中編、下編でどう話が動くか注目したいところです。