2015年07月14日

『CtG ─ゼロから育てる電脳少女─3』

『子ひつじを迷わない』の 玩具堂 先生が贈るVRMMO子育てバトルファンタジー。第3巻は
“ハルハ”の母親を名乗り強引に引き取ろうとする人物が現れ“遊”の周囲が殺気立ちます。
(イラスト:bun150 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321503000184


“春羽”の体を作るにあたって生体データを提供した“秋理”が“美遙”をベビーシッター
扱いするものだから、更には“春羽”を自分と同じモノだとはばかることなく言及するもの
だから“冬風”すら頭にくるというもの。もちろん“遊”も、父親として嫌悪を覚えます。

“秋理”の執拗なアプローチも過激になり、仕舞いには“春羽”を「CtG」から出させない
ようにする始末。家族とは何か? 自分とは何か? をそのその行動原理が、そして「CtG」
というゲームシステム自体が問いかける形となり“遊”たちも今の関係を考えさせられます。

VRMMOモノ、と単に位置づけたくはない独特の世界観を持つ作品になったな、と読了後に強く
感じました。“冬風”が見せる蔑みの目、そして激情が挿絵と共に印象深く胸に残ります。
ここで完結させるのは実にもったいないと思うのですが、次回作をお待ちしております。

posted by 秋野ソラ at 00:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル