2015年08月26日

『OBSTACLEシリーズ 激突のヘクセンナハト I』

川上稔 先生が贈る新シリーズ。世界を壊滅に追いやる「黒の魔女」を封印し、十年に一度
それを解放して打ち破るための夜に臨む権利を望む魔女たちの出会いと衝突を描きます。
(イラスト/さとやす 先生(TENKY) 協力/剣康之 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865311-4/


大鑑巨砲主義と言いますか、物理で殴ると言いますか・・・これまたド派手な戦闘シーンが
見どころ満載の魔法少女モノが登場しました。巻末に設定資料集がついていたりするのも
いつも通り。400 ページ程度で厚くない、と感じてしまうのはやはり異常でしょうね。

四法印学院の生徒会長にして魔女の序列四位たる“堀之内”が、ヘクセンナハトに挑む
には足りない何かを、突如現れた少女“各務”の見せる規格外な力に見い出そうとする
までのどつき合いが妙に滑稽で、それでいて熱い。対“ハンター”戦などはまさにそれ。

同時発売となる 剣康之 先生のコミックも拝読しておりまして、これがまた小説の内容を
実に上手く集約した形で話を動かしていて読みやすいのなんの。小説を読んだ方も動きが
把握しやすいので読むと良いと思います。秘密多き“各務”の動向が俄然、気になります。

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2015年08月25日

『堕天のシレンII』

上月司 先生が贈る、次世代ヴァーチャルゲームを舞台とする物語。第2巻は“桐子”の
マスターとなった“朱音”が新たなプレイヤーを前に共闘するか、対峙するかを迫ります。
(イラスト/さんた茉莉 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865309-1/


「Player or Slave」が始まって三週間。膠着する状況を動かすために運営がとった施策も
“朱音”の想定範囲内。早速、釣りを仕掛けてかかったのが“f”と“ポーン”、そして
“ショーキ”。出し抜いて、出し抜かれての連続でも“朱音”は焦ることはありません。

どんな状況であれ楽しもうとする“朱音”の裏に想像以上の過去があることを、ある出会い
を通じて知った“桐子”。散々憎まれ口を叩く彼女でも、流石に驚きと動揺は隠せません。
その“朱音”が冒頭で描かれた窮地に陥るのだから、読んでいるこちらもビックリです。

伏線を張ってしっかり回収してくれる点や駆け引きの妙、そして“朱音”は窮地を脱する
ことが出来るのか否かを引っ張り続ける話の構成は、興味を惹かれて楽しく読めました。
とりあえず次巻は出してくれそうなので、その先も含めて期待しておきたいところです。

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2015年08月24日

『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.8』

聴猫芝居 先生が贈る、残念で楽しい日常≒ネトゲライフ。アニメ化決定の知らせを受けて
刊行となる第8巻は、最高のバレンタインを目指して最大の試練に“アコ”が挑みます。
(イラスト/Hisasi 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865340-4/


現実のバレンタインを前に浮かれる“アコ”の「アコレート」を事前に食い止めるなど、
気苦労の耐えない“ルシアン”。ゲーム内で発生したバレンタイン・イベントに挑むも
ヒーラーが試練を問われる内容で“アコ”のプレイヤースキルの低さに頭を悩ませます。

最高の材料を使った最高のチョコレートを“ルシアン”あげる、ただしゲーム内で、と
“アコ”から宣言された彼の胸中は複雑ですが、本当に頑張ってイベント・クリアまで
辿り着くほど成長していく“アコ”の様子はかなり褒めてあげたい気持ちでいっぱい。

あと、リアルでもチョコ作りの際に他のメンバーを引っ張る役として奮闘していた様子も
なかなか珍しく、好印象を受けるところでありました。“ルシアン”もバレンタインを
満喫して、綺麗にまとめて、オチは“アコ”がしっかりつけるという素敵な日常でした。

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2015年08月23日

『仮面魔女の解放戦記《レジスタンス》』

すえばしけん 先生が贈る新作は、大国から身を追われた小国の姫が異世界から来た魔術師
と出会い、魔術を習いつつ反乱軍を立ち上げ守りから攻めに転じる顛末を描く進撃譚です。
(イラスト:マニャ子 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797382969.html


日本の魔術師を管理し、絶大なる影響力を持って社会へも関与する魔術結社「暁の神殿」。
その体制に異を唱える“戒斗”“蒼馬”“雪火”はそのトップ暗殺を計画、実行に移す。
“蒼馬”の凶刃が結社の首魁“魔術皇”に届こうとするその瞬間、世界は暗転し──。

異世界に飛ばされた結社の一員“秋輔”がエテイル王国の“カティア”と出会い、敵対心
むきだしな“雪火”と手を組んで王国を帝国から護る手伝いをする。自己否定精神の強い
“カティア”をどう立ち上がらせるか、という“秋輔”の影ながらの努力がポイントです。

飛ばされた魔術師は帝国にも居て、こちらも呉越同舟で元の世界に戻ろうと躍起なもの
ですから異世界を舞台に背負うものを混ぜ込んで望まぬ戦いなど生まれそうな予感がする
話運びが興味を惹きます。ひねりのきいた立ち回りも魅力的で続きが楽しみな作品です。

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2015年08月22日

『幻葬神話のドレッドノート』

『ボーイ・ミーツ・ハート!−彼女のフラグは難攻不落!?−』の刊行から約4年ぶりとなる
鳥羽徹 先生の新作は、異端の天才と無双の戦姫が夫婦で幻獣を滅する伝説を描く物語です。
(イラスト:赤井てら 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797384680.html


平地が有害物質「幻素」に覆われた「大災禍」により山間部へ逃げ込んだ人類を救う発見。
「魔力」と「魔術」をもって幻素により変異した幻獣にも打ち勝つ戦技魔装士が誕生した。
若き“志雄”や“日輪”もそれを目指す。それも上位を、ある願いを胸に秘めつつ──。

最初から“志雄”と“日輪”が夫婦という間柄ですのでイチャイチャぶりが実に微笑ましい。
“日輪”がヤキモチ焼きなのでそのあたりの掛け合いとかも。ただ夫婦になった経緯などは
それなりに覚悟の要る重めな背景を背負ってのことですので上手く対比にはなっているかと。

比翼連理、というのは単に日常風景だけではなくその才能と実力をこれでもかと発揮する
幻獣との戦いにおいても見ることが出来ます。ド派手なバトルを楽しんでいただくと共に
“日輪”の葛藤にもぜひ注目してもらえればと思います。オススメできるタイトルです。

posted by 秋野ソラ at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル